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「シュレディンガーの猫」についての素朴な疑問
「シュレディンガーの猫」の例えが何故パラドックスになるのか、一般解説書や解説Webサイトをみても、よく理解できない私です。量子力学について門外漢としての素朴な疑問は以下の通りなのですが、どこで考え違いをしているのか教えて頂ければ幸いです。 閉じた箱の中で放射性物質から粒子が放出されたかどうかは、観測するまでは不確定であるというのは(何となく)理解できる気がします。 しかし、箱の中で作動している検出器がそれを検出したとしたらその瞬間に「観測した」ことになって状態が確定し、ガス発生装置が作動して猫は昇天する結果になるのではないでしょうか? 「観測者が箱のフタを開けて観測するまでは状態が不確定である」「従って猫は生きているとも死んでいるとも確定できない状態」というパラドックスがどういうことなのか、よく理解できないのです。 素人考えでは、事象の起きる確率が50%だとすれば、一定時間後に100個の箱を開けてみたところ約50匹の猫が生き残っていたと言う結果が得られるだけのことじゃないのかな、と思えてならないのですが…… それとも、この思考実験における「検出器」というのは、量子の不確定な状態に影響を与えないような特別な観測装置として想定されているのでしょうか? よろしくご教示のほどお願いいたします。
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以前、同様の疑問を持っていました。 分かりやすそうなHPを見つけましたので、参考にして見て下さい。 参考URL のページを開いて、左のフレームの中の「15 シュレディンガーの猫(3) 」をご覧下さい。 とても読みやすいHPなので、ご興味があれば 1から全て読まれると良いと思います。
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シュレディンガーの猫の発送のもとになった「コペンハーゲン解釈」をもう一段階おしすすめた「多世界解釈」を用いると、ほんの少しだけ想像しやすくなると思います。 つまり、箱の中には死んだ猫と生きている猫が同時に存在しているのですが、箱を空けた瞬間に死んだ猫を見るあなたと、生きている猫を見るあなたが同時に存在するのです。 つまり、箱を見た瞬間にあなたは二つに分裂する。というより、あなたの存在する世界が二つに分裂するというわけです。 ここで、問題になることはあなたの意識は分裂した二つの世界にまたがって存在できないこと。だからあなたの意識は「死んだ猫」か「生きている猫」のどちらかしか見ることができないのです。 ただし、こういう多世界が本当に存在するかどうかは現在の物理学においてはあまり問題視されていません。既存の理論では説明のできない実験結果のつじつまあわせをするために考えられた解釈のひとつであるとお考えください。
お礼
#6 rejyu2様 示唆に富んだご回答ありがとうございます。1ヶ月以上もたってからのお礼で、大変申し訳ありません。 > 「コペンハーゲン解釈」をもう一段階おしすすめた「多世界解釈」を用いると、ほんの > 少しだけ想像しやすくなると思います。 →なるほど「多世界解釈」のほうがすっきりとする気がします。SFの読み過ぎのせいか、私の性には合ってるのかもしれません(^_^)。ありがとうございました。
- piricara
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箱を1つだけ用意して、その中の猫が、どちらの状態でもない。箱を開けるまでわからない。 というところが重要で、 多数用意したら、全体でその確立でどちらかになる。 という答えを期待しているわけではありません。 つまり、観測していなくても、どちらかの状態であることが当たり前だ! と言いたい訳です。 2つの事象を同時に観測できない。という理論に疑問を感じた人たちが言い出した思考実験です。 検出器、猫を含んだ「箱」そのものが一つの粒子であるとしても、思考上問題ない。とするところを土台にしています。
お礼
#5 piricara様 ご回答ありがとうございます。当方の事情でお礼が大変遅くなってしまい、申し訳ありません。 > 箱を1つだけ用意して、その中の猫が、どちらの状態でもない。箱を開けるまでわからない。 > というところが重要で、 →なるほどその通りでした。 > 多数用意したら、全体でその確立でどちらかになる。 > という答えを期待しているわけではありません。 →これは確かに問題の本質を外れていました。ただ、もし実際にこういう箱を作ってみたらそういう結果になるであろうと素人なりに考えてみたまでのことです。 > 2つの事象を同時に観測できない。という理論に疑問を感じた人たちが言い出した思考実験です。 > 検出器、猫を含んだ「箱」そのものが一つの粒子であるとしても、思考上問題ない。とする > ところを土台にしています。 →う~む、これは私には難しいです。また考えてみます。
- shiara
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「シュレディンガーの猫」はパラドックスではありません。「猫は生きているとも死んでいるとも確定できない状態」になどなく、このような状態はありえません。そもそも「生きている状態」と「死んでいる状態」は、量子力学でいう固有状態ではありません。生きているとか死んでいるというのは、人間にとって意味のある区別ではありますが、物理的には意味のある区別ではありません。「シュレディンガーの猫」は、量子力学の考え方を誤って応用したものです。 シュレーディンガーがこの例えを出した理由は、ミクロの世界とマクロの世界の境界がどこにあるのか、という問題提起だったのではないかと考えます。
お礼
