これは、具体的に例で考えてみましょう。
輪ゴムを引っ張って延ばすことを考えてください。輪ゴムの場合だと、あまり延ばすと切れますが、最初引っ張って延ばし、それから段々引っ張って延ばしても、ある長さを延ばすのにかかる力はそんなに違わないでしょう?(本当は、長く延ばすと、相対的に、少しの力でよくなって来るのですが、長さ5cmの輪ゴムを(二重にして延ばします)長さ8cmぐらいにしても、引っ張るのに必要な力は同じぐらいです。三本か四本ほどまとめて引っ張ってください。すると、最初5cmだったのを、10cmの長さに引っ張っても、引っ張るのに必要な力はあまり変わりないことが分かります(引っ張るのに必要な力とは、引っ張った状態を維持する力ではなく、更に引っ張ろうとする力です。風船だと、空気が逃げないようするのにいる力と、更に吹き込む息の違いです)。
風船の場合だと、あれもゴムで出来ています。直径5cmの球の時の風船を膨らませようと息を吹き込むと、段々直径が大きくなってきます。この時、息を強く吹き込まないといけないのは、膨らんだ風船はゴムですから、元の小さな形になろうとするのです。それに逆らって、息を吹き込むということは、輪ゴムの例だと、離すと短くなってしまう輪ゴムを引っ張りながら、更に引っ張ることに当たります。
風船のゴムも輪ゴムと同じようなものだと考えることができます。どこが違っているかというと、風船を大きくする力は、吹き込んだ空気の圧力だということです。最初、直径5cmぐらいの時、膨らませようとすると、例えば、一息分の空気を入れると、かなり大きくなります。また強く息を吹き込まないといけません。けれども直径が10cmの二倍になると、一息で吹き込んでも、風船の直径はほとんど大きくなりません。これは、直径が二倍になると、風船の体積は8倍になっているので、5cmの時の一息で、大きくなる風船の直径と、10cmの時の一息で、大きくなる風船の直径が、丁度、8分の1になるからです。風船はゴムですから、大きさは、直径と同じに大きくなります。
輪ゴムで考えると、これは、5cmの時は、一回に2mmほど延ばしていたのが、10cmになると、同じ力で、2mmの8分の1だけ延ばせばよいので、少しの力で、4分の1mm、輪ゴムは延びるのです(同じ力を込めて、2mm延ばすのと、4分の1mm延ばすのなら、4分の1mmの方が、少しの力でよいのです)。
上に言ったのと同じになりますが、直径5cmの時と、直径10cmの時では、同じ一息で、延ばさないといけない風船のゴムの長さが8分の1になっているので、8分の1楽になるということです。(風船のゴムは膜ですから、もしかすると、4分の1かも知れませんが[8分の1だと思うのですが、万一違っている可能性もあります]、輪ゴムを延ばすこととの比較で、風船の場合、大きくなって来ると、同じ一息で、延ばす必要のあるゴムの長さが、少なくて済むので楽になるのだということは、間違いありません。もっと易しく説明する必要がありますが、原理的にはこういうことです)。
お礼
なるほど!!非常にわかりやすい説明ありがとうございました。 これで父親の面目が少し保てます。