「裸の王様」という言葉について
「裸の王様」という言葉は、「周りの人の意見を全く聞かない地位の高い人」「周囲の人が恐れをなして忠告しないので、自分を見失っている人」という意味で使われます。しかし、これらの意味で使用することは、元になったアンデルセン童話と食い違うと思います。
元の童話では、詐欺師の布織職人が「この服はバカには見えない」と言い、王様も家来もバカだと思われたくないので、「素晴らしい服だ」と言うのです。王様が恐ろしくて逆らえないからではありません。この筋に従えば「見えを張って知ったかぶりをする、無い物をあるようにふるまう、そして最後はばれて恥をかく愚者」という意味で使うべきではないでしょうか?そして、王様だけではなく家来も同様に愚者だと思います。
最後に「王様は裸だ」と叫んだ子は、本当のことを言ったので立派なのですが、それは怖い王様に対して叫んだからではなく、己を飾らなかったからではないでしょうか?