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人工肛門か温存か?手術の選択肢について
- 義母の肛門にできた良性のポリープについて、手術の方法について悩んでいます。
- 病院で人工肛門を薦められていますが、肛門を温存する手術でも可能かどうか、排便に支障があるのか検討しています。
- 義兄夫婦は石原結実先生の保養所で治療を勧めていますが、食事療法で腫瘍がなくなるのか疑問に思っています。
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himekabutoさん、失礼を承知で一つ質問させてください。義母さんのポリープは本当に良性なのですか?といいますのも、我々の常識として、良性のポリープに対し、深いからポリープだけを取ることはできない、という説明は考えにくいからです。なぜなら、深くまで浸潤している=悪性(すなわち癌)ということになるからです。また、多きすぎて…というのも、どのくらいの大きさかにも依りますが、本当に大きいのなら、良性と断言できません。2cmを超えてくると一部癌になっているものも少なくないからです。もちろん、2,3cm程度なら大腸内視鏡で取ることも、肛門から5cmなら直視下に切除することも可能に思います。 勝手に話を展開させていただくとすれば(じつはこのポリープが悪性だとして…)、悪性の場合、再発を防ぐためにも腫瘍から少し離して大きめに腸を切除する必要があります。肛門から5cmとなると残りがわずかでつなぎにくい。また、術中の過程で肛門が残せなくなることもあります。 外科医からすれば、人工肛門のほうが何倍も楽です。また、悪性の場合周囲のリンパ節を一緒に切除してくる(リンパ節郭清と言います)必要があります。リンパ節に転移していたらすぐに再発してしまいますので。その場合、肛門の周囲をさらに傷つけることになります。という予備知識の上でご質問にお答えしますと、 1・肛門を温存した場合、手術後排便がもれたりし、生活に支障があるのでしょうか? →直腸の手術をすると肛門の周囲の神経や筋肉を少なからず損傷します。その結果、排便障害が起こる可能性があります。手術操作が大きくなればなるほどその危険性は高くなります。ですから、必ず術前に排便障害の危険性はお話します。肛門に近い、切除範囲が大きい、リンパ節郭清が必要…これらはその危険性を高めます。 排便とは今でこそ無意識にしていますが、本来非常に高度な調節が必要な行為です。腸は締め付け、肛門は開く…相反することをごく近くで同時に行わなければならないのです。これは排尿も同じですね。だから赤ちゃんは排尿・排便ができず、訓練が必要なわけです。動物は排便を我慢しないのです(本当はできないのです)。高齢になって失禁してくるのも調節機能が低下するために仕方がないのです。そのくらい高度な技術が必要なのです。ですから、術後失禁や生活の支障、十分に生じえます。実際、直腸の術後の患者さんはしばらく失禁が続くことも少なくありません。 2・人工肛門の場合は逆に、快適に生活できるのでしょうか? →現在は人工肛門を管理する道具も発達してきて、臭いや手間など、非常に改善されてきています。もっとも人工肛門は排便を我慢することはできません。常に失禁状態です。お腹に袋を取り付け、その中に垂れ流す状態になります。また、便秘は大敵ですのでやや軟便にするようにします。管理に慣れればさほど苦労はありません。寝たきりの方ではむしろ人工肛門のほうが管理はしやすいです。が、ご本人の自尊心はかなり傷つけられてしまいます。人前で服を脱ぐことはむ難しくなるでしょうから、温泉などにも行きにくいです。このメリット、デメリットを天秤にかける必要があります。 3・食事療法で腫瘍はなくなるものなのでしょうか? →人間の体は神秘的です。西洋医学では説明のつかないことも実際起こりはします。奇跡、としか言い様の無い事も。ただし、西洋医学に基づいて医療行為をしている医師としては食事療法などの民間療法だけに頼ることは正直お勧めできません。根治(完全に治す、という意)できるという保障は全くありません。併用は内服薬との飲み合わせの問題さえなければ基本的には構わないとは思いますが。 長文になりましたし、難解な表現が混じっているかもしれませんが、少しは参考になりましたでしょうか?どうしても主治医の言葉は良性の直腸ポリープの治療に対する説明のようには思えない点があったものですから。本当に良性で、でも治療法として主治医の先生のおっしゃる方法しかないのでしたら私のでしゃばりに過ぎません。大変申し訳ありません。この返答は忘れてください。 いずれにしても、きちんと納得のいく説明を受けられた上で治療に望まれてください。70歳は外科医から見れば決して高齢ではありません。まだまだ人生15年は生きていただくつもりで治療に当たると思います。そうは言ってもいずれご家族による介助が必要になる日も来るかもしれません。その時のことまで考えると、ご本人だけでなく、ご家族の皆さんも十分に納得の行く治療を選択され、今後の義母さんの支えになってあげてください。心配されてここに質問してこられる子供さんですから、義母さんにとっては心強い味方だと思いますが。
