現場の立場から申し上げます。
○母校以外で実習を行うのは難しいか?
大学との間で「協力校」という関係がある場合は、母校以外でも可能です。ただ希望する学校というのではなく、大学側で割り振られます。
それ以外は易しい(簡単)ではないので、難しいとお答えします。
学校には個人情報がたくさんあります(電話で、学校の事務からとかたり、名簿制作の名目で個人情報を聞き出そうとする輩がいますよね)。
ですから、個人情報保護の観点で、学校に縁の無い人を受け入れたくないのです。
それから実習の中身で「学校経営」という項目があります。教務・生徒指導・進路指導の各主任・主事から説明があります。卒業生だとその辺りの説明が容易なわけです。
ただ例外も幾つかあって、実習を希望する方の元・担任や指導したことがある職員がいる場合は、その先生がいわば身元保証人という感じで受け入れることもあるようです(私は現場に立って約20年ほどになりますが、その例は経験してません)。
あるいはオリンピック等の世界大会に出場した現役選手で、いろいろな都合で(強化合宿等の都合で)母校でないところで実習した人もいます(この場合はチームメイトの母校だったかと記憶しています)。
諸費用は、当然自己負担です。教育実習は大学によっては「教育実地研究」という名前で呼ばれており、講座の一つです。つまり学習の場なんです。
極端な例をしますと、例えば東京の方が九州の学校を受験され、合格・進学することになったとします。学校に交通費や生活費(住居費)を請求できるでしょうか?
実習受け入れ先の負担としては、実習期間の授業の復元があります。実習生の技量・受け入れる学校の生徒の力にも因りますが、実習後にフォローの時間を設けないと学習内容が浸透しにくいのです(よって実習期間の前半は定期考査と重ねるような受け入れ校もあります・・・つまり実習生にできるだけ授業をさせない・・・)。
かつては大学側から実習費という形で1人につき1~2万円の謝礼がでていました。しかし痛くもない腹を探られる(要するに単位を金で売る、と誤解を受ける)ことのないように、そのままお返ししています。
※かつて受け取っていた金は、実習生とのお別れ会の費用に充てていたようです。
またコピー・印刷費、用紙代なども学校持ちですからね。
全国ネットの附属高・系列校を持つところ(私の頭に浮かんだのは日本大学、東海大学)は、これは直接大学に尋ねた方がいいでしょう。ひょっとしたら大学の施設を利用することで宿泊費は軽減されるかもしれません。
・・・例えば東海大学は九州に九州東海大学・九州東海短期大学があり、熊本に第二高校、福岡に第五高校がありますよね。ひょっとしたら、大学の施設が利用できるかもしれません(これは推測・憶測)。