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条件法に関する質問:ラテン語から受け継いだのではないの?
もしラテン語では真の意味での条件法を使わないというのを真実とすると(別の質問で扱いましょう)、条件法を使うスペイン語、イタリア語、フランス語などの言語は同時発生的なのか、それらの祖語(ラテン語じゃないの?)の特徴なのでしょうか?
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補足です <英語> I would speak これは過去未来と同じですが、条件法の場合は would は will の単なる過去ではなく仮定法過去とする見方もあります。つまり英語の条件法は「助動詞の仮定法過去+原形」ということになります。古くは I spoke だけで「私は話すだろうに」と条件法のような使われ方もしたのですが今日では使われません。普通の過去と区別がつかないからです。(It is time you went to bed. のような過去形は古い用法の名残のようにも見えます。「(通常なら)就寝するであろう時間→もう寝る時間だ」) <ドイツ語> Ich spraeche. sprechen の普通の過去は sprach です。spraeche は接続法第2式で英語の仮定法過去に相当しますが、普通の過去と異なるので I would speak の意味に使えます。これが本来ですが近年は Ich wuerde sprechen を I would speak の意味に使うことが多くなりました。wuerde は未来の助動詞 werden の接続法第2式で、普通の過去は wurde です。これは英語と同じであり、この形を条件法と言います。(規則動詞では普通の過去と接続法第2式が同じであることも原因かもしれません) <フランス語及びラテン語> Je parlerais. フランス語の未来は「不定詞に avoir を後接」します。parler + ai, parler + avons/avez では av が抜けて parlerons/parlerez。ラテン語の未来は parabolabo(一人称単数)のような独立した形です。 フランス語の条件法は「不定詞に avoir の半過去を後接」ですが、未来形のように av は脱落します。parler + avais → parlerais, parler + avions → parlerions。これは助動詞こそ違いますが(will, werden, avoir)、英語やドイツ語と同じ構成と言えます。 ラテン語では非現実を表すには、接続法未完了(現在の事実に反する)、接続法過去完了(過去の事実に反する)を用います。それぞれ parabolarem / parabolavissem(一人称単数) で独立した形です。これは現代語に伝わっていません。ちなみにスペイン語でも過去未来が条件法の役割をしているそうです。 なお、parabolare は古典ラテン語ではまだ使われていないのですが parler との比較のために使いました。
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- Big-Baby
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英語のWikipediaに簡潔な説明がありました。 ロマンス語で条件法を使うような場合、古典ラテン語では接続法を使っていたのですが、後期ラテン語(Late Latin)になるとそれまでの単独未来形に代わって(不定詞+habereの現在形)を使う迂言的未来形が使われるようになったのと平行して、(不定詞+habereの過去形)を使った条件法の用法が現れてきます。ただ、こうした変化はロマンス語圏いたるところ同時に起こったわけではなく、フランス、スペイン、ポルトガルにおいては(不定詞+habereの未完了過去形)をもとに、イタリアにおいては(不定詞+habereの完了形)をもとにして条件法が発達しました。古典ラテン語の過去には未完了過去(imperfect)(フランス語、イタリア語の半過去にあたる)と完了(perfect)(フランス語の単純過去、イタリア語の遠過去にあたる)のふたつの過去があったのです。ラテン語cantare(歌う)を例に取ると、フランス語、スペイン語、ポルトガル語においては cantare+habebam > Fr. je chanterais, Sp. cantaria, Port. cantaria のような変化が起こり、対して、イタリア語では cantare habui > It. canterei のように条件法が発達したのです。 (habebamはhabereの未完了1人称単数形、habuiはhabereの完了1人称単数形です) trgovecさんの回答があまりにもフランス語中心なので補足しました。フランス語とイタリア語では条件法の作り方が異なるのです。
お礼
なるほど、英語やドイツ語では will をつけて動詞につけ、ロマンス語では have を変化させた動詞に交接(おっと、後節!)させて作るのね! 勉強になったわ!またよろしくね!
- trgovec
- ベストアンサー率52% (2538/4879)
条件法と呼ばれる形は元々からあるものではなく、後から発生してきたものです。 (英語)would+原形 (フランス語)je parlerais (ドイツ語)不定形+wuerde これらから分かるように未来形から派生した過去未来が基になっています。ゲルマン系では助動詞を使わない仮定法(接続法)で「~するだろうに(実際はしない)」という意味を表していましたが、英語では条件法に置き換わり、ドイツ語では接続法も使われるものの最近では条件法の使用も増えてきたそうです。ロマン系では先祖である未来形は独立した動詞の形がありましたが、現代語では「不定形にhabere (avoirなど)を後接」に変わりました。更にこの「後接したhaber」を過去(未完了)にしたのが条件法です。 このように条件法とは未来形の変化(ロマン系)や用法の拡張(ゲルマン系)から発生したもので、古典語の接続法の用法の一部を肩代わりするようになったものです。
補足
「ドイツ語では接続法も使われるものの最近では条件法の使用も増えてきたそうです。ロマン系では先祖である未来形は独立した動詞の形がありましたが、現代語では「不定形にhabere (avoirなど)を後接」に変わりました。更にこの「後接したhaber」を過去(未完了)にしたのが条件法です。」が難しくてわかりにくかったのですが、もし補足してくださるのならとても助かります! 本当にいつも高レベルの回答で感心しています。きゃっ、本音で告っちゃった!
接続法、条件法(英語の仮定法も)というのはそれぞれの言語での文法記述の用語の問題です。ラテン文法を記述する上では「条件法」とか"conditional mood" という用語は普通使用しない、という意味でしたらラテン語に条件法はありません。記述に用いる用語の選択は慣習的なものです。しかしこれはラテン語に条件文が存在しないことを意味するわけではありません。
お礼
はにゃー、そうでした! くぴくぴ。
- ANASTASIAK
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ラテン語の接続法および古典ギリシア語の接続法・希求法から 正当な引継ぎをうけています。
お礼
なんかぁロシアの貴族のようなお名前ですね。ぺでぃぐりーちゃむ!
接続法から条件法が発生したのではないでしょうか。
お礼
らてん語っておひしそふ!
お礼
正直言って、wuerde sprechen が条件法だとは初めて知りました。こういうところが文法をきちんとやっている人との差がでますね。 うーん、快汗!(ちょっと昔の王子駅看板より引用!)