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- -tamatebako-
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義母さんを心配される気持ちと義兄夫婦に対する気遣いとの狭間での微妙な立場、そういう方々を医療側の人間として少なからず見てきており、ご心労お察しします。義母さんがかかっているのが九州の病院と聞き、少し淋しい思いをしました(私も九州の人間ですので)。 義父さんの不幸のこともあり病院および医療従事者に対し不信感をお持ちならそこでの治療は必ずしも期待される成果が得られないこともありますね。セカンドオピニオン自体は全く問題ないと思います。むしろ、一つの治療法しか提示してこない、その上家族が納得できるだけの根拠も提示してこない医師は、説明義務を怠っているとの指摘を受けても仕方がないかも知れません。九州にもセカンドオピニオンを受け入れている病院は多くありますし、もちろん、関西に行かれてもいいでしょう。それから、70歳の方が一人で外来に検査に来られ、結果もお一人で聞きに来られる。そういう状況が医師に説明不足の状況を作らせている可能性もあります。やはり医師も人ですから、10説明した内どの程度患者さんが理解してくれるかで次の説明に対する心構えは変わってしまいます。細かくしつこく質問してくる患者さんやご家族がいらっしゃる時にはそれ相応に時間もかけて説明することになるでしょう。逆に高齢の方がお一人で、となると、選択肢を提示しても「先生にお任せします」という返事が返ってくることも多く、ならばこうしましょう、と選択肢を限定してしまうのかもしれません。説明を聞きに来られるのがお一人ならば悪性であってもその説明をするタイミングを逃してしまっているのかもしれません。 手術時の立会いに関してですが、直腸切除の場合、全身麻酔になりますので基本的には最低1名、身内の方に来院していただき、待合室で待機していただくことになります。術中に予定の変更や予想外の展開が生じた時に全身麻酔で意識のなくなっている患者さんに判断を委ねる事ができないからです。逆に、腰からの麻酔だけで終わるような手術の場合(それでも全身麻酔に移行する可能性もありますのでやはり身内の方の来院を原則お願いしますが)、お一人でも可能、となることもあります。もしかすると主治医はその話を持ち出すことでキーパーソンを聞き出し、その方に詳しい説明をしたいと思っているのかもしれません。つまり、本人には良性と伝えていますが本当は悪性なのです、と。あくまで勝手な予想ですが。 私の口からご家族の関係に関してとやかく言うことはできませんが、とりあえず主治医の説明をどなたかが受けられることをお勧めします。以前なら電話での問い合わせも可能であったでしょうが、個人情報保護法の制定により、患者さんの個人情報を電話でお話しすることはできなくなりましたので、病院に直接出向いていただく必要がありますが。その場合には義兄夫婦にお願いせざるを得ないのではないでしょうか。もしhimekabutoさんが、ご自身で今回のことに対処されたいと本気でお考えならば、ご主人に協力していただき、義兄さんと話をしてもらうのが一番でしょう。 例えば… お母さんがどうも直腸のポリープで手術を受ける必要があるらしい。手術となると術前の説明や当日の立会いはもとより、術後も見舞いや世話をする必要が出てくる。お母さんは一人暮らしだし、やはり息子の自分たちのどちらかがしばらく面倒をみる必要があるだろう。九州で治療をするとなればお兄さん夫婦が大変だと思うし、もちろん関西でと言うことになれば自分たちの負担が増える。ただ、幸いにも自分の妻が協力してくれると言ってくれているからお兄さんさえよければお母さんにしばらく関西に来てもらって治療してもらうというのはどうだろう?ちょうど関西には肛門温存術を得意としている先生もいるみたいだから、と。 文面からは義兄さんはあまり義母さんの治療には協力的ではないようですし、保養所での治療を、というのも自分たちに面倒がかからないようにとの思いもあるのではないかと、邪推してしまいました。ならばなおさらこのタイプの申し出にはのってくれるのではないでしょうか?義兄さんの立場もそこまではきずつかないでしょうし。ここからはご身内での問題ですからよくよく話し合って最善の選択をしていただきたいと思います。医療側から一ついえることは、たった一人の親身になってくれる身内は10人の無関心な身内よりも患者さんの支えになる、ということです。がんばってくださいね。
