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異国情緒 とは?
よくテレビの旅番組などで「異国情緒に溢れた街」という様な言葉を耳にします。「情緒」と聞くと私は心意気というか心が伴っているような気がするのですが、そこに暮らす人や道行く人が異国人の雰囲気を醸し出しているという事なのでしょうか? もし、建物や街の様子が異国風というのであれば「異国情趣に溢れた街並み」と言う方がぴったり来る気がするのですが、その様に言うのを聞いた事がありません。この様な言い方は間違っているのでしょうか?
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エキゾチシズム(エキゾチズム)が辞書に現れた時の訳語としては、英語辞書では明治時代の「外来したること」「外国品」からでしたが、外来語辞典としては、昭和5年に「異国情調味」、昭和6年に「外国風」「異国情調」、昭和7年「異国情調主義」、昭和10年「異国情趣」となっています。(「外来語の語源」角川書店) ところで、形容詞であるエキゾチックの訳語の中では、昭和7年「モダン語漫画辞典」には「異国的気分、異国情緒」が現れています。 このように「異国情緒」という言葉は、せいぜいエキゾチック=異国的気分程度の意味で、どうやら形容詞的用法が主なのではないでしょうか。 ですから、お問い合わせの事柄は、一々ごもっともであり、間違っているどころではありません。しいて「異国情緒」という言葉を用いるならば、「異国情緒(異国的気分)がほのかに味わえる街の佇まい」あたりではないでしょうか。「異国情緒の街」「異国情緒の味わえる街」という控えめな形容詞的用法が守られていれば、かろうじて違和は抑えられる気もしますが。 この「情緒」が「じょうしょ」か「じょうちょ」かは別の話題として、これは江戸の下町風情が残る町の佇まいを「江戸情緒」と呼んだ、その名残といいますか、その転用に近いものがあり、それだけにご指摘の通り、「そこに暮らす人や道行く人が異国人の雰囲気を醸し出しているという事なのでしょうか?」と、私たちは問い質さなければならざるを得ないでしょうね。 なにしろ「情緒纏綿」という言葉があるように、「情緒」は「しみじみとした特有の情趣」であり、この場合では「心に纏わりつき、情が深くて離れがたい」側面を形容するだけに、旅番組で当たり前のごとく「異国情緒に溢れた街」とか言われると、視聴しているこちら側が急に「情緒不安」に陥ってしまうということでしょうか。 回答というよりも、ご指摘いただいて、なるほど言葉は分ったつもりでいても、実はかなりでたらめな言い回しになりかねないのだと感じ入った次第です。
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- newbranch
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異国情緒とは、日本とは異なった、外国の建物や、文化を感じさせる物事それらを合わせもったようなものを言いますね。 オランダ坂とか神戸異人館とか日本とは違っていますね。
お礼
素早い回答ありがとうございます。 辞書にもその様に書いてあるのですが、ちょっとぴったり来ないんですよね。「私にはそこを異国の様に感じられる情緒がある」なら分かるんですけど。
お礼
エキゾチシズムの訳語の変遷と「異国情緒」がエキゾチックの訳語から出てきた事も分かり、楽しく読ませて頂きました。 そうなんですよね、「江戸情緒」なら何となく分かる気がするのです。東京の下町を歩いていて、向こうから自転車に乗ってやって来た小父さんが私に道を譲ってくれた時に感じました。テレビの公共広告でやっている、電車の座席を拳一つ分浮かせて詰めるのもそうですよね。江戸っ子かどうかは別にして、暮らしている町を他所から来た人に好ましく思って欲しいと思える心、そのために果たす責任のようなもの、昔から連綿と受け継がれて来た思いをその小父さんとすれ違った一瞬に感じました。あれ?でもこれって「下町情緒」なのかな? 仰るように「~に溢れた町」と言われたので「情緒不安」に陥ってしまったのかもしれません。「情緒」は「情趣」より深いところまで思いが至っているということなんですね。 以前から疑問に思っていた事に同意して頂けたので、「情緒が安定」して参りました。 本当にありがとうございました。