• ベストアンサー
※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:どちらが安くあがる?)

頚椎損傷の女性の医療費はリハビリか寝たきりか?

このQ&Aのポイント
  • 先日アンビリーバボーというTV番組で頚椎損傷の女性がリハビリによって回復したという話を見ました。
  • そこで疑問に思ったのは、リハビリの費用と寝たきりの医療費、どちらが多くかかるのかということです。
  • 本人の負担ではなく、純粋に医療費として比較した場合、どちらが安くあがるのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • inoge
  • ベストアンサー率45% (510/1116)
回答No.2

治療方針の差による社会的コストの差を医療経済学用語ではcost-effectivenessと言います。日本語にすると経費効果比でしょうか。いろんな疾患のいろんな治療において欧米ではさかんに研究されていますが、日本では熱心に研究されるようになったのは最近です。テーマとしての魅力に乏しかったとか(外傷の専門家が少ない)、保険制度が良すぎてコスト意識が高まらなかったこともあるでしょう。 専門家の端くれとしての私の印象では、残念ながら重症頚椎損傷のリハビリはcost-effectivenessが最も悪い部類の疾患だと思います。そもそもリハビリができるという時点で重症度が最悪ではないと言えます。調査するなら重傷度を明確に分類しておく必要があります。 と 私のあやふやな印象では納得いただけないでしょうから、関連文献も探してみましたが、頚椎損傷のリハについては有りませんでした。脳卒中や大腿骨頚部骨折については多いので欧米でも調べやすいところから調べているのかもしれません。 アメリカでは外傷データバンクを国が運営しており、おそらく登録が義務付けられているでしょうから、そう遠からず結果は出ると思います。ただし、20年の長期予後は個々の症例からはわからないので、その分 多数の患者さんを登録・解析して補うことになるでしょう。 ケチな日本政府に根拠を示すことで出費を強いるという発想事態は素人離れしたすばらしいものだと思います。 アメリカは外傷に限らずガンなど多数の疾患のデータ登録を義務づけてますが、記入項目が数百にも及ぶ複雑なもので、アメリカではカルテ管理士という日本ではまだ少ない専門職を病院ごとに数人雇って管理させているのに対して、日本の疫学調査は救急も担当している多忙な現場の医師に記入させているので(他に出来る人がいない)あまりデータ登録を増やしても疫学情報は充実したが現場が崩壊した、なんてことになりかねません。アメリカは日本の倍近い医療費を(一人あたり)使ってるからこんなことができるのです。 そもそも、高齢者や・嚥下障害患者に対する肺炎球菌ワクチンやてんかんに対する迷走神経刺激療法など、他国でcost-effectivenessが立証されていて普及している治療法で日本政府が認めていないものは枚挙に暇が無いほどあります。これらを承認することが医療費削減につながることは確実ですが、専門家が学会声明を挙げても政府は動かないという現実もまたあります。

nskoujirou
質問者

お礼

cost-effectivenessの概念,カルテ管理士の存在など、全く知らなかったことを教えていただき、とても興味深く、楽しく、勉強になりました。 私の、つたない思いつきの質問に、inoge様がお時間を割いてくださったこと、丁寧にお答え下さったこと、深謝いたします。ありがとうございました。

nskoujirou
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。m(_ _)m わかりやすく丁寧にお答えいただいて、とてもうれしかったです。 さて、 >関連文献も探してみましたが、頚椎損傷のリハについては有りませんでした。 そうなんです! TVでも「そもそも頚損は回復しないから、リハも行われない」とあったんです。で、私はこれは「頚椎損傷は回復しない」と言われているけど、 「医学上、理屈の上では回復はあえない(からリハは実施されていない)」+「頚椎損傷にリハをした研究があったとしても、それは毎日6時間、2年間とかいう規模のものではなかった(例えば毎日1時間、半年実施されて効果がなくて、やっぱりムダと判断されてしまった)」 のではないかなー、と思ったんです。だから今までチャレンジされたことはないけど、 「実際に毎日6時間2年間リハしたら30%の人は車椅子に乗れるようになった」とかなるかも、なったらすごいじゃん!、と思ったのです。 でも、もしそういう研究がされて、実績が上がったとしても、 >他国でcost-effectivenessが立証されていて普及している治療法で日本政府が認めていないものは枚挙に暇が無いほどあります。 こういうことなら、普及は難しいですね。(>_<) 厳しく、哀しい現実だぁ…