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村上春樹「国境の南~」に出てくるヒステリア・シベリアナはフィクション?
村上春樹の小説に、ヒステリア シベリアナ というような名の病気が出てきますが、この小説以外には聞いたことがありません。 ズバリ、この病名はフィクションでしょうか、ノンフィクションでしょうか?
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今、本が手元にないので確認できませんが、出てきましたっけ? あ、これですね(失礼、検索してヒットしたどこかの人のブログです) http://daipresents.com/weblog/magi/archives/2005/04/20050423.php 春樹さんは真顔で虚構を書くので(モスクワのトナカイの像とか・・・あれは実在しない)、真実かはわかりません。 が、19世紀のロシアの女性、農婦などにヒステリーという病気があったのは本当です。 そこからヒステリア・シベリアナ=シベリアのヒステリーと書いたのではないでしょうか。 病気の「ヒステリー」は、日常会話的に言う「ヒステリックな女性」「ヒステリーを起こす」というのとは違います。 精神的ストレスなどから手足が動かなくなったり、精神的に不安定になったりという病気です。 ロシアだけでなく19世紀ヨーロッパに多かった病気らしい。 フロイトも最初はこのへんから研究や治療を始めました。 ギリシャ語の「子宮」から来ている言葉で、女性だけの病気のように受け取られるがそうではない等の理由から、今では医学用語としては使われないとのこと。 http://homepage1.nifty.com/gatagoto/1BanHome/ne/1banhom024.html http://www.mh-net.com/lecture/yougo/histeria.html ドストエフスキーの名作小説『カラマーゾフの兄弟』に“癲狂病み(てんきょうやみ。これは新潮文庫で原卓也さんの訳語)”という病がでてきます。 これは泣いたり叫んだりという感じですが・・・ ドストエフスキーの文章によれば、通常より苦しいお産のあとにすぐ厳しい労働を始めたり、虐げられ辛い生活をしている農婦たちの苦境を反映している病気なのだ・・・というような意味のことが書いてあったと思います。 村上春樹氏は『カラ兄』好きですし、19世紀あたりが好きな人はヒステリーという病気を知っているはず。 ロシア文学のどれかから引用したか、読んだものを独自に発展させて想像上の病気を描いたか、なのではないかと思います。 これも想像ですけれど。 ヒステリア・シベリアナという名前は、ラテン系言語を知っている人なら想像で作れる名前だと思います。 (春樹氏は英語、イタリア語、ギリシャ語が解り、フランス語で会話はできずとも本を読めるはず。スペイン語を少し習ったこともある) Histeriaに「シベリアの」をそれっぽい感じで付けるなら、やはり Siberianaだと思います。 実際にそんな語がないとしても、語感としては。 ネットで日本語・アルファベット両方でざっと検索してもそれらしいのがヒットしないので、造語かもしれません。 遠くへ歩いて行く農夫も想像かも。
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#1さんの丁寧な回答に、しばし見入っておりました (笑) 「ヒステリア シベリアナ」 重松清の 『その日の前に』 にもこの病名が出てきて、 私はこちらで初めて耳に(目に)しました。 印象的だったから、今このご質問に出あってふとぐぐってみたら、 いくつか他の作品にも登場する病名なんでしょうか、 村上春樹と重松清以外の名前もかいま見えました。 ざっとで申し訳ないんですけれども目を通してみたら、 一応、俗称?としてある、という感じでしょうか。 ・・・・・ あ、やっぱりずばりじゃないですね。
No.1です。 ぜんぜんズバリじゃないですね、ごめんなさい。 それに書いたようなことはご存じなのかもしれないし・・・
お礼
村上さんは真顔で虚構を書く、ってところがおもしろかったです。 本に出てきたヒステリアシベリアナは、僕らの想像するようなわめいたり大声を出すようなヒステリーではなく、農耕者がある日突然、日の沈む方向にひたすら死ぬまで歩いていってしまう、というようなものでした。 村上作品は一作しか読んでいないので、読んでいらっしゃるafter8さんが言うのなら虚構の可能性が高いですね(笑) ありがとうございました。
お礼
いろんな人が書いているんですね。少し真実味が出てきましたがフィクションがフィクションを呼んでる可能性もありそうですね。ありがとうございました。