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∇・j = 0 (量子力学)

独学で量子力学を勉強中にわからないところが出てきました. 以下 h は h bar を表すものとします. 波動関数を ψ(r,t) ,フラックスを  j(r,t) = (h/2mi)[ψ*∇ψ - (∇ψ*)ψ] としたとき,定常状態では  ∇・j = 0 が成り立つという記述を見て,以下のように示そうとしました.  (h/i)∇・j = -(h^2/2m)[ψ*(△ψ) - (△ψ*)ψ] シュレディンガー方程式を用いると = ψ*{ ih(∂ψ/∂t) - Vψ } - { -ih(∂ψ*/∂t) - V*ψ* }ψ = ih( ψ*(∂ψ/∂t) + (∂ψ*/∂t)ψ ) - (V-V*)|ψ|^2 ここで第1項目は,定常状態のシュレディンガー方程式より  ψ(r,t) = φ(r)f(t) のように変数分離して f(t) の具体的な形を求めることで 0 になることがわかりました. 問題は第2項目なのですが,これはポテンシャルVが 実数でなければ0にならないと思います. 「定常状態 ⇔ ポテンシャルは実数」 ということは言えるのでしょうか? また,上の式変形も自信がないので すでにおかしなことをやっているのであればご指摘ください.

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  • ojisan7
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回答No.11

確かに、粒子の生成・消滅を扱うには場の量子論までいかなければならないことは、充分、承知しているつもりでおります。(わざわざ、場の量子論をもちだす必要もないと思いますが …(笑))しかし、♯10さんのおっしゃる通り、量子力学では、粒子の生成消滅も幾分記述できる理論だと思います。 尚、 ∂(ψ*ψ)/∂t+div J =2/h(ψ*ψ)V2 はV2の値の正負によって、湧き出し、吸い込みの存在を示すことができる、というイメージは物理学的に正しい解釈だと思います。

BNL
質問者

お礼

回答ありがとうございます. 5,6冊の量子力学の本を見たところ 複素ポテンシャルの記述はシッフ量子力学だけに見つかりました. その中で量子光学という言葉が出ていたので もしかすると量子光学の本を探したほうが詳しいのかもしれません. やはり量子力学で扱えるぎりぎりのあたりの話なのですね.

BNL
質問者

補足

皆様の含蓄ある回答を拝見していますと, いろいろと質問したくなってしまうのですが, 当初の疑問は解決しましたので,そろそろ閉めることにしたいと思います. 私の間違った理解に対するツッコミがあるかもしれないので, 念のためもう少しだけあけておきます. 長々とお付き合いいただきありがとうございました.

その他の回答 (10)

回答No.10

ハミルトニアンがエルミートであることとエネルギーが保存することの関係ですが、 (1)Hがエルミート→エネルギーが保存 (2)エネルギーが保存→Hはエルミート (2)は真であると思いますが、(1)はハミルトニアンが時間に依存しない場合にはこれも真だと思います。 例えば時間に依存するハミルトアンの場合は  H=p^2+V(t,x) V(t,x)=e^{-t}/r とか考えるとエルミートですが、エネルギーは保存しませんから一般には(1)は成立しないのではないかと思います。 #9さんの量子力学で生成消滅を扱えないのではないかという事に関して一言書かせてください。 一般に量子力学は1粒子系の量子論という認識だと思いますが、粒子の生成消滅も幾分記述できる理論だと思います。 例えば崩壊する粒子は量子力学のハミルトニアンに崩壊項を付け加えれば記述できることは良く知られたことだと思います。 H=p^2+V(x)-iΓ (1/Γ~粒子の半減期) Ψ=exp(-i(E-iΓ)t) |Ψ|^2= exp(-Γt) 崩壊する粒子の密度 そういった意味で少しだけ一粒子系の量子力学を超えた記述が可能であると思います。そういった場合にはもちろんハミルトニアンはエルミートではありませんが、粒子が崩壊している以上エルミート性の要求は必要なくなっているというのが通常の理解だと思われます。 勘違いがありましたら指摘をお願いします。

BNL
質問者

お礼

再度の回答ありがとうございます. 使っている本の少し先を見たのですが, 時間発展演算子のユニタリー性あたりのところで Hがエルミートとエネルギー保存の関係が出てきてそうですね. そのあたりまで読み進んだときに, No.10 さんの回答を参考にもう一度考えてみたいと思います.

