樹木の中心が空洞になることはさほど問題ではありませんが、樹皮のすぐ下が虫に食い荒らされると、木は簡単に枯れてしまいます。いわゆる木材の部分は木部と言って、根から葉っぱに水を運ぶ働きをしているのですが、そのうち中心部のいわゆる心材は死んだ細胞の固まりで、体を支える働きしかしていません。木材の周辺の、色の薄い(事が多い)部分が辺材といい、実際にはここの細胞が水を上に運んでいます。これに対し、樹皮のすぐ下には葉からの栄養を下に送る師部、木部や師部の細胞を生みだし幹を太らせる形成層という重要な部分があります。
樹皮の下に潜った虫がもし縦に食い進んだら問題は少ないのですが、横に食い進み、師部や形成層を一周食い尽くしてしまうと根に栄養が行かず、木は枯れてしまいます。
ミカンの害虫としては濃い藍色の地に白い斑点のゴマダラカミキリが有名です。見かけるのはこの虫では?
対策としては、カミキリムシの幼虫は樹皮の中を食い進むとき、最初に卵が産まれた穴から木くずや糞を出します(カミキリムシの種類によっていくつかのパターンがあるのですが)から、幹からそのようなものがでていたら幼虫がいる証拠です。食い進んだ先が判る様でしたら、樹皮の上から金槌等でたたいて殺しましょう。木くずの出ている穴に針金を差し込んで虫を殺すのも有効です。薬剤を使う方法としては、スミチオンの100倍液を潜入孔に注入してふたをしておく、という方法がありますが、この方法が今、登録が下りているかどうか未確認(最近法律が厳しくなったのです)ですので、病害虫防除所や農業改良普及センターなどでお聞き下さい。
予防策としては、子供にカミキリムシの成虫を捕って貰う、というのが一番有効だったりします。
お礼
詳細かつ具体的な回答に感激しました。なぜ「突然」枯死したか、という謎も解けたように思います。 ありがとうございました。