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テレビ放映をビデオに録画して台本にした場合の著作権
以前テレビ放映があった舞台をビデオに録画し、台本に起こすことは著作権法に触れることでしょうか? できれば法的根拠に基づいた結論が知りたいです。 なんとなくだめなような気はしますが、なんとなくではなく、法的根拠、もしくは過去の事例などから回答していただければと思います。
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了解。法的根拠ですね。 まず、2条1項15号イを見てください。 十五 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。 イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。 つまり、質問者さんの言う「以前テレビ放映があった舞台」を録画することは脚本その他これに類する演劇用の著作物の複製権(著21条)を侵害します。またその録画したものから台本をおこすことは複製権(21条)、翻案権(著27条)の侵害にもなります。 しかし、複製権侵害については著30条に代表される「複製権の制限規定」に該当した場合は複製権の侵害とはされません。また翻案権侵害についても、著43条に代表される翻案権の制限規定に該当した場合は翻案権の侵害とはされません。 つまり、解り易く言えば、台本にしたものを個人的・家庭的これに準ずる限られた範囲内で使用する場合(著30条)の場合等は原則(*)著作権侵害は問われません。 *法文上は著作人格権(著18条から20条)侵害は個人的・家庭的これに準ずる限られた範囲内で使用する場合(著30条)等でも制限されないことになっていますが通常の使用であれば問題ないでしょう。 以上が法的根拠です。 あとno.1の補足の >市販の台本を上演する場合は著作者の許可が必要になりますが、上記の状態で作成された台本も、著作権法において市販の台本と同じ扱いになるのでしょうか? ですが、この「上記の状態で作成された台本」=「以前テレビ放映があった舞台を質問者さんがビデオに録画し、台本に起こしたもの」のことを言われているという前提で話を進めます。 著作権法上は市販されている台本、市販されていない台本の区別はありませんが、これに関連して著作物の公表(著4条)と言う概念があります。この公表されていない著作物を質問者さんが無断で使用し、公衆に提示・提供した場合は著作人格権の一つ公表権(著18条)を侵害します。 しかし、設問の場合は著18条1項より公表権侵害にはなりませんが、結局は 「上記の状態で作成された台本も、著作権法において市販の台本と同じ扱いにな」り、上記の状態で作成された台本 を公表等(*2)すれば著作権、複製権を侵害します。 *2 複製権、翻案権の制限規定(著30-50条)のどれかに該当しなければ という意味です。 過去の事例については参考URLで権利種別=著作権とし、任意の文字列で、 1=「映画」 2=「台本」で検索してみてください。参考になる判例が沢山出てきます。 以上です。 第十八条 著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。 2 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものと推定する。 一 その著作物でまだ公表されていないものの著作権を譲渡した場合 当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。 二 その美術の著作物又は写真の著作物でまだ公表されていないものの原作品を譲渡した場合 これらの著作物をその原作品による展示の方法で公衆に提示すること。 三 第二十九条の規定によりその映画の著作物の著作権が映画製作者に帰属した場合 当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。 3 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。 一 その著作物でまだ公表されていないものを行政機関(行政機関の保有する情報の公開に関する法律 (平成十一年法律第四十二号。以下「行政機関情報公開法」という。)第二条第一項 に規定する行政機関をいう。以下同じ。)に提供した場合(行政機関情報公開法第九条第一項 の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 行政機関情報公開法 の規定により行政機関の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。 二 その著作物でまだ公表されていないものを独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律 (平成十三年法律第百四十号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第二条第一項 に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)に提供した場合(独立行政法人等情報公開法第九条第一項 の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 独立行政法人等情報公開法 の規定により当該独立行政法人等が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。 三 その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 情報公開条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。 4 第一項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。 一 行政機関情報公開法第五条 の規定により行政機関の長が同条第一号 ロ若しくはハ若しくは同条第二号 ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は行政機関情報公開法第七条 の規定により行政機関の長が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。 二 独立行政法人等情報公開法第五条 の規定により独立行政法人等が同条第一号 ロ若しくはハ若しくは同条第二号 ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は独立行政法人等情報公開法第七条 の規定により独立行政法人等が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。 三 情報公開条例(行政機関情報公開法第十三条第二項 及び第三項 に相当する規定を設けているものに限る。第五号において同じ。)の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第五条第一号 ロ又は同条第二号 ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。 四 情報公開条例の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第五条第一号 ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。 五 情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第七条 の規定に相当するものにより地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示するとき。
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- rightegg
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こんばんは。 言うまでもなく触れます。 著作権って一面的なものじゃないんですよ。 音楽でも「作詞」「作曲」「編曲」「演奏」「原盤」などなど多種多様な権利がある様に、テレビ(映像)の場合も原作、脚本、出演など権利は多岐に渡ります。ちなみにテレビ番組は映画と同様の扱いになります。 台本に起こすという事は、少なくとも原作及び脚本の権利に抵触しますよね。 複製は「私的利用の範囲」が例外として認められますので、自宅で楽しむ分には構いませんが、それを公開するとなると例外とは言えません。 参考URLにNHKの考え方のページを張っておきました。それ以外は下記URLを。 http://www.cric.or.jp/db/article/a1.html
補足
早い回答ありがとうございます。 この場合でいくと、個人で利用している限りはその行為には例外が適用されるということでしょうか。 ↑を踏まえてのことですが、補足質問です。 市販の台本を上演する場合は著作者の許可が必要になりますが、上記の状態で作成された台本も、著作権法において市販の台本と同じ扱いになるのでしょうか? 著作者本人に聞いてみないとわからないこともあるでしょうが、まず法的解釈を知りたくて質問しています。
お礼
ありがとうございます! 私も自分で調べてみたのですが、テレビで放映された舞台の脚本の公表されている著作物であるかどうかというところでつまずいていました。 大変わかりやすい回答ありがとうございました。 そしてこれはあくまでも法的根拠であることを自分自身に刻んでおこうと思います。