天皇のことを昔は「おおきみ」と呼ぶのが普通であったことから、「君が代は天皇賛美ではない」という説があります。
が、純粋に文学的に研究しても、明らかに天皇をさすという説もあります。
そして、何より重要なことは、君が代と日の丸は、軍国主義の徹底のために終始一貫して「天皇賛美」という使われ方をしてきたということです。
さらに、戦後の日本政府は、侵略したアジアの諸国民に対するまともな謝罪をせず、逆に戦争美化の拠点である靖国神社に首相が参拝し続けています。
(靖国にA級戦争犯罪人が合祀されていることは有名ですが、軍歌をBGMとして流し続ける戦争博物館があることは意外と知られていません)
憲法の歯止めを無視して海外に自衛隊を派遣するようになったり、教育基本法や憲法を変えて、より世界戦争に参加しやすい国へと突き進んでいる印象は、特にアジアの中では強烈だと思います。
君が代を国歌として定める法律が国会で審議されたとき、政府の言い分は「強制はしない」というものでした。
にもかかわらず、東京都を始め、ほぼ全国的に君が代・日の丸の強制は広がっています。
何と、天皇自身が園遊会で教育関係者に「強制は良くないよね」と直接クギをさすほどひどいのです。
東京では、「生徒が君が代を歌わないと先生がクビになるから、先生のために我慢して歌う」という生徒が多数いるとのことです。
そこまでやらないと歌ってもらえないのは、侵略戦争のシンボルを国歌として認めたくないという人たちが少なくないからでしょう。
「罵倒して怒鳴り散らす」という表現がどの程度ふさわしいかは見ていませんが、単に感情的になったのではなく、戦前と同じコースをひた走る教育行政に対する怒りは根深いということは指摘しておきたいと思います。