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-ide の意味
物質の名前には語尾に-ideを持つものがたくさんあります。sodium chlorideは塩化ナトリウムです。oxideは酸化物と訳されていますがラボアジェが作った言葉だと言われています。辞書には-ideは~化物(イオン)を表すと載っています。これはIUPACで指定された国際的な命名法です。 ところがラボアジェの元の本を見ると違います。空気中に含まれる2つの成分の中の支燃性の方の性質を色々調べています。「この成分は非金属元素と反応すると酸を生じる。反応の度合いを強めると酸の程度が強くなる。そこでこの反応をoxygenation、この成分物質をoxygenと呼ぶ。oxy-=acidですので酸素は酸を作るものという意味になります。ところがこの物質が金属元素と反応した時はアルカリ性の物質が生じる。この反応をoxidation、生じた物質をoxideと呼ぶ。酸ではないが酸が出来る反応と共通点があるということも表すためにoxideという言葉を用いる。」とあります。この意味からするとoxideは「酸もどき」のようなものです。-ideは「似ているが同じではない」という意味のラテン語の語尾だと書いてあります。現在の使い方とは全く異なる意味です。でも裏付けが取れません。この様な意味での語尾-ideについてご存知の方おられましたらよろしくお願いします。 追記 辞書にはcelluloid,androidの語尾、-oidは載っています。「~に似たもの」という意味です。似ている感じがします。
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追記のところだけ: -oid は単に「似ている」, -ide は「似てるけど異なる」という意味だったはず.... 化学はおわかりだと思うので端的な例を示すと, lanthanoid と lanthanide は (本来) 異なる概念です. ・lanthanoid: La~Lu の 14個の元素の総称 ・lanthanide: Ce~Lu の 13個の元素の総称 ただ, (特に) アメリカの方で La~Lu の 15個の元素の総称として lanthanide を使ってしまったため, しょうがないので「lanthanoid = lanthanide」と決められたはず. actinoide/actinide も同様.
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oxideはたしか oxygenとacid を元にラボワジエあたりが命名したのではなかったでしょうか。こういってしまえば「もどき」と-idは関係がないように聞こえるでしょうか。 >辞書にはcelluloid,androidの語尾、-oidは載っています。「~に似たもの」という意味です。似ている感じがします。 結論を言うと正解です。でも結構遠い親戚です。 acidは元のラテン語ではacidusです。 さて、acidusはacer「鋭い」から派生した形容詞です。-usは形容詞の男性主格の語尾ということでひとまず置いておくと、問題は-id-です。この-id-を付けて派生されたラテン語の形容詞は他にも、placidus「穏やかな」<placo「鎮める」、calidus「温かい」<caleo「温める」、lucidus「明るい」<lux「光」などたくさんありますが、共通するのは認知や身体感覚と結びついた形容詞だという点です。 celluloid,android の-oidはギリシャ語起源で「~状の」「~に外見が似た」という意味です。ギリシャ語では「見る」「知る」という動詞の語形変化にも様々に形を変えて-id-が表われます。 比較言語学の成果が明らかにしたところによると、ラテン語の-id-とギリシャ語の-oid-は共通の先祖(印欧祖語)まで遡るとweid-という共通の語根に由来します。英語のwise「賢い」、ドイツ語のwissen「知る」、ギリシャ語から英語に入ったideaも、ラテン語video「見る」経由のvideo,visionも元をたどるとここに行き着きます。認知、知性、視覚と「意味の場」の広がりはありますが、それでもなんとなく共通するものは感じていただけると思います。その延長線上に「もどき」もあるのです。さて、『元素周期表の縦並び』という意味はどうでしょう。 ただし、18世紀のラボワジエがacidの-idと-oidが同じものと意識していたかどうかは別の問題です。
お礼
-idーが語尾だけでなく動詞や形容詞の中にも共通の意味合いを持って含まれているというのを知りました。それをふまえてideとoidの使い分けもされているようです。(#1の方の指摘です。)こういう例がありながら何故oxideを酸化物と訳してIUPACで認めてきたのかが分かりません。ラボアジェの言葉で言うと二酸化炭素はoxideではありません。
お礼
有難うございます。やっと似ているけれど異なるという意味の-ideの例を知ることが出来ました。それも化学の分野の中の言葉でです。lanhanoid=lanthanideとなった由来には感心しました。早速化学事典で確かめました。私はoxideを酸化物、oxidationを酸化と理解し、訳しているのは間違いだと思っています。ラボアジェは反応のタイプを酸化という言葉でまとめる発想はしていません。oxideも酸化物一般の意味で使ってはいません。それでこのideの意味にこだわっていました。