- ベストアンサー
お金の「お」、お着物の「お」について
金、着物に「お」をつけてお金・お着物と言う事はよくあります。 でも「お医者さん」は良くても「お弁護士さん」は言わないしかなり違和感があります。 同様に「お金」は言うけど「お図書券」とは言わないと思います。 外来語的なものでも「おビール」と言う人はいても「おワイン」は聞いた事がないです。 「お」の使い方で何か慣習というかルールのようなものはあるのでしょうか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
- ベストアンサー
元々は、例えば「お召しになる、お出でになる、お帰りになる」といった風に目上の相手方に対する丁寧語として相手方の行動に「お」を付けたものです。 これがやがてさらに発展して、相手方の所有するモノや職業といったものにまで「お」とか「ご」を付ける風習が出来上がってきました。「お腰の物、お財布、お召し物、お履物」、あるいは「お武家様、お医者様、お師匠さん、ご住職様、お寺さん、ご主人、お内儀、ご新造さん、おかみさん」といった風に。 これらの例はとても古くからありましたが、ただ、この段階ですら、たとえ目上の人や偉い人に対してさえ、語呂の悪いものには「お」や「ご」は付けていません。「お懐のもの」とは言いませんし「お旦那様、お棟梁、お先生様、ご師範様」ともあまり言いません。「ご神職様」などもなぜかかなり新しい言い方、つまり商売としての結婚式場での慣習の中で後世出来た言い方のようです。 つまり、そこにはかならずしもある一定のルールやパターンがあったとは言えないものと思います。 こうした習慣がそのまま後世、丁寧語あるいは謙譲語の中で一般的なモノに対しても「お」や「ご」を付けることに発展したものと思います。 つまり、目上の相手方が所望し喫するモノは目下の者にとっては一段高い存在といった感覚をそこに盛り込んだのでしょう。「御酒(ごしゅ)、お食事、お料理、おかず(御菜)、お煙草」といった風に。 こうした風習がいかに古くからあったかを証明するような例としては「おみおつけ」があります。 味噌汁は元々「つけ」でしたが、これがいつしか「おつけ」になり、次第に「みおつけ」から「おみおつけ」まで大発展。 こうした、ある種の方向性はあるものの一定のルールやパターンまではなかったこうした習慣、その延長上に現れたのが外来語、そしてその時代時代での新造語。語呂や響きがよければ「お」や「ご」を付け、悪ければそのままと、なんとなく使い分けてきたと思われます。 おビール、おジュースは語呂がいいから受け入れられても、お葡萄酒も語呂が悪ければ、おワインともなるともうどこか汚いものを連想してしまいます。 おアイスクリーム、おパン、おバター、これらは外来語だから「お」を付けないということもあるでしょうが、それにも増してなによりもまず語呂が悪いことが上げられるでしょう。その証拠に「おソース」とは言いますが「おケチャップ」とは言いませんから。 お図書券、おキップ、ご入場券などもどこか使い難いし、おクレジットカードとなるともういけません。 また、こうした流れとはまた別に女性ならではの優しさを表現するものとして、女性の話し言葉の中にも「お」や「ご」は積極的に取り入れられてきました。 「お勝手、お台所、お風呂場、お座敷、お納戸、お蔵」といった、ことに主人から家を預かった主婦の立場を表すような例が多いものですが、そこには一貫して、男性に対して一歩引き下がった立場での女性の慎ましやかさが匂っていたものでした。 ただ、これがまた勝手に増殖をした結果、女性言葉の中には実に広く「お」が使われています。このあたりになりますと、謙譲語でも丁寧語でもなく、単に「行き過ぎた品のよさ」の演出そのものと言っていいでしょう。 「おデート、お受験」などはその最たる例ですが、それでも「おデパート、おスーツ」なんて言い方はしませんし「お塾、お公園デビュー、おコンパ」といった言い方もしません。 つまり、何時の世にあっても、語呂の良さがそこにはまず大きく作用していると言っていいかと思います。逆に言えば、そこには相変わらずひとつの方向性は見えるものの、ルールやパターンは存在しないということでしょう。
その他の回答 (2)
- cobun5513
- ベストアンサー率59% (25/42)
尊敬表現につける「お・ご」は接頭辞と言いますが、 比較的緩いルールがあります。なにぶん緩いので例外が多いですが。 1.「お」は基本的に和語に付く 2.「ご」は基本的に看護に付く 3.「お・ご」は外来語には付けない があります。 普通、尊敬表現は「人」あるいは「人の行動」に付くもので「物」にはつきません。 なので、極めて一般的な物には「お・ご」等はつきません。(お図書券などは×) 外来語には付かないルールがあるので「おビール」も厳密には×です。 が、言葉は一般化して定着してしまえば、必ずしも×とは言えないので、「おビール」が徹底的に排斥されるべきとも思いませんが。 あと、語感によって「おみあし」など「おみ」と変化することも合わせて、下記のリンクで詳細をみてください。
お礼
御回答ありがとうございます。 比較的ゆるいルールがあるのですね。 とても勉強になりました。
- sassoon_q
- ベストアンサー率0% (0/1)
参考URLにあるように、「お」を付ける言葉は、もともと隠語だったようです。 隠語なので特にルールはありませんが、全ての言葉に「お」が付いてもおかしくは無かったのでしょう。 質問者様の例えを借りると、「お弁護士さん」や「おワイン」などの言葉が残らなかっただけだと思います。 蛇足ですが、「おビール」と言う単語を発するのは、主に男性に尽くす側の女性ですよね。 男性が「おビール」と言わないのは、本来の女房言葉の使い方の名残なのかもしれません。
お礼
御回答ありがとうございます。 元々隠語だったのですね。 医者は古くからある職業ですが、弁護士は明治に出来た新しい職業だという事が関係しているのでしょうか。 そう考えるとビールに「お」をつける説明は付きませんが、女房言葉の名残なのかもしれないのですね。
お礼
丁寧なご説明ありがとうございます。 語呂のよさが大きく作用しているのですね。 大変勉強になりました。