「貴石と輝石どちらが正しいか」について
「貴石と輝石とはまったく関係がない、」と言うのは正解です。ご存知、「輝石」は石英、長石、雲母、かんらん石~~etcと言った火成岩を構成している鉱物の一種の事ですね。
しかし、今回の問題は、ちょっと一味違って、もう少し奥の深いものになります。それは異物同名、すなわち、同じ発音の和名が二つあることで混乱を招いているのですね。
生物界でも蝶類の「ヤマトシジミ」貝類の「ヤマトシジミ」や鳥類の「ヤマホトトギス」貝類の「ヤマホトトギス」などがあります。他にも沢山ありますが、これらはカタカナ表記では全く区別がつきません。
このような異種同名のことを正式には「ホノニム」と呼びます。どうしても避けられないホノニムの場合、教科書などでは「鳥類の」とか「貝類の」等の枕詞が必要となります。今回の場合も「宝石の」や「火成岩の」等の頭が入っていると混乱は全く無かったものと思われます。
教科書や入試問題を作成する段階ではこのような「ホノニム」や「シノニム」に対する配慮が充分に必要であり、かつ、混乱を避ける為にも慎重に対処しなければいけません。
また、回答に「輝石」は、正式な鉱物の[学名!!] とありましたが、これは誤りで、「輝石」の場合、正式には「標準和名」と言う扱い方がされます。「学名」とはラテン語により構成される世界共通の標準名の事を指します。そして当然、学名は全てアルファベットで表示され、命名規約学会「リンネ創設」により決定されます。
今回の「貴石」や「半貴石」の場合は正式に標準和名として認定されているか否かは判りません。
「ズワイガニ」「エチゼンガニ」「マツバガニ」・・・違いますか・・・「うんしゅうみかん」「えひめみかん」「ありたみかん」「みっかびみかん」・・・違いますか・・・さあ、どれが正しい標準和名でしょうか・・・・・・
教科書が「普通書かない!!」や「一般的ではない!!」和名・・・と言うのでは困ります。
業者が営利目的で扱う和名「いわゆる俗称」、国によって正しく定められた和名、商品によっては「登録商標取扱事項」としてもめることもあります。和名の問題は皆さんが思っているより深く、難しいものなのです。
お礼
そういうことだったのですね。 今回は友人と宝石の話をしていた時に、ふと疑問に思い、すぐ、「キセキ」を辞書で調べました。そこには「輝石」しかのっていませんでしたが、友人らは「貴石」なら見たことがあるけれど…ということになり質問をさせて頂いた次第です。 またまた勉強になりました。どうもありがとうございます。