お礼
温かいご回答をありがとうございました。 たしかに、義母は「先生にお任せします」のタイプです。それで、先生もそれ以上詳しくお話しないのでしょうね。 私が義母に「先生に聞きたいことをメモしてもっていったほうがいいよ」と言っていたのですが、「そうすると、先生に悪印象を与えそうで(これから長いつきあいになるかもしれないのに)嫌だ」と言います。 昨日も義母と電話で話しましたが、義母としては、「家から近くの病院で」「先生のいうとおり、自然の流れに任せて手術に向かいたい」という気持ちのようです。 義兄とは、保養所の件を断ってから連絡が全くないとのことです。なので、協力が難しい状態です。 うちと義母と病院との都合が合えば、私か主人か休みをとって九州へ行こうと思います。 本当に的確なお返事をありがとうございました。 病院の先生ときちんとコミュニケーションをとり、納得のいく手術ができれば、と思います。
お礼
とてもていねいにご回答いただき、本当に感謝します。ありがとうございます。 義母は義兄夫婦家の近所に(九州で)一人暮らしをしており、私たち夫婦は(主人は弟)関西に住んでいます。近くに義兄夫婦はいるのですが、あまり折り合いがよくなく、とても義母は義兄夫婦に遠慮がちに生活しています。なので、頼れる人が近くにいないのです。(ここでいう義兄は義母にとっては実子なのですが・・・) 病院での先生の話も一人で聞きに行っています。私が近くに住んでいたら病院に一緒について行って、いろいろと質問をぶつけるのですが…それができないのでもどかしいです。 私も本当に良性なのか?という疑問が少しありました。 というのも、良性のポリープだと、内視鏡での手術でとってしまうケースが多いことと、もう一つは、検査が多すぎる気がするのです。「今日の検査が終わったら、手術日を決めましょう」と言っておきながら、追加でMR検査までしたのです。 それから、もう一つ質問になりますが、手術日には身内のものを必ず立ち会わせるのはどの手術もそうなんでしょうか?義母は「必ず身内が立ち会わないといけない」と言ってました。 新聞記事で大阪府成人病センターや兵庫医大に、大腸ガンの方の肛門を温存する手術をしてくれる先生がいるというのを目にし、義母にも話し、こちらでセカンドピニオンしてみては?と薦めてみましたが、「遠いし、そうすると義兄夫婦に悪い」といいます。 私はもっとセカンドピニオンを勧めるべきなのか悩みます。
補足
質問に書ききれなかったことですが、正直言って、今義母が通ってる病院は信じられない部分があります。 亡き義父がこの病院で胃がんのため、胃の全摘出手術をしたのです。さっさと退院させられ、その後熱が続き、吐いたり、ととても体調が悪くどんどんやせていきました。病院側は「胃を全摘出したのだから、よくあること」とあまりうけあってくれませんでしたので、近くの病院に入院させてもらい、点滴で水分や栄養補給する形でした。それでもいっこうに回復せず、かえってやせていったのです。その後、この全摘出手術してもらった病院へ行くのですが、検査も何もせず、栄養補給のため、のどに穴を開けてチューブからの栄養を入れていました。ここに入院して次の日危篤状態になり、そのまま3週間後に亡くなりました。 実はその間、最初に入院させてくれてた病院の先生がもしかしてガンが再発したのでは?と組織をとり、検査に出しててくれたのです。その結果、「糞線虫」という寄生虫がいたことが分かりました。糞線虫は、チューブからの栄養を取り入れ、どんどん増殖し体中に増えていっていたのです。このことを聞いてすぐに、無菌室に入れられ、糞線虫の薬を処方されるのですが、その甲斐もなく、義父は亡くなりました。 検査も何もせず安易に栄養を入れたことで、このようなことになったので、この病院を信じることができないのです。 義母は唯一自分で通え、義兄夫婦に負担のかからない距離にある大きな病院という理由で病院を選んでいます。やはり私はもっとセカンドピニオンを勧めるべきなのかと悩みます。