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飛び降りしてる人に
もう飛び降りちゃってて数秒後には地面に激突する人を銃で撃ち殺した場合も殺人罪は成立しますか? 拳銃の不法所持の罪は省いて下さい。
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- guizhi04
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まず、この質問は刑法の理論を考えるのにとてもいい問題だといえますね。アカデミックな問題なので、削除はあり得ません。これが削除されるようではこのカテの存在意義が問われますね。 >被害者側の親族が死刑執行のボタンを押した場合も、…。場合によっては無罪とかありえますよね。 残念ながら、この死刑執行の例では、構成要件レベルの議論として無罪はあり得ません。因果関係が有るからです。 (情状酌量は無罪の判決をもたらすことは有りません。情状は有罪であることを前提として、刑を軽くするための事情に過ぎないのです。) さて、ご質問の飛び降りている者を撃ち殺したという事例ですが、これは皆さんお答えの通り、因果関係(とりわけその因果関係の存否の前提となる条件関係)が有るかどうかという問題です。 犯罪は、1)構成要件に該当すること 2)違法であること(正当防衛などの違法性阻却事由がないこと) 3)有責であること(刑事未成年、心神喪失などでないこと) の3つをみたした時に成立します。 因果関係は、1)の構成要件の要素です。 犯罪のうち、犯罪行為により、結果が発生してはじめて(既遂として)成立するものを「結果犯」と言います。 この結果犯が成立するには、実行行為(構成要件が定める結果を発生させる現実的な危険の有る行為)と、構成要件的結果の発生が必要で、さらに実行行為と構成要件的結果の発生の間に因果関係が無ければならないのです。 実行行為(殺害行為)と結果(死亡)の発生があっても、因果関係が無ければ、既遂とはならず、未遂を罰するとの規定がある場合には、未遂罪が成立するに過ぎません。(刑法44条) 因果関係は、その構成要件的結果の事実を、行為者の実行行為に帰属させる役割を持っているのです。 (つまり平たく言うと、死んだのはその犯人のせいだと法的に言えるか?と言う問題ですね。) 因果関係があるかどうかを判断する前提として、条件関係が有ることが必要とされています。逆に言うと、条件関係が無ければ、自動的に因果関係は否定されます。 条件関係とは、「pなければqなし」という関係、つまり「その行為がなかったならば、その結果も発生しなかった」といえる関係です。 条件関係を判断する時の注意点は 1)「行為」と結果の判断において、その「行為」はその事例での現実に行われた実行行為でなければならない (この事例では、その「銃撃行為」について考えなければならないということ。) 2)「結果」は、「その時点において現に発生した具体的」結果でなければならない。(銃撃で死亡したか、激突によって死亡したか、で変わってきますね。) 3)事実を仮定的に付け加えて判断してはいけない。 (これが、死刑執行のケースです。つまり、遺族がボタンを押さなくても、「死刑執行人がその一瞬あとで押して、死刑囚は死んでいたのであるから」、遺族の行為と死亡の結果に条件関係がないと判断してはいけないのです。ご質問の事例もまったく同じです。) 前置きがながくなりましたが、以下に本問を検討してみます。 まず、前提条件を決めましょう。(結論に影響します。) 1)撃たれなくても、地面に激突すれば即死する高さから飛び降りた。 2)銃撃したことにより、即死した。(死亡した状態で地面に激突した。) この場合、条件関係は、「銃撃」をp、「銃撃による即死」をqとして判断します。 「pなければ、qなし」といえますか? 仮定的事実を加えて、銃撃しなくても「数秒後には、地面に激突して死んでいたのであるから」、銃撃と死亡の結果に条件関係がないと判断してはいけません。 「銃撃」されなければ、「銃撃による即死」は無かった。と言えますから、条件関係が肯定されます。 この事例では、被害者の現に発生した死亡の結果につながる原因が銃撃以外にはありませんから、因果関係も肯定されます。 よって、殺人既遂罪(刑法199条)が成立します。 次に、2)の条件を「銃撃したことにより、即死せず、地面に激突した時に即死した。」とかえてみましょう。 この場合はどうでしょうか? この場合は、「銃撃行為」をp、「激突による死亡」をqとして、「pなければ、qなし」といえるか判断します。 すると、撃たなくても、激突時に即死しない、と言えないのですから、条件関係が無いということになりますね。 そうすると、因果関係もないことになります。 因果関係がないということですから、殺人未遂罪(刑法199条、203条)の成立にとどまることになります。
- kame1417
