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糖尿病ケトアシドーシス
糖尿病ケトアシドーシスは『インスリンの絶対的欠乏とインスリン拮抗ホルモンの分泌亢進によっておこる』と教科書に書いてあったのですが、よくわかりません。 DKAは1型糖尿病に多く、インスリンの絶対的欠乏がおこっているとすると、なぜ拮抗ホルモンの分泌亢進が起こるのでしょうか? 足りないインスリンの働きをさらに妨げるように体が反応するのがなぜなのかわかりません。 どなたか教えて下さい。よろしくお願いします。
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インスリンというのは生理学的に言えば「同化促進ホルモン」ですが、それに拮抗するホルモンというとやはり同じ膵島の「異化ホルモン」グルカゴンが真っ先に思いつきます。 実はこのグルカゴン、血糖値だけではなくアミノ酸や遊離脂肪酸、他のホルモン分泌などにより分泌調節を受けているのですが、その中にはインスリンによる調節も含まれており、インスリン分泌が増えることで分泌が抑制される調節を受けているのです。 ですので逆に言えば、インスリンが分泌されないと抑制する要素が一つ減るわけですから、原理的にはグルカゴンの分泌が増加するという結果を呼ぶわけです。 またもう一つ、インスリン分泌と同時に同じ膵島から分泌されるソマトスタチンというホルモンがあり、これもグルカゴンの分泌を抑える働きがあるのですが、「インスリン分泌と同時に分泌」という性質のため、グルカゴン分泌によっても刺激されはしますが、このホルモンも減ることになります。 ですのでまたここでもグルカゴンを抑制する要因が減るわけです。 そのため、グルカゴンの分泌が結果として増加するということにつながるわけです。 さらにもう一つ、グルカゴン分泌自身にもインスリン分泌を刺激し促進するという性質もあります。 そのためインスリンが不足すると、インスリン分泌を刺激する目的でグルカゴンの分泌が増加するという反応も起こります。 以上はあくまで原理的なものですので、その他の要因も加味しないとダメではないかと思いますが、いちおう十分理にかなった現象ではないかと思います。
お礼
大変わかりやすい説明をありがとうございました。 疑問がとけスッキリしました!