「やらせ」という言葉があらかじめ勝敗が決まっていることを指すのであれ
ば、私は「ノー」だと思います。
プロレスは相手の技を受けることで自分の打たれ強さを誇示し、スタミナが
なくなって技を受けることができなくなったほうが負ける格闘技だと思います。
早く試合を終わらせることは可能です。相手が受身のとれないように投げた
り、急所に打撃を集中させればよいのですから。
しかし、忘れてほしくないのはプロレスラーは「プロ」で観客の皆さんから
入場料をいただいて、試合を見てもらい、それが1ヶ月に何回もあるのです。
ボクシングやPRIDEのような格闘技と違い、オフや調整期間を長く取る
こともなく全国を巡業し、戦う相手も同じ団体に所属している方がほとんどな
ので、欠場者が出れば試合が組めなくなります。
私は、タイトルマッチ等の特別試合でないかぎりあまり勝敗は気にしません。
選手の持ち味が発揮されればそれでいいのです。
考えてみてください。技の部類では軽く見られているダイビングボディープ
レスにしても軽くて60kgの物体が加速をつけて自分に降ってくるんですよ。
一般人ならしばらく動けなくなるか骨に異常が出るでしょう。
本当に強いプロレスラーとはグラウンド(寝技)での攻防だけで観客を湧か
せたり、相手が大技をためらいなくかけることのできる身体をつくり、怪我を
しないで当たり前にプロレスをすることができる人だと思います。
プロレスをよく見に行く人というのは、雑誌や今まで見てきた経験である程
度の知識を持っているので、どうしても「お約束」(あえてこう書きます。)
を期待してしまうのです。そして選手たちもそれに答えつつ観客の想像以上の
動きをすることで互いに感動とよろこび(時には憎悪)をつくりあげているの
ではないかと思います。
現在プロレス団体が多数あって、観客の取り合いをしているような状況です
が、良い選手とそれを活かせる企画力のある団体はやはり動員数が多いです。
質問の答えとしてはかなり脱線しているかもしれませんが、結局「やらせ」
かどうかの判断は、選手が相手の技を受けて自分の打たれ強さを誇示すること
を「やらせ」としか見えない人にとっては「やらせ」なんでしょう。
以上が私の意見です。