先の方が丁寧に回答されているのですが、専門的な勉強をされているようですので、少し補足をさせていただきます。
まず、ヘモグロビンと酸素や二酸化炭素の結合度(飽和度)を決定する要素は、酸素や二酸化炭素の圧力(分圧)で、平衡という概念が重要になります。
ですので、動脈血の酸素飽和度は、肺内での酸素分圧、すなわち、気圧と酸素濃度によって決定され、末梢以降(静脈血)の二酸化炭素飽和度は末梢組織内の二酸化炭素の濃度(分圧)によって決定されるのです。
ですから、酸素飽和度は呼吸量とは関係ありませんし、いくら呼吸数を増やしても、酸素飽和度は変わりません。ただし、呼吸数を増やすと、二酸化炭素は放出されるので、動脈血中の二酸化炭素飽和度は低下します。(余談ですが、これの二酸化炭素濃度の過度の減少が過換気症候群の原因です)
まず、肺では大気中の酸素濃度に応じて酸素がヘモグロビンと結合します。この時の飽和度は先に述べたように、大気中の酸素分圧によって決定されます。これが動脈血の酸素飽和度となります。
末梢部分では組織が酸素を消費した結果、酸素濃度は低くなっています。そうすると、血液中の酸素分圧よりも組織中の酸素分圧の方が低い状態なので、酸素はヘモグロビンから放出されるのです。
これが組織への酸素運搬の原理です。
つぎに、二酸化炭素の運搬ですが、実は、ヘモグロビンの結合しやすさというのは、酸素よりも二酸化炭素の方が結合しやすいんです。一見矛盾するようですが、もしも酸素の方が結合しやすかったら、どうなるでしょうか。それは、末梢血中で酸素を放出しにくくなるということになります。ですので、二酸化炭素と結合しやすい方が、末梢部分で酸素をより効率よく放出できるのです。
末梢組織中では、酸素濃度は低く、二酸化炭素濃度が高い状態です。ですから、先に書いたようにしてヘモグロビンは末梢で酸素を放出し、代わりに二酸化炭素と結合し、その結果、静脈血中の酸素飽和度は低くなり、二酸化炭素飽和度が高くなります。
次に肺へ戻ってきた血液ですが、静脈血中の二酸化炭素分圧は大気中の分圧よりも高いので、肺内で放出されます。そして最初と同様に、酸素に置換され、この時点でガス換気が行われるのです。(更に余談ですが、一酸化炭素は更に結合力が高く、ガス交換が出来ないほどです。そのため、酸素が結合できずに、中毒死(組織の酸欠死)が生じてしまうのです)
このように、圧平衡という物理原理を利用してガス交換が行われていますので、大気中に二酸化炭素があるように、動脈血中にも二酸化炭素はありますし、静脈血中にも酸素は存在します(ですから、マウストゥーマウスの人工呼吸で救命できるのです)。
運動中は安静時よりも組織での酸素消費量が多く、末梢の二酸化炭素が通常よりも多い状態、すなわち二酸化炭素の分圧がより高くなっているので、酸素と二酸化炭素の入れ替えが安静時よりも多く起こり、その結果、酸素の放出が通常よりも多くなるのです。これが「酸素が遊離される割合が100に近」くなる理由です。
お解りいただけたでしょうか(もしかして更に混乱させましたか)?
お礼
丁寧な説明ありがとうございました!! 分圧が関係してくるんですね。 たしかに授業中に酸素分圧が~等説明していました!! ところどころにある余談(私からすれば全然余談ではありませんが) も、“なるほど!”と、さらに理解が深まりました! まだまだ私は勉強が足りませんね。。。 でも分からないことが分かると楽しいです!! ありがとうございました!!