応用力というのは、いくら問題集を解きまくっても、身につかない人にはやはり身につきません。応用力には、その基本となる応用力向きの脳が必要なのです。
さて、応用力とは何でしょうか? それは学習したことと現実とを結びつける力のことをさしているのではないでしょうか。ところが応用問題を苦手とする人は、学習結果を日常のいろいろな場で結び付けようとする習慣がなく、逆に日常のできごとを習い憶えた学問で考えてみることもしていない人なのです。
こういう人は理科で「光の屈折」を習っても、暗記がすめば完了!なんだと思います。「光はある屈折率で入って、それと同じ屈折率で出ていく」ことを憶えたときに、ふと教室から外を眺めた瞬間に「窓ガラス越しの景色はゆがんではいないけれど平行にはずれていたんだ」ということには、けっして考え及びません。学問と現実が切り離されているのです。
「H2」という漫画に、友人にとっさに「36x24は?」と問題を出された高校生の主人公が「そんなのできるか!」と怒り出す場面がありました。
しかし、この問題は暗算で簡単にできますよね。
(x+y)(x-y) は x^2-y^2 だからです。
おそらくこの主人公は(x+y)(x-y)が日常と結びついていないんですよ。
このことは平家物語で「無常観」を習ったときでも理科で「地軸の傾き」を習ったときなんかでも同じです。「無常観」を知って何の役に立つんだ? と疑問に持ち、日常生活のちょっとしたときに「あ、これが噂の日本人の無常観って奴かぁ」と適用しようとすることが大切なんです。
まずは生活上の何に対しても「適用」を試みてください。応用問題を解く力はその基礎の上に積み木のように積み重なって成り立っています。
お礼
回答ありがとうございました。