  • KENZOU
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回答No.9

ちょっと横合いからひとこと。。。 量子力学ではψは波動関数でψ*ψは電子の確率密度をあらわし、これを全空間で積分して1に規格化するとテキストに書かれていると思います。従って、量子力学の範囲では粒子の生成消滅は記述できず、ψを場の量とする場の量子論にまでいかないとだめだと思いますが。。。 #8のojisan7さんのご回答で >∂(ψ*ψ)/∂t+div J =-2/h(ψ*ψ)V2 このバランス方程式の右辺は一般に湧き出し量を表しています。今、これがマイナスとなっているから吸い込みと考え、 >右辺は単位時間あたりの粒子の吸収される割合です。 というのは誤解を招きやすいと思いますが、如何でしょうか。尤も、そんなことは先刻承知で、イメージを掴むべくあえてそういわれているのなら、何も文句を言う筋合いはありません(笑い)。

BNL
質問者

お礼

回答ありがとうございます. まだ,量子力学の最初のほうをやっている段階ですが, 波動関数は重ねあわせがきくという事から 漠然と多体問題も扱えるものだと思っていました. No.9 さんの回答と No.10 さんの > 一般に量子力学は1粒子系の量子論という認識だと思いますが、 > 粒子の生成消滅も幾分記述できる理論だと思います。 の部分とあわせて,多体問題を扱うには さらに進んだ理論が必要なことがわかりました. 2/h(ψ*ψ)V2 の項も 「多数ある粒子の数が減っていく割合」 ではなく 「1つの粒子の存在確率が減っていく割合」 を意味するということですね. 複素ポテンシャルが量子力学で扱えるぎりぎりのあたりにあることが, 1粒子の存在確率が減るという若干奇妙な表現につながるのかな,と思いました.

  • ojisan7
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回答No.8

#6さんが解答している通りだと思います。 物理量は、エルミートでなければなりません。ところで、ポテンシャルVを複素数とすると、どんなことが言えるかを考えてみましょう。Vを実部と虚部に分解してV=V1+iV2とします。フラックスは、 J(r,t) = (h/2mi)[ψ*∇ψ - (∇ψ*)ψ] …(1) ですね。シュレディンガー方程式は、 -(h^2/2m)△ψ+[V1+iV2]ψ=ih∂ψ/∂t …(2) (1)の複素共役をとると、 -(h^2/2m)△ψ*+[V1-iV2]ψ*=-ih∂ψ*/∂t …(3) (1),(2),(3)より、 ∂(ψ*ψ)/∂t+div J =-2/h(ψ*ψ)V2 となります。連続の方程式を満たすためには右辺のV2が0でなければなりません。ちなみに、右辺は単位時間あたりの粒子の吸収される割合です。言い換えれば、粒子の吸収がない限り、ポテンシャルVは実数です。

