■床の間は基本的に宗教とは関係ありません。けれども、昔からの作法や床の間のコンセプトとして置かないほうが良いものがいくつかあります。
「仏壇」や「冷蔵庫」というような全く設置用途の異なったものは論外ですのでこれらには触れません。
■箱物:床の間はそれで一つの“空間(宇宙)”を表わすものなので、その中に更に間仕切りをするようなものは本来置くべきではありません。ガラスケースに入った人形を置いているのをみかけますが、これは邪道です。
■床の間の床面は“地”を表わしますので、活花、置物、陶磁器など自然素材から造形されたものを置くことができます。時計など機械類や実用品は好ましくありません。
■壁部分は、その奥の世界に通じる扉に相当しますので、絵や書の掛軸をかけます。絵が描かれた掛軸はその絵が世界の広がりを示しますし、書は精神的な世界への扉となります。そのために、絵柄は山水画や花鳥風月が多いのです。書は漠然とした内容よりも、精神的な世界の広がりを示す書画や漢詩などが好まれるわけです。戦時中に「天照大神(あまてらすおおみかみ=ただの神様の名前ですので世界観や精神世界を表わすものではありません)」とか大書きして掲げてあった床の間がありましたがこれは床の間の主旨からするとナンセンスです。
■床の間の両脇の柱には、床の置物と関連した若干の掛け物をしてもよいですが、小さな活花程度です。カレンダーなどをかけてはいけません。
■このように、床の間は家の主の精神世界を象徴する空間としてアレンジされるものなのです。決して「物置き」ではないのです。
お礼
完全に理解致しました!!ありがとうございます!!ブラボー!!