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10/27日経新聞の記事
10/27付け日経新聞の33面左上に掲載されていた「やさしい経済学-実験で解く 5 日本人は意地悪か」の内容がよく理解できません。 具体的には、ここに書かれていた実験のルール、「自己の利益を最大にするよう公共財を供給する」などです。 経済には疎いほうです。 ご解説を頂きたく、お願いいたします。
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まぁそのテーマからするとゲームの理論に関する研究かと思います。 一番単純な例では「囚人のジレンマ」というゲームです。ゲームというのはファミコンとかのゲームではなく、複数の主体の存在する状況下での意思決定に関する研究で実は数学です(簡単に言うとある条件下における行動の損得を数字で計算しようというものです)。がこれは心理学やら哲学やら法学、生物学、当然経済学にも応用が効きます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9A%E4%BA%BA%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E7%90%86%E8%AB%96 ということですので、経済学だからというようなものではなく、あくまでも思考実験的なものとしてまずはかまえてください。 で「公共財供給実験」もそこから発展した実験なんですが、 一人、二人が非協力的な態度をとっても制度それ自体が崩壊することは無く、タダ乗りした人だけが丸儲けしちゃうというような条件です。 具体的には、自分ひとりだけ非協力した方が、協力した結果得られる利益よりも多くなるという状況。 ただしある程度の人間が非協力になってしまうと、そもそもの根幹が崩れて全員大損になってしまうというジレンマの状態。 分かりやすい例で言えば、給食費の未払いとか、京都議定書のアメリカの拒否とかの事例です。 「自己の利益を最大にするよう公共財を供給する」とはつまり、 ・給食費は一切払わないが、給食は頂く ・二酸化炭素の抑制には一切協力しないが、その恩恵は受ける ということです。 実際の実験では条件がもっと細かく、0or100の選択だけではなく、30だけ60ぐらい協力とかの選択肢があります。 例えば60協力して80返ってくるという条件と30協力して55返ってくるという場合、 数学的に考えれば30協力して55返ってくるという方がお得ですよね? これも「自己の利益を最大にするよう公共財を供給する」です。 ※ただ社会全体の発展というものを考えれば前者の方がより良い選択なのですが。 でも条件を返れば実は60を選ぶような人が多いというケースも出てきます。 具体的な条件についてはこちらを参照してください。 「日本人はいじわるがお好き?!」プロジェクト http://www.iser.osaka-u.ac.jp/~saijo/pdffiles/keisemi06-01.pdf 日本人の傾向としては、自分の協力的選択により自分も最大プラスだが、それよりもさらに他の人がプラスになるようなら 次点の策をとりやすいということが分かっています。自分の利益よりも嫉妬優先ということです。 ただし最後にはみな協調をするというのもまた特徴なのだそうです。これもやっぱり日本人ですかね。
お礼
色々な理論があるんですね。 これからじっくり読んで活きたいと思います。 大変勉強になりました。ありがとうございました!