BNL
質問者

お礼

根気よくお付き合いいただき大変ありがたく思っております. 私が質問文で書いていた  (h/i)∇・j = ih( ψ*(∂ψ/∂t) + (∂ψ*/∂t)ψ ) - (V-V*)|ψ|^2 の物理的な意味をちゃんと考えなければいけなかったのですね. V=V1+iV2 において  V2 > 0 なら粒子の放出  V2 < 0 なら粒子の吸収 が(局所的に?)おこる. ただし,(1),(2),(3) から  ∂(ψ*ψ)/∂t + div J = 2/h(ψ*ψ)V2 を導く際に,No.6 さんも仰っていたように V2 は座標のみに依存することを仮定する. ということですね. 一点だけ,  ∂(ψ*ψ)/∂t + div J = 2/h(ψ*ψ)V2 の式において V2=0 でなければいけないというのは 局所的に見ても粒子の放出・吸収は起こらない という条件を課したという理解でいいですか? No.6 さんの補足に書いた > i∫dx|φ|^2(V_i) = 0 > となるような V_i の場合は( |φ|^2(V_i) が奇関数?) のように (ψ*ψ)V2 が奇関数の場合は 局所的には吸収が起こる場所と放出が起こる場所があるが, グローバルには粒子数の変化はないことを意味する, というように考えました. 今までのところを整理すると ポテンシャルが座標のみの関数であり, 局所的にも粒子の放出・吸収がないならば ポテンシャルは実数となる. というように理解しました. 粒子の放出・吸収,エネルギー保存,ハミルトニアンのエルミート性, あたりの関連の話や,(ψ*ψ)V2 が奇関数の場合の話, また,ポテンシャルが運動量に依存する場合の話は 一通り量子力学を勉強し終えた後の課題として 置いておこうと思います. このあたりの話は卒業論文くらいのレベルなのでしょうか? そこまででもないのでしょうか? やっぱり大学の勉強は難しいですね.

  • masudaya
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回答No.7

一般的にポテンシャルは実数のはず(私の習った量子力学の範囲では)です.定常状態の場合は定常状態の方程式は 運動エネルギー+ポテンシャル=0 となり #1さんのところのお礼にあるように運動エネルギーの演算子(の固有値)は実数なのですから,ポテンシャルも実数になります. ポテンシャルは#1の方がおっしゃっているようにエネルギーの次元なので,観測できる量となります.つまりこれは実数でしょう.

BNL
質問者

お礼

回答ありがとうございます. やはりポテンシャルが複素の場合どうなるかと言う話は 少し発展的な内容になるのですね.

回答No.6

#5さんが解答している通りだと思います。 Vが実数であることを示すには、先ずV=V(x)とポテンシャルが座標だけに依存することを仮定します。一般には運動量演算子も入ってもよいんですが、普通の量子力学では先ずは簡単なポテンシャルの場合のみを念頭においています。そのような場合には <V>=∫dx φ^* V(x) φ=∫dx|φ|^2 V(x) なので V(x)自体が実数である必要があります。積分してゼロになるような虚数項をもったV(x)も考えられそうですが、 H =p^2+V(x) H^†=p^2+V(x)^* なので具合がよくありません。虚数の(xだけによる)ポテンシャルというのはエルミートではないので量子力学の原理から普通は考えないということです。 もちろん吸収などを考えた場合は粒子数が保存しないわけなのでその限りではありません。そういう場合の解釈は部分系だけをみているので粒子が消えたり、エネルギーが保存してなくても問題がないということです。その話題はちょっと高度なので普通の量子力学は最初座標だけによるポテンシャルでエルミートなものを考えます。

BNL
質問者

お礼

回答ありがとうございます. 皆さんの回答によりだんだんわかってきたような気がします. 高卒で大学に行かなかったため,理解力がなくてご迷惑をおかけします.

BNL
質問者

補足

Vが座標のみに依存する場合  V(x)=V_r(x) + iV_i(x) とすると  <V> = ∫dx|φ|^2(V_r) + i∫dx|φ|^2(V_i) となり  V が複素 ⇒ <V> が複素 のように対偶が証明できたことで  <V>=<V>* ⇒ V=V* が言えたということですね. そして, > 積分してゼロになるような虚数項をもったV(x)も考えられそうですが というのは  i∫dx|φ|^2(V_i) = 0 となるような V_i の場合は( |φ|^2(V_i) が奇関数?)  V が複素 ⇒ <V> が複素 が言えなくなるが,どちらにしても  H ≠ H^† となるので,通常の量子力学では扱いませんよ,ということですね. あと,No.6 さんの回答を読んで新たに出てきた質問です. 質問1.ポテンシャルが運動量に依存した定常状態の例はどのようなものがありますか? (考えてみたのですが思いつきませんでした.) 質問2.ハミルトニアンがエルミートであることとエネルギーが保存することは同値ですか? すみません.もう少しお付き合いください.