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No.18で「ビルから飛び降りた人を銃で撃ったことは実話」として若干説明したものですが、No.20さんの質問に回答させていただきたいと思います。 質問者さん、本題とは違う回答を記載することをお許しください。 少年が飛び降りた理由は、詳しくは覚えていませんが普通に自殺をはかったものです。家庭内の不和も原因のひとつと考えられます。夫婦喧嘩と少年の飛び降りは直接の関係があるわけではありません。その夫婦は日常的に夫婦喧嘩をしていたようです。この時、いつも奥さんが弾の入っていない銃を持ち出してきて旦那さんに撃つというのがお決まりのパターンだったようです。奥さんにしてみれば「殺したい程憎い」という表現なのだと思います。ただ自分で空砲を撃っていることを知っているように、実際に殺すところまで至っているわけではありませんでした。 この家族は少年が飛び降りたマンションの一室に住んでいました。少年は夫婦喧嘩の際に奥さんが旦那さんに向かって空砲を撃つことを知っていたので、奥さんの知らない間に実弾を込め、もとあった場所に置いておきました。少年としては、奥さんが空砲を撃った瞬間に実弾が発射され父が死ぬことを期待しての行為です。 ある日、少年は自殺を決意します。自分の住んでいるマンションの屋上から飛び降りることにしました。そんなことを知らない家では、夫婦はいつものように喧嘩を始めました。ここで奥さんが銃を持ち出し旦那さんに向かって銃を発砲しました。奥さんは実弾が装填されていることなど知りませんでしたが、弾は旦那さんのわきをかすめて窓を突き破って外に出て行きました。この弾が自殺をはかって落ちていく少年自らの心臓を撃ち抜いたのです。 先に質問者さんが回答されているとおり、マンションの下には工事に伴う防護ネットが張り巡らされていましたので、実際飛び降りただけであれば死ななかっただろうと言われていますが、心臓を打ち抜かれた少年はそのまま絶命したという事件です。
- foetida
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補足します。 因果関係を見るためには結果をこまかくみていくことになっています。この場合はたとえ同じ時間に死んだとしても「銃で死んだ」か「地面に激突して死んだ」かで結果が異なると見るのです。そして死因となった方の因果関係が肯定されます。因果関係が否定されたら未遂罪が成立します。 わかりにくいようですので、具体的事例で… 警察が調べる時点では地面に落ちてぐちゃぐちゃの死体があるわけですね。で、死体を大学の法医学教室なんかに持っていって司法解剖するわけです。そこで死因を特定するわけですね。銃弾によって死んだのか、地面に激突して死んだのかということを、生活反応(生きているときの傷か、死んだ後の傷かわかる)などから推定するわけです。 それで地面に激突していたときは既に銃で撃たれて死んでいたと判断されたとします。すると銃で撃ったという行為と、死んだという結果の因果関係が肯定されて、殺人罪が成立します。もし銃で撃ったけれども地面に激突した時点ではまだ死んでいなくて、激突(つまり飛び降り)が死因だと特定されたとします。 すると銃で撃って殺そうとしたけれども殺すには至らなかったわけで、殺人未遂罪が成立します。
お礼
因果関係って通常では死因よりもその行為がなければ相手が死んでなかったかどうかで判断されるんですよね。 でもこういう複雑なケースの場合は死因が重要になってくるのですね。例え撃って無くても相手は確実に死んでたわけで、そうだとしてもやはりその行為が法で裁かれないわけがないですよね。
- kame1417
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私も刑法を勉強中ですが以前、質問者さんと同じことを質問しました。 その時の結論としては、 ・飛び降りた人の死亡原因が飛び降りによるものであれば、発砲した人には殺人未遂罪が、 ・飛び降りた人の死亡原因が飛び降りによるものでなく、発砲によることが原因であれば殺人罪が それぞれ成立するのではなかろうかという事でした。 あとNo.10さん回答と質問に対する補足ですが、 >>おぼれたりして、素人目に死が明らかでも、緊急措置を取らないと >これは火災時も同じですか?消防車が到着してない段階で窓から助けを >求めてる人をただ見てるだけでも罪になりますか? >痴漢行為を見てみぬフリしてる人も罪に問われたりするのでしょうか。 >すみません。救急車や消防車を呼ぶことは緊急措置に該当しますよね? まず、言葉の確認をしておきますが、積極的に相手を害する行為を「作為犯」と言います。 逆に、何もしない(助けない等)ことで消極的に相手を害する行為を「不作為犯」と言います。 溺れている人や火災で助けを求めている人を助けなかった場合、殺人罪が成立するかどうかですが、これは助ける側の人に「相手を助ける義務があるかどうか」によります。 例えば、自分の息子が溺れている場合、親には自分の子供を監護養育する義務がありますから、もし何もせずに助けなかった場合「不作為の殺人罪」が成立します。同様に母親が自分の乳児にミルクを与えないで餓死させた場合も「不作為の殺人罪」が成立します。 逆に、川で全くの見知らぬ子供が溺れている場合、これを助けなくても殺人罪は成立しません。