ノルウェーもスイスも、政府としては加盟したかったのですが、国民投票で否決されたので、できなかったのです。ただ、理由は、少々違います。
スイスは、1815年に開かれたウィーン会議という国際会議で永世中立国となり、今もその地位を保っています。中立を守るということを広く解釈すると、外交政策上、他の国と同調して、例えばイスラエルとパレスチナの紛争に対して共同で声明なんかを発表するのはマズイ、という可能性があります。EUは「共通外交防衛政策」という枠組みの中で外交政策の共通化を図っているので、スイスがEUに加盟すると、こういった面でジレンマが生ずる可能性があります。
スイス政府は、中立の意味をもっと狭く、「軍事行動への不参加」というように解釈する方向へと傾いています。だからEU加盟や国連加盟に動いたのですが、結局国民の賛同を得られず、今に至るまで成功していません。
また、スイスは直接民主制をとっており、国民の一票一票が国のあり方を決めるのだという意識が結構強いので、EUという何だかよくわからない巨大なものに飲みこまれるのは嫌だ、という拒絶反応を示す人が結構多いです。
ノルウェーは、永世中立国ではありません。冷戦時代にソヴィエト連邦を仮想敵国にしていたNATOの創立メンバーですしね。但し、ノルウェーは、過去に2度、EU加盟を申請しているにも関わらず、国民投票で2度、加盟が否決されました。
国民がEU加盟に乗り気でなかった大きな理由としては、主権国家としての地位の喪失に対する拒否反応(これはスイスと同じ)、元々EU水準より高い福祉の水準が加盟したら他の加盟国みたいに低くなってしまうのではないかという危機感、そして、主要産業の一つである漁業分野での政策決定権をEUに持っていかれてしまうとノルウェーの漁業産業にとって不利だという危機感、を挙げられます。
政府としては、他の北欧諸国が参加しているし、漁業を除けば経済的にメリットが大きいと踏んでいたし、EUとしても参加歓迎、だったんですけどね。。。
お礼
アドバイスありがとうございました。まだ地理の勉強は始まったばかりなので、わからないことが多いです。みなさんからいただいたアドバイスを参考にして、うまくまとめてみたいと思います。急いでいたので助かりました。 一言でEUといってもそれぞれの国の複雑な事情や利害関係があって、それを調べなくてはEUの勉強にはなりませんね。 ノルウエーはNATOには参加しているけど、EUには参加しない・・・。難しい