  • ojisan7
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回答No.5

>「定常状態 ⇒ ポテンシャルは実数」 は成り立つのでしょうか? ということですが、当然、成り立ちます。粒子が消滅でもしない限りポテンシャルは実数です。量子力学は数学的な表現として複素数を使いますが、物理的に意味をもつ量(オブザーバブルな量)は実数です。したがて、ポテンシャルも物理的な観測にかかる量と考えるならば、当然、実数でなければばりません。

BNL
質問者

お礼

何度もありがとうございます. > 物理的に意味をもつ量(オブザーバブルな量)は実数です。 ここの部分は今まで  <V> = ∫(ψ*Vψ)d^3r が実数になるというように捉えていましたが, V が実数ということも言えるのでしょうか? 数学力が足りないのか,私にとってあまり自明でないので,任意の ψ に対して  <V>=<V>* ⇒ V=V* を示すためのヒントをいただければ幸いです.

  • ojisan7
  • ベストアンサー率47% (489/1029)
回答No.4

粒子の吸収過程は確かに質問者さんのおっしゃる通りですが、粒子の散乱過程などではポテンシャルを実数として扱います。言葉が足りなくて申し訳ありません。『量子力学では、定常状態でなくても・・・』を、『普通、量子力学では、定常状態でなくても・・・』と訂正させて下さい。 ついでに、というのも変ですが、 ih( ψ*(∂ψ/∂t) + (∂ψ*/∂t)ψ ) は無理に変数分離をする必要はありません。 ih( ψ*(∂ψ/∂t) + (∂ψ*/∂t)ψ )=ih∂(ψ*ψ )/∂t となりますので、定常状態では確率密度は一定ですのでこの式は0に等しくなります。

BNL
質問者

お礼

回答ありがとうございます. > ih( ψ*(∂ψ/∂t) + (∂ψ*/∂t)ψ )=ih∂(ψ*ψ )/∂t > となりますので、 大変参考になりました. 私は回りくどいことをやっていたようですね.

BNL
質問者

補足

すみません.質問に間違いがありました. ポテンシャルは実数⇒定常状態は偽なので,  「定常状態 ⇔ ポテンシャルは実数」 ではなく  「定常状態 ⇒ ポテンシャルは実数」 は成り立つのでしょうか? に訂正させてください. ポテンシャルが実数というので かなり広くカバー出来ていそうなので, 定常状態なら V=V* というのは正しそうなのですが, これをどのように導けばいいのか,方針も立っていない状態です.

  • ojisan7
  • ベストアンサー率47% (489/1029)
回答No.3

量子力学では、定常状態でなくてもポテンシャルVは実数として扱います。

BNL
質問者

お礼

回答ありがとうございます. No.1 さんのお礼と被ってしまいますが, 例えば,ビームの粒子が他の粒子系に吸収される過程を扱うときなどは 複素ポテンシャルになるのではないでしょうか?

noname#21219
noname#21219
回答No.2

1の訂正。 エネルギーの次元は、[M][L][S]^-2→[M][L]^2[S]^-2

noname#21219
noname#21219
回答No.1

ポテンシャルの次元はエネルギーです。 長さ:L、質量:M、時間:Sと置くと エネルギーの次元は、[M][L][S]^-2です。 運動量の次元は、[M][L][S]^-1です。 量子力学に置き換えるとき、運動量に-ih/2πが付きますが、これを次元で追うと [M][L][S]^-2={[M][L][S]^-1}^2[M]^-1,つまり 運動量が常に二乗の形で、エネルギーの次元に含まれます。純虚数が2乗されるから、ポテンシャルは物理的には実数だと思います。計算は、自分でもやってみたら同じになりました。

BNL
質問者

お礼

回答ありがとうございます. > 純虚数が2乗されるから、ポテンシャルは物理的には実数だと思います。 これは運動エネルギーの項ではないでしょうか?  p^2/(2m) → (1/(2m)){(h/i)∇}^2 という対応により,運動エネルギーの演算子は実数になると思います. ただ,ポテンシャルはこれとは独立なので, 一般には複素ポテンシャルもありえると思います.