「天皇陛下万歳!」というより、「おかあちゃん!」というのが大半だったとか聞きました。日本人のアイデンティティーはおもに家族によってゆるやかに形成されているという見解とも一致します。さらに、戦闘死よりも病死、事故死が多かったというのも悲惨です。遺体に取りすがれない家族がやるせないことを思えば、満足してとは考えられません。
『英霊の声』で忠烈無比な軍人を描いた三島由紀夫も「徴兵免除狙い」みたいな軟弱青年で「結核の疑いあり」で入隊日に即日除隊であった時は歓喜して父親とふたり「やっぱり残れ」といわれるのを恐れて目の届く限りの距離を走って帰ったようです。
一般的にも、死ぬのはイヤだが、家族の不利益を考えると徴兵忌避するわけにもいかないので、自分を納得させる理由付けとして天皇陛下を中心とする国家を立てたというところではないでしょうか。
まれには「建前」を信じて、死ぬ運命を受け容れた軍人もいたでしょうが。
「死ぬまでだまされた人を幸福な人と言い、
死ぬまでに気づいた人を不幸な人と言う」(志水速雄)
お礼
今の北朝鮮より酷い状態ですね。 びっくりしました。