「だれが」を特定するのは難しいのですが、おおまかに以下のように分類してみました。
(1)大人が介入できる工夫
先生が教室に交替ではりつく、という方法は単純ですが、確かに、少しの効果が期待できます。
また、一度深刻ないじめに発展してしまうと、被害生徒の送り迎えを教員が行うなどの場合も多々あります。
(2)厳罰
教育再生会議の提言に特徴的なのが、「いじめたやつを厳罰にする」「いじめを改善できなかった教員を厳罰にする」という発想です。
私は、これは(4)(5)(6)と矛盾する方法で、良くないという立場です。
(3)避難しやすくする
学校以外の教育・医療機関との連携を主張する人は多いと思います。間違っていないと思いますが、構造改革路線では、予算の裏付けはなくなるばかりです。
(4)人権教育の徹底
いじめは人権を否定する問題行動です。本当に人権意識が定着するならば、いじめ事件は発生しないでしょう。
ただし、効果的な人権教育の方法は、まだまだ手探りの段階を出ていないという弱点があります。
(5)自治活動を育てる
生徒による「いじめ救済ポランティア」の教育実践は、すでに10年くらい前から、各地で行われ、かなり成功しています。
欠点は、そのような実践が、個人的な優れた一部の教員の努力だけで成り立っているということです。
権威主義的な多くの教員は、自治活動の育て方がわからず、そのような「今までにない」やり方を敵視することも多いのです。
(6)いじめ構造を変える
いじめの背景には、様々な問題がからみあっています。
たとえば、加害者はほぼ例外なく何かのストレスをかかえていますが、それは、受験戦争だったり、児童虐待だったり、親の失業だったり、父母の離婚だったりするわけです。
それらのひとつひとつに改善の手だてを講じなければ、構造的ないじめ事件は減少していかないでしょう。
比較的すぐにできることとしては、学校をもっとリラックスできる場所にすることです。
諸外国のように1クラス20人台の定員に変えるだけでも相当ちがうと思います。
もっとすぐできることは、現場を知らない教育委員会や文部科学省が、次々に思いつきのやり方を押しつけることをやめることです。
それが実現すれば、子どものストレスはかなり減少するでしょう。