株の市場価格は、長期的には物価に連動するからです。例えばインフレが起きて物価が2倍になったとします。そうすると株価も一定期間を経過すると2倍になります。100万円を株で持っていた場合、200万円で売ることが可能になりますから、100万円という価値は株でヘッジされることになります。
私が社会人になった頃、コーヒー1杯50円、タクシー1メータ70円、大卒初任給1万7,8千円でしたが、就職した会社は1株80円位でした。最近は千円前後ですから、インフレヘッジは実際上も確かに効いていると言えるでしょう。
入社した頃8万円投じて1000株買っていたとします。30年後の退職時にはこれが100万円になっているはずです。大卒初任給給料換算では4.4ヶ月分給料の価値が
100万円割る最近の初任給20万円として大卒初任給5か月分の価値を保持していることになります。
株価だけで見ると私は8万円投入して100-8=92万円儲けたように見えますが、インフレを考慮すると儲けは利息程度のものといえるでしょう。
もし私が、8万円で株でなく30年後償還される国債を買っていたとします。利息を考えても20万円とか30万円、30年後に受け取るのがせいぜいでしょう。(当時は普通預金でも3、4%くらいの利息がありました。)一見するとこの債権投資は12万円から22万円の儲けがり大成功のように見えますが、大卒初任給換算では4.4か月分が30年後には1から1.5か月分に低下しており、インフレを考えるとこの債権投資は大失敗でしょう。債権はインフレには弱いことが良く判ると思います。債権は買った額プラス利子の世界で、すべてが決定してしまっており、その後の物価変動を吸収するメカニズムが働かないためこうなるのです。
ただし、最近発行の個人国債のようにインフレヘッジを考慮した債権もあるようですから、一概に債権はインフレに弱いとはいえなくなってきています。
お礼
なるほど、ありがとうございました