>先日フランスで行われたEU憲法の是非を問う国民投票で、批准に賛成しないと言う結果が出た。EU市民のための憲法発行のはずが、なぜこのようなことになってしまったのか
これには様々な要因があると思いますが、一つはナショナリズムの問題です。そもそも大抵はどこの国でも隣国と仲が良いというのは珍しい方が多く地理的な関係から歴史問題を抱えているのです。
また、西側の国から見たらかなり異質な存在とも言える旧共産圏や民主国家として不十分なイスラムのトルコまでを飲み込もうとしているEU拡大への抵抗感があります、つまりそれらと共通の憲法など持っても大丈夫なのかとう不安だと思います、さらに経済的な問題もあります。
安全保障の面でもアメリカ単独の世界とは違った新しいモデルを作ろうという意欲が共有されています。
ただこの先にEUがどのように進んでいくかというのは難しい質問だと思います。なぜなら今までの歴史の中でEUのように合衆国や連合とも違った形の物は例がなかったので今後EUがどのような物になるか、またそれがどんな影響を世界に与えていくか予想を立てるのは難しいのです。またEUそのものもそうですがソ連が崩壊しアメリカが国連を軽視して単独的な行動をとって来ているというように世界的な状況もかなり変動していって、それらが複雑に関係しあうでしょう。
しかし、統合すればアメリカをも超える可能性を持ったこのEUの枠組みはこれからも維持されていくでしょうしどれくらいで進むかのスピードはわかりませんが間違いなく統合の方に動いていくでしょう。ただ最初の頃のゆるやかな経済協力の関係がここまで早くこれほど進むとは誰もが予想がつきにくかったですし、それが今ここまで進んだのですから今後も思ったより早い段階での統合があるかもしれません、現にヨーロッパの政治家のほとんどはEU自体に対して意欲的だからです、ヨーロッパ諸国は政治体制が近いということもありますがこの文化の壁を乗り越えようとする努力は相当のものです。
個人的にはEUが世界の新しい枠組みとしてアメリカと拮抗する勢力となって一国にだけ依存的な形よりも、もっと多面的な関係を世界が作れるように進むと良いと思います。
実際にはかなり難しいとは思いますが。
お礼
回答していただき、ありがとうございました。大変参考になりました。 勉強になります。