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磁場における、、、
次の問題をどう解いてよいのかまったくわかりません。 というより教授は化学科の私に何をさせたいのかがまったくわかりません。 磁気共鳴なんて、、、、 温度300Kで10000gaussの磁場の中にある電子スピンに対し、比Nα/Nβを計算せよ。 Nα/Nβというのはノイズ比みたいな感じでしたよね、、、 お願いします。たすけてください。
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- siegmund
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siegmund です. 私も rei00 さんには混成軌道の話など教えていただきました. rei00 さんの出題意図をの補足と kazuko1221 さんの補足を見て, ちょっと私も補足. rei00 さんの言われるように,なかなか通常の条件では N_α/N_β は 稼げませんね. Nα/Nβ が1に近いということは,exp{ (E_β-E_α)/kT} の中身 (E_β-E_α)/kT が 1に比べて十分ゼロに近い,ということです. このとき,exp(x)~1 + x を使えば Nα/Nβ ~ 1 + (E_β-E_α)/kT = 1 + (gμ_B H/kT) ですね(ここでは g を残してあります). これが,kazuko1221 さんが補足に書かれた式です (ちょっとミスタイプがあるようですが).
- rei00
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rei00 です。回答者として目標にしている siegmund さんに『化学のプロ』と言われ,嬉しくなって補足に参りました。 問題の解法は siegmund さんの回答とご自分の努力でお分かりかと思いますので,『教授は化学科の私に何をさせたいのか』についてです。 Nα/Nβが求まればお分かりになると思いますが,殆ど1(H核では 1.000007 です)になるはずです。つまり,α状態のスピンはβ状態のスピンより極く少量多いだけです。磁気共鳴では,この極く少量多いスピンによる吸収を測定するわけですので,UV や IR 等の他の分析法に比べて非常に感度が落ちます。例えば,今1ミリモル(磁気共鳴測定としては多量です。通常なら1マイクロモルかそれ以下)の試料があっても,実際に測定に関与するスピンは3ナノモル程度と微量になります。 さらに,この計算を温度や磁場強度を変えて行なえば,それらが感度に及ぼす影響を実感できると共に,感度改善の方針が理解できると思います。 いかがでしょうか。このような点を実感していただくために,その教授は問題を出されたのだと思います。頑張って下さい。
- siegmund
- ベストアンサー率64% (701/1090)
siegmund です. 化学のプロの rei00 さん(何度も同じスレッドでご一緒しています)も 私と同感のようですね. > あとはなんとなくですが勉強して分かってきました。 磁気共鳴が化学で大事だとおわかり頂いて勉強されたようですので, 私もしても(恐らく rei00 さんも)大変うれしいです. さて,せっかく顔出しましたのでちょっとだけ. 電子は磁気モーメントを持っていますから, 磁場Hがかかると, 磁気モーメントが磁場方向に向いているか,反対方向に向いているかで エネルギーに違いがでます. 磁場による電子のエネルギー変化分は g μ_B H S です. g は g 因子(g = 2でOKでしょう,うるさいこというと g = 2.0023 とか言うんですが). μ_B はボーア磁子 H は磁場 S はスピンの大きさで,今の電子の場合 S=1/2 です. したがって,磁場がない場合をエネルギーの基準に考えて 磁場方向の磁気モーメントを持った電子(α)のエネルギーは (1) E_α = -μ_B H 磁場と反対方向(β)なら (2) E_β = +μ_B H です. 補足からは,どちらがαかβかよく分かりませんので,適宜読み替えてください. 絶対温度がTのときに,エネルギーが E の状態が実現する確率が exp(-E/kT) に比例するというのがボルツマンの議論で この因子がボルツマン因子です. k はボルツマン定数. したがって,電子が多数個あれば,αの電子の数 N_α と βの電子の数 N_βとは (3) N_α:N_β = exp(-E_α/kT):exp(-E_β/kT) の関係にあります. これからすぐ (4) N_α/N_β = exp{ (E_β-E_α)/kT} が出ますね. あとは,(1)(2)を考慮して電卓叩くだけ,のはずですが.... 一つ注意して欲しいことがあります. 単位です. SI 単位系なのか cgs 単位系なのか注意して, 数字だけでなくて単位もちゃんとあっているかどうか必ず確認して下さい. 必要なら,単位の換算もしなくてはいけません. また,exp の中身は単位のない単なる数になるはずで, そうならなけらばどこかにミスがあります.
- rei00
- ベストアンサー率50% (1133/2260)
化学屋の rei00 です。物理カテゴリ-での質問なので黙っていようかと思ったのですが,物理屋の siegmund さんの回答を拝見して,化学屋として黙っていられなくなりました。 > 次の問題をどう解いてよいのかまったくわかりません。 これに関しては,siegmund さんのヒントと,ボルツマン分布を考えて下さい。なお,磁気共鳴(核磁気共鳴=NMR,電子スピン共鳴=ESR)の教科書には必ず最初の所にこの計算が出ていると思います。 > 教授は化学科の私に何をさせたいのかがまったくわかりません。 > 磁気共鳴なんて、、、、 siegmund さんもお書きの様に,「化学」は分子(原子)の性質に基づいて自然現象を説明(理解)する学問です。ここで重要な役割を果たすのが,分子(原子)の最も外側に存在する電子です。中には「化学は電子に関する学問」という人もいるほどです。したがって,電子の状態を知る手段なくしては現代の化学は何も出来ないと言っても良いほどです。この電子の状態を知る手段として最も強力で汎用されているものが,NMR や ESR の磁気共鳴です。つまり,化学を勉強するものにとっては,磁気共鳴についての最低限の知識は必須のものです。
- siegmund
- ベストアンサー率64% (701/1090)
> 教授は化学科の私に何をさせたいのかがまったくわかりません。 > 磁気共鳴なんて、、、、 が大変気になります. 化学反応はほとんどが電子の関与する反応ですから, どういう状態の電子がどこにどういう密度で存在するかが 非常に重要です. こういうことがわかってはじめて, 分子設計,反応設計,触媒設計などが可能になるのだと思います. 日本人でノーベル化学賞を受けた,福井謙一,白川英樹,野依良治, 各先生の業績を思い出してください. 磁気共鳴は電子状態などを知るのに必須の手段です. さて,たぶんこれかなという大体の見当はつくのですが, まずNαとNβの意味が分からないことには 正確な回答のしようがありません. 講義のノートあるいはテキストなど見て, 以下のことを確認の上,補足下さい. ○ α,βの意味はなんですか? ○ 電子スピンと磁気モーメントの関係はOK? ○ 磁場中の磁気モーメントのエネルギーはOK? ○ ボルツマン因子はOK?
補足
そうですよね、失礼しました。 N個のスピンを含む巨視的な試料を静磁場の中においたときの 低いスピンの数をNα、高いスピンの方をNβとします。 ボルツマン因子はこの場合は近似的にあらわされているそうです。 1+(gNβNH/kT) あとはなんとなくですが勉強して分かってきました。 よろしくお願いします。