こんにちわ
どの構造の家も、建築基準法で目標強度としてさだめているのが震度5の強なので
「基準法通り」に作られた家だと、どの工法でも同じ強度の建て前になります。
>今の建物であれば20~30年は大丈夫なのでしょうか?
したがって、耐震強度は、耐用年数ではなくてあくまで耐震強度にすぎないところ
がポイントです。
完成したばかりの日に震度6や7の地震がやってきたら、「うちは一日も持たなか
った」ということが起きてしまうことになります。
そういう話しを聞くと、なんでそんな中途半端な定めになったのか?と怒りたくな
りますが、強度をあげるためにかかる費用がなかなか巨額になりますので、寿命の
ある間に1回遭遇するかしないかの確率である巨大地震にすべての家の強度を法律
で強制的に合わせるようなことをしては庶民が家を建てることがほとんど無理にな
ってしまったりという弊害にならないための法律の精神によるものなんだそうです。
木造の家の耐用年数は、税務署での計算方法としてはたったの20年ですが、京都
や奈良のお寺が千年も保っていることを思い出してみて下さい^^
こまめに手入れをしていれば、木造はそのように長もちすることになります。
いっぽうで、伊勢神宮の白木の神殿は20年でぼろぼろになり式年遷宮をしますね!
塗装も何もしない白木でほっぽらかしにすると、20年でぼろぼろになる見本です。
(どうやら税務署の耐用年数算出は、ほっぽらかしを想定しているみたいですね)
ところで目標耐震強度も、基準法の震度5の強とか、広告の宣伝文句に震度6や7
と平気で書いてあったりするものも見かけるのですが、これがまた震度の決まり方
というものは実際はあいまいで本当はきっちり約束ができないモノサシになってい
るので困ります。
例えば火山の近くなどで非常に長期に渡って地震が続くような場合だと、震度とし
ては低めのものでも長期に揺すられ続けることで被害をうける可能性が高くなりま
す。
また、震度にはゆれ縦横の区別や周期のことは無視されていますので、短周期でが
さごそ揺すられる場合と長周期でゆっさゆっさと振られる場合で建物が受ける被害
が変ってしまいます。(高さが高い建物ほど、後者のゆれに弱い)このゆれの周期
が建物のサイズとぴたりと一致してしまったときに共振現象がおきて、予想外の大
被害が起きることがわかってきています。
一戸建ての住宅はたいがい背が低いので、実験での実証データはおもに短周期の横
揺れの場合を追求して金物強度や計算がされているはずですので、狭い敷地にえん
ぴつのようにひょろりとのっぽの家を建てたりすると、机上の計算結果と実際の被
害とが少し食い違うことが出て来そうです。