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たぶらかす、ひけらかすの元の語は?
甘やかす←甘える 冷やかす←冷やす 散らかす←散る 脅かす←おびえる そびやかす←そびえる だまくらかす←だます ほったらかす←放る これらの由来は上記の通りだと思うのですが たぶらかす(誑かす)の元の語は何になりますか? どうも「たぶらう」という言葉はなさそうですが 「誑」を調べると(たばか・る)の読みもあるようなので、 ひょっとしたら「たばからす」か「たばからかす」の誤りなのではないでしょうか? あと「ひけらかす」「見せびらかす」(店開くでしょうか?) の語源も教えてください。
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接尾語「かす」をつけて他動的な意味を強調する俗語的な、あるいは口語的な用例は、「二段活用動詞に付く時は、多くもとの動詞の活用語尾をア段に変えた形に付く」(小学館「全訳古語例解辞典」)。 狂(たぶ)る(自動詞ラ下二)→誑(たぶろ)かす(変化→たぶらかす、たぶらす) 自動詞では気が狂(くる)うの意味が、使役的意味により言偏が加わり誑(たぶろ)かすに、俗語的もしくは口語的に用いられたと見られます。 光(ひか)る→光(ひか)らす→光(ひか)らかす(変化→ひからかす) →ひけらす→ひけらかす 「ひけらかす:「ひけらす」を強めるため、「す」語尾を「かす」語尾に変えた語」(講談社学術文庫「江戸語の辞典」) 見せ披(びら)く→見せ披(びら)かす 前出の「江戸語の辞典」では「弄売(みせびら)かす」という例文もあります。 ところで、他動詞も幾つかの異なる意味に発展しているものもありますね。 散る(自動詞ヤ下二)→散らす →散らかす 冷ゆ(自動詞ヤ下二)→冷やす →冷やかす
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- garamond
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「たぶらかす」は質問者さんが#1さんへのお礼に書かれたように「たぶる」(文語・下二段)から派生したものです。 使役的他動詞派生の造語法としては、 「暮れる」→「暮らす」、「生える」→「生やす」 の形が標準的ですが、いみじくも#1さんが言及されたように、 「冷える」→「冷やかす」 の形もいくつかあります。 「怯える」→「脅やかす」、「聳える」→「聳やかす」など。 「はぐれる」→「はぐらかす」は、まさしく「たぶれる*」→「たぶらかす」と全く同じケースですね。 * 多くの文語下二段動詞は口語下一段に継承されましたが、口語「たぶれる」は成立しませんでした。ただ、口語形ならいちいち四段/下二段と言わなくてもすみ、かつ分かりやすいため、他の語をそう扱った関係上、便宜的に「たぶれる」が生きているかのように書きました。 送り仮名は便宜的(ときに恣意的)なものですからこの場合顧慮する必要はありません。 むしろ「誑(たぶらか)す」としないなら、「誑らかす」とすべきで、「誑かす」は中途半端だと考えます。 「ひけらかす」は、私自身確信に至っていませんが、『広辞苑』(手許には第一版しかない)では「光らかす」の転としています。 そうであれば、文語四段「光る」から同じ造語法により、「~ら[か]す」が派生したことになり、 「散る」→「散らかす」 の例も思い合わせられます。 「みせびらかす」は、すぐにはうまく説明できませんが、「店」でなく「見せ」であり、末尾部分も「開く」とは無関係でしょう。しばらく考えさせてください。
お礼
詳しく解説いただいてありがとうございます。 使役的他動詞がどういった経緯で生まれたのか、とても勉強になりました。正直、知らない言葉もありましたが、もっと調べてみたいという気持ちになります。 ところで回答者さまの説明を拝読してふと思ったのですが、「みせびらかす」は、「見せる」と「光らす(ひけらかす)」が合成された「見せ光らす(みせひからす)」が、「みせびらかす」に変移したものでは、という気がしてきました。 しかし言葉にはきっちりとした法則性があるのですね。 いろいろご指導いただき、ありがとうございました。
- luune21
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どうなんでしょう?^^;; 誑(たばか・る)は定着していない気がします(気のせい?)^^; 謀る(たばか・る)= た+謀る で語源から違うようです。 おっしゃている元の語というのは自動詞と他動詞の関係っていうだけなのではないでしょうかね。 だとすると、「誑かす」と対応する自動詞は無いようです。 ただし、「冷やかす←冷やす」ではなく、「冷やす←冷える」で、「冷やかす」は「冷える」とは意味も違うので、これも自動詞にあたるのが無いと思われます。 そんなことってないのでしょうか?<まったく自信ありませんが^^; 回答じゃなくて申し訳ありません。
お礼
いえいえ、くわしく説明くださってありがとうございます。 私は「書く→書かす」のように動詞の使役形だと思っていましたが、英語などにある他動詞なのかもしれませんね。 後から調べてわかったのですが、たぶる 【狂る】という言葉がありましたから、「狂らかす」なのかもしれません。 それでも「誑かす」とでは、送り仮名が違ってしまうのですが……
お礼
「かす」をつけるのは、俗語的、口語的な用法だったのですね。そういえば天気予報のアナウンサーが「(梅雨どきで)カビを生やかす」と言っていたのを思い出しました。 とても勉強になりました。ありがとうございます。