まずフィラメント電球について.
電球の中は真空ではありません.
フィラメントが蒸発するからです.
固体であっても,蒸気圧と言うものがあって,そこまでは固体からでも蒸発します.
例えばタングステンフィラメントがどんどん蒸発して,
ガラス面にどんどん蒸着すると,光量がどんどん減じてしまいますし,
フィラメント寿命も短くなります.
従って,アルゴンなどの不活性ガスをつめます.
又は適当に低真空まで引いておけば,残存酸素は少しなので,
少しだけフィラメントと反応しますが,その後は大部分が窒素のみです.
次に,蛍光管,又はフィラメント電球に発色の為のガスを封入したものについて.
まず蛍光灯ですが,蛍光灯は,ある程度の圧力で水銀蒸気が入っています.
水銀に電子をぶつけて紫外線を出し,それをガラス面の蛍光物質で
可視光に変換して出しています.しかし紫外線はかなり残っています.
(分光器で見ると水銀の紫外域スペクトルがぴきーんと出ています.)
ネオン管は,ネオンが入っています.
が,いまやネオン管と言っても,いろんな気体が入っていますね.
キセノン,クリプトン・・・それ以外にもいろいろ.
蛍光管は,両端の電極の間で放電させることで,
電子を飛ばして中の原子にぶつけることで発光させます.
又は,フィラメント電球に意図的にガスを入れることで,
そのガスに特徴的な光が出ます,これはフィラメントからは熱電子がいっぱい
出ていて,あとは蛍光管と同じ原理です.
カドミウムだったかな,私,好きです,むかし実験で使ったのですが,
青緑のとても美しい色が出ます.
トンネルではナトリウム灯です,ナトリウムD線と言うスペクトルが,
あのオレンジ色の強烈な光に見えます.
空港ではいろんな色の光が滑走路に見えますが,これもいろんなガスによる発光です.
それぞれの気体で特徴的な光(スペクトル)を発生させ,
それを直接外に出しています.
中に入れる気体とその圧力で,いろんな色の光が出せます.
圧力を変えると色がかわるのは,放電電圧が変わるので
電子衝突励起の様子が変わるため,発光するスペクトル線が
変わるからです.
お礼
詳しいご説明ありがとうございました。中に入れる気体によって色々ないろが出るんですね。勉強になりました。またよろしくお願いします。