はじめまして。
pxzzzさんは中学生ということで、No1の回答者さんのご意見や参考URLは非常に参考になると思います。
これから、pxzzzさんは、いろんな本や周りの友達や体育の先生からトレーニング法を教えられると思うのですが、多くの方がNo1の回答者さんやその参考URLに記しているように言うでしょう。
しかし、それだけを聞いていると大きな誤解が生じます。それは、多くのトレーニング経験者やトレーナーもきっちり分かっていないことですが、簡単に説明しておきます。
まず、トレーニングは大きく次の4タイプに別れます。
(1)筋量アップのトレーニング
(2)筋力アップのトレーニング
(3)筋持久力アップのトレーニング
(4)有酸素系持久力アップのトレーニング
「(1)と(2)」,「(3)と(4)」は非常に混同されやすいですが、全くことなるものなのでしっかりと区別しておいた方がよいでしょう。
多くの方やNo1の回答者さんがおっしゃっているのは、完全に(1)のトレーニング法です。筋肉に大きなダメージを与えて、それを回復させてサイズアップを図るといったトレーニングです。もし、pxzzzさんが、「でかく」なりたいのなら、そのようなトレーニング(10回~15回で追い込める重量や種目を選択)をすべきです。
それでは、筋量アップのトレーニングと筋力アップのトレーニングはどこが違うのでしょうか。確かに、筋肉のサイズがでかい人は筋力も強い傾向にあります。
しかし、あなたは見たことがありませんか?細い(がりがりではない)のにとてつもなく力が強い人を。
pxzzzさんが、筋量とある程度の筋力を求めるのではなく、筋力とある程度の筋量を求めるのなら、以下のトレーニングも併用すべきです。むしろ、「太さ」には興味がないのなら、以下のトレーニングだけで十分です。成長期に筋量を増やすトレーニングをすると身長を伸ばす成長ホルモンが筋肉を形成する方に多くまわるため、あまり身長が伸びなくなるという事実があります。そのことも踏まえて、どのトレーニング法を選択するか決めて下さい。
○筋力アップのトレーニング
筋力は筋肉の断面積に比例する。これは、事実です。しかし、筋力を決定づけている他の要素が「神経系」です。
腕に力を入れるとき、まず脳から神経細胞に「腕を動かしてくれはりますか?」という命令がなされます。そして、神経細胞から筋繊維へ指令が伝わり腕を動かすに至ります。
このとき、神経細胞の指令には一部の筋繊維しか反応しません。残りの筋繊維は素無視です。
1個の神経細胞は数十本から数千本の筋繊維を統率しているが、言うことを聞いて活動してくれる奴らは限られています。
そこで、より多くの筋繊維を反応させるようなトレーニングをすることによって、筋出力をアップさせることができます。
これが、筋力アップのトレーニングの中心となる「神経系の開発」です。
神経系の開発度合いが同じなら筋量が多いほど筋出力は高い(筋肉の断面積に比例)ですが、筋力アップだけが目的なら「神経系の開発」に力を入れるべきです。つまり、筋量は変わらないのに筋力だけ強くすることも可能なのです。
トレーニング方法は、限界重量を1,2回挙げる方法と比較的軽い重量を瞬発的に挙げる方法がありますが、前者は非常に注意して行わないと一生治らないような怪我を引き起こしてしまう危険性があります。
「筋量アップのトレーニングの真髄は筋肉を傷つけること」なのに対し、「神経系のトレーニングの真髄は神経系にダメージを与えること」です。だから、回数をこなして追い込む必要はありません。理想的なのは、瞬発的な動きを3回×10セットです。頻度は週3回ぐらいがいいでしょう。他の方のおっしゃる追い込む10回×3セットとは「筋量アップ」のトレーニング法です。混同しないようにして下さい。
いきなり長々と言われて、混乱するかもしれませんが、悩み,考えながらトレーニングすることが非常に重要です。考えなければ、他人の意見を鵜呑みにして効率の悪いトレーニングをしてしまうハメになります。
最後に、pxzzzさんが何かの競技のために腕を鍛えたいと考えているのなら、その競技の特性によって必要なトレーニング法は全く異なります。例えば、テニスなら、結局のところ、真剣な素振りや重めのラケットでの素振りがどんな筋トレよりも最も効果的だったりします。また、腕を使う競技は、必ず足や下半身で踏ん張った力を利用するため、そこに意識を向けた方が競技能力が向上するかもしれません。ウェイトをしないで、第一線で活躍されている方もいます。ウェイトが必ずしも競技能力向上につながるとは限りません。最近のコーチは何かとウェイトを勧めますが、生かされていない場合が多いです。
では、怪我には気をつけて(正しいフォームは必ず勉強して)がんばって下さい。
お礼
とっても勉強になりました。 本当にありがとうございます。