#4 shiara様、ご回答大変ありがとうございます。お礼が大変遅くなりまして失礼いたしました。 > 「シュレディンガーの猫」はパラドックスではありません →やはりそうですよね。「パラドックス」と書いてある解説サイトがあったので、なぜこれがパラドックスになり得るのか知りたかったのです。 > 「シュレディンガーの猫」は、量子力学の考え方を誤って応用したものです。 > シュレーディンガーがこの例えを出した理由は、ミクロの世界とマクロの世界の境界が > どこにあるのか、という問題提起だったのではないかと考えます。 →シュレディンガー氏ともあろう方がなぜ考え方を誤った例えをだしたのか、その理由と意図についての示唆をありがとうございました。私も調べてみました。
- joba
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箱の中で作動している検出器がそれを検出して、ガス発生装置が作動して猫が昇天する結果が、起こったのか、起こらなかったのかを、観測者が箱を開けるまで、外からは知るすべがない・・・。つまり、箱の中の状態を、二つとも同じ確立で、ただ想像することしかできないわけです。検出器が検出したかどうかを、箱を開けて後、観測者が確定するわけです。
お礼
3 joba様、ご回答に感謝します。お礼が非常に遅くなりましてすみませんでした。 > 観測者が箱を開けるまで、外からは知るすべがない・・・。つまり、箱の中の状態を、 > 二つとも同じ確立で、ただ想像することしかできないわけです。検出器が検出したかどうかを、 > 箱を開けて後、観測者が確定するわけです。 →この部分が、本当にそうなんだろうか?と考えてしまったのです。 つまり、検出器の出力信号をガス発生装置につなげるだけでなく、信号を分岐させて箱の外にランプがつくようにしておいたらどうなのでしょう?そうすればフタを開けなくても観測者は中の状態を知ることが出来ますよね。 ところで、箱の内部で起きる(起きた)現象にとっては、信号回路を分岐させたか否かということや、ましてや観測者(人間)がそのとき箱の外のランプを見ていたか否かということは、原理的に何の差異も生じさせないのではないか?と思ったのです。ですので「観測者が箱のフタを開けて観測するまでは状態が不確定である」という記述がどういう意味なのか私には理解できなかったのです。 ただ、調べてみて少し解った気がしますので、#7の方のお礼欄にまとめて書いてみようと思います。
- moby_dick
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深く考えなくていいです。 不適切な例えだ、でいいです。 死んでいるか生きているか分からないのが、死んでも生きてもいない状態であるとはナンセンスです。 分からなくてもどっちかに決まっています。 常識で考えればいいです。 不確定原理を一般向けに奇抜に印象的に、そのようなものと表現してみただけです。
お礼
#2 moby_dick様、ご回答ありがとうございました。お礼がかくも遅れまして申し訳ありません。 > 不適切な例えだ、でいいです。 →私も確かに不適切な例えだと思いました。ただ、シュレディンガー氏がなぜこういう不適切な例えをしたのかを知りたいと思ったのです。私なりに調べてみて少し解ってきたことを、#7の方へのお礼欄にまとめて書いてみようと思います。
- kokoreko
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箱を開けたとき、あなたが殺しませんでしたか、 生きているか死んでいるか確認するために 殺してしまっては矛盾じゃないですか? 箱を開けた衝撃で、生き返ってはいないと 証明しなければなりませんか? 科学の仮定(99,999、、、)と常識(99%)の間には基準の上下があります、 科学に対する態度では生活できないし、 逆もいえます
お礼
#1 kokoreko様、さっそくのご回答ありがとうございました。お礼が大変遅れましたことをまずお詫びいたします。 ……kokoreko様のご回答は高度に哲学的な内容を含まれているようで、正直言って私にとっては量子力学以上に理解が困難でした。いの一番にご回答いただいた事と、世界に新たな謎をご提供いただいた事に敬意を表して、10ポイントつけさせていただこうと思います。どうぞよろしく。
お礼
#7 koji330様、大変参考になるURLを教えていただきありがとうございました。お礼がこんなにも遅くなりまして本当に申し訳ありません。 > 分かりやすそうなHPを見つけましたので、参考にして見て下さい。 →非常に参考になりました。まだ全部はとても理解できないのですが、おかげさまで今まで疑問に思っていたことや知らなかった点のいくつかが解りました。 また、他に一般解説書も読み合わせてみてとりあえず自分なりに解った事をまとめると、以下のようになります。まだまだ奥は深いですが…… ・【猫の思考実験はなぜ生まれたか?】2重スリット実験を説明するために編み出された「コペンハーゲン解釈」、ことに「人間がそれを見たかどうかによって状態が決定する」とした一部の学者の主張に対して、「それは間違っている」と主張するためにシュレディンガー氏は「猫」の思考実験を考え出した。 ・【検出器の問題は?】標準的な「コペンハーゲン解釈」では、検出器が粒子を検出した段階で波動が収縮し共存状態が崩れる、と考えているようだ。(これは私の考えに近いです) ・【猫問題は解決していない】この問題は量子論の解釈の本質に関わる問題であり、統一見解は出ていない。 ・【量子論の解釈と実用性について】「コペンハーゲン解釈は正しい」と証明はされていない(「多世界解釈」同様に、証明は不可能)が、実用上便利な手法として採用している科学者が多い。 ……有益な情報を教えて頂きまして、大変ありがとうございました。
補足
ご回答を寄せていただいた#1~#7の皆様、本当にありがとうございました。これにて閉めさせていただきます。