伝送線路で信号が伝わるのも,実はマクスウェル方程式で導けます.詳しくはマイクロ波工学や電気力学(最近は電磁力学ともいう)の教科書を見ていただければ分かるとは思います.
概念的な話をすると,線路に電圧をかけると,導体中に電場(正確には電束)が発生します.導体中の自由電子が,この電場からの力を受けて加速運動します.電流は電荷の移動が本質ですので,自由電子の運動は電流と捕らえることができます.電流が流れるということは,アンペールの法則に従い,磁場が発生するということです.この磁場の変化はファラデーの法則によって電場(しつこいけど正確には電束)の変化になります.この電場によってまた,電子が加速されと言うことを繰り返して,線路に電流が流れています.ためしに線路周りのポインティングベクトルを計算すると,すべて線路に向かっていると出るはずです.つまり線路の周りに電磁場を形成しつつ線路にエネルギーを供給している.このために線路に電流が流れています.これで,伝送線路とマクスウェル方程式の関係が概念的ですが理解いただけたのではないかと思います.(計算は実際に手を使ってご自身の手でやられることを希望します.そうしない身につきませんから.)
今度は伝送線路がない場合です.今度は自由電子がないので,電流が流れません.しかし,アンペールの法則の式にはマクスウェルが追加した変位電流というものがあり要するに,これは電場の時間変化が電流と等価であるということです.つまりアンテナに電流を流す(電圧をかけるでもいいけど,アンテナ屋さんは電流を流すといいます)とアンテナ近傍に磁場が発生し,この変化がファラデーの法則に従い電場の変化になって現れる.電場が変化するということは前に言った変位電流のことなので,アンペールの法則に従い磁場が発生する.ということを繰り返しながら空間中を電磁場が伝播していきます.(この辺は電磁気学の教科書なら,たいてい書いてあると思います.)
かなり長くなりましたが,ここに書いたことはすべて概念的な話です.実際の計算などはご自身の手でやられることをお勧めします.
お礼
回答ありがとうございました。