メスのニワトリ(めんどり)に、自分を交配相手としてアピールするためと思われます。(ただし、ニワトリの場合は、人間がそれを人工的な交配で強調させた可能性もありますが)
とさかに限らず、孔雀の羽とか、熱帯魚のはでな色とか、一見「こんなんが生物の生活や生き残り戦術にどう関係あるんだ?」というものは多いんですが、「異性に選ばれる」ということは、その生命が遺伝子を伝えていく上で、自分自身が生き残ることと同じくらい大切なことです(いくら自分が生き残っても、子孫が作れなければ遺伝子は残せないですから)。
それじゃあ、「なんでそのメスはそんなオス(とさかが目立つとか、色がきれい)を選ぶの?」といわれても、「それが遺伝だからしょうがないじゃない」ということになるわけです。
で、メスが選ぶオスの特徴が、オスの生き残りにとっても有利な場合(よりからだの大きいオスを選ぶとか)だったら、オスも救われるんですが、時によっては、オスが生きるためには無関係だったり(とさかは多分これ)、それどころか危険だったり(孔雀の羽なんか、明らかに生き残るためには邪魔な存在だと思いますよね)するような特徴をメスが選んじゃう場合もあるわけですね。
そう言う場合は、生き残りやすさを取るか、メスにもてる方を取るかのような、オスの苦悩が続くわけです。(といっても孔雀がほんとに悩むわけじゃないですけど)
その結果、生存競争の激しいところにすむグッピーはより地味な模様に、比較的安全なところにすむグッピーはより派手な模様になる、というように、色々な条件の折り合いをつけてその生物の特徴が形作られていくわけですね。
いやあ、男って、ほんとに辛いですねえ。(て、女も楽じゃないでしょうけど)
参考文献は:
「オスとメス=性の不思議」長谷川真理子著(講談社現代新書)当たりがいいんじゃないかと思います。