考え方は間違ってはおりませんが、3.47年ではなく、3.44年がより正確です(No2様のご指摘の通りです)。
さて、少し混乱しそうですが、もう少し出来事を整理してみましょう。以下の4つの出来事について、いつ、どこで起きた出来事なのかを、地球と宇宙船とで比較してみます。(1)宇宙船が地球を出発、(2)植民星Aから電波を発信、(3)宇宙船が電波を受信、(4)宇宙船が植民星Aに到着。(場所、時間)の形で、座標点として表します。
地球から見ると、それぞれ次のようになります。
(1)宇宙船が地球を出発(0,0):これは、座標の原点をそのように設定したということです。
(2)植民星Aから電波を発信(10光年、5年):10光年離れた植民星Aから5年後に電波を発信したということです。
(3)宇宙船が電波を受信(7.11光年、7.89年):質問者様の計算のとおりです。
(4)宇宙船が植民星Aに到着(10光年、11.11年):10光年を光の90%で移動したということです。
さて、上記の出来事を宇宙船から見てみるとどうなるかを求めてみます。この計算は、ローレンツ変換の式を使います。
(1)宇宙船が地球を出発(0,0):これも、宇宙船での座標の原点をそのように設定したということです。
(2)植民星Aから電波を発信(12.62光年、-9.18年):植民星Aから電波を発信したのは、地球を出発するよりも9.18年前の出来事であり、そのとき、植民星Aは、12.62光年の位置にあったということです。宇宙船が地球を出発する時点では、植民星Aは9.18年かけて光の90%の速さで向かってきますから、12.62-0.9C×9.18=4.36光年となり、宇宙船が地球を出発するときには、植民星Aは4.36光年の位置にあります。これは、10光年の距離がローレンツ収縮した値です。
(3)宇宙船が電波を受信(0、3.44年):位置が0というのは、宇宙船が原点となる座標系だからです。宇宙船が受信するのですから、その場所は原点となります。(2)で述べたように、9.18年前に12.62光年離れた位置から電波が出てますので、12.62-9.18=3.44で、地球出発後3.44年で電波が到着します。なお、3.44年は、質問者様の計算でも求められます。
(4)宇宙船が植民星Aに到着(0、4.84年):(2)で説明したように、地球と植民星Aとの距離は、宇宙船にとっては10光年ではありません。ローレンツ収縮するため、4.36光年になります。そこを光の90%で移動すると、4.84年かかります。
以上のように、地球と宇宙船とでは、出来事の起こった時間と場所はまったく違ってきます。特に(2)では、宇宙船にとっては、植民星Aが電波を発信するのは、地球を出発する前です。このあたりは理解が難しいと思いますが、次のことに気をつければ理解できると思います。宇宙船が地球を出発する前に植民星Aが電波を発信するとは言っても、それが分かるのは、実際に電波が受信されてからです。電波を受信する前には、電波を発信したという事実は、宇宙船では決してわかりません。それは、光の速さより早く情報が伝わることはないからです。受信した後に、色々な観測結果から、電波を発信したのは地球を出発する前だった、という結論が得られるのです。
お礼
ご回答ありがとうございます! ローレンツ収縮ですか? いよいよ本格的な宇宙物理学? なお話なわけでしょうか? 頭がますますこんがらがってきました。