この場合、世間一般の論理的な責任を問われる事はあっても法律的には責任を問われることはないようです。 また、救急車の件ですが判例によると、交通事故で怪我をさせた相手を放置して救急車を呼ばずに見捨てて死亡(?)させたケースについて、怪我をさせた本人には相手を助ける義務があるとして、放置したことに「不作為の殺人罪」を成立させました。 火災時に助けを求める人を助けなかった場合も上記までと同様に考えればよいのですが、ただ自分の息子が助けを求めていても、火の勢いが強いなど、助ける本人の身にも危険がある場合は、助けなかったことについて不作為犯が成立することはないと思います。個別具体的にはそれぞれのケースについて裁判所での判断になります。 蛇足ですが、質問者さんの述べた「ビルから飛び降りた人を銃で撃ったことは実話」という件ですが、私も知っています。夫婦喧嘩の絶えない夫婦の奥さんが旦那さんを銃で空撃ちするというケースで、通常は弾はなく、いつも奥さんは空撃ちをするだけでしたが、飛び降りた少年が、父親を殺そうと思い、母親の知らないうちに銃に弾を詰めました。その後、母親が父親に銃を撃った時、実弾が発射されましたが、弾は父親をはずれ、たまたま飛び降りた少年の心臓を撃ち抜いてしまったというケースでした。本当にやりきれない事件でしたね。
お礼
過去にも同じ質問があったんですね。 >飛び降りた人の死亡原因が飛び降りによるものでなく、発砲によることが原因であれば殺人罪が・・・ この文章だけだと、直接の死亡原因は銃によるもので飛び降りただけでは死ななかったという意味合いも含まれますよね?その質問に答えた回答者の方々は私の質問のように飛び降りだけでも充分即死していたというのを前提に回答されているのでしょうか? 相手によって助ける義務が生じてくるんですね。誰であろうと、とりあえず私だったら救急車や消防車は呼びますね。全くの他人だったらその状況が自分の落ち度によって引き起こされてものでなければ法的責任がないというのも何だか寂しいですね。 何となく思い出してきました。確かにその母親は空撃ちを普段からしてましたよね。暴発だと勘違いしてました。殺意がなく、しかも自分の愛するわが子を殺してしまったなんて悲しい事件ですね。 そういえば実家のとなりの人が車でバックして駐車している最中に誤ってその本人の愛犬をひき殺してしまった事をふと思い出しました。これもまたやりきれないですね。
- Hossi-
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#16です。再び失礼します。 返信ありがとうございました。 安楽死についてですが、ご指摘いただいた点は判例のことですね。安楽死が殺人罪として立件され、いくつかの判例で安楽死の条件というものが出されています。そこでご指摘の点の条件が掲示されています。しかし、法律で認めるまでには到っていません。判例のうえでは認められているということです。 (有名なところだと東海大学安楽死事件など) 確かに、認められる考えると同じ問題として考えるのに困難が生じますね・・・。 ただ、安楽死は医師の手によるものでなければなりません。正当な医療行為の一部(?)となります。また倫理的に妥当なものである必要もあります。そのてんが違いかもしれません。 傷害・傷害致死は理論上はありうるのですが、現実問題としてはたぶん立件できないので、罪名は殺人罪になる確率が一番高いと思います。(嘱託殺人も証拠が残りうるからありえなくはないですが) 刑法の総論について詳しい本を読んでみると近い事例が出てくると思いますので、その方面の本を少しあたってみるといいと思いますよ。総論だと説明のためなので実際あまりなさそうな事件が載ってたりします。 一般的に殺した人数が一人ではそんなに重い罪にはならないと思います。
お礼
安楽死の件詳しく教えて頂き有難うございます。なるほど判例として認められているんですね。立件が難しいのでしょうかね。 医師の手によってと、殺意あるものが死に至らしめるのとは随分違いますよね、確かに。 やはり殺人罪になる可能性が今のところ高いですね。 >一般的に殺した人数が一人ではそんなに重い罪にならないと思います。 日本ではまだまだ罪が軽いですよね。
- Hossi-
- ベストアンサー率24% (145/584)
こんばんわ。 犯罪(殺人罪も含むすべて)の定義は 「構成要件に該当し違法かつ有責な行為」 ということです。 この話の中では3つの条件すべてが関係していて、#12さんの回答にもありましたが、鋭い質問で非常に興味深いです。違法・有責についてはそのままなので省かせてもらって、構成要件についてです。 以下、私見ですが、 殺人罪があげられていますね。殺人の意思をもって発砲しそれによって死亡の結果が得られたなのなら殺人罪の成立です。ただし、ここでは、すでに数秒後の死亡の可能性が高いことが問題になっています。他の方の回答にもありますが、安楽死・尊厳死といった問題にヒントがあると思います。 この例でどのような状況で飛び降りたのかわかりませんが(故意or過失)、もし、故意であるとしたら自ら死を望んでいるという点で同じです。 この尊厳死や安楽死は現在の日本では法律上認められていません。死期がある程度予測できる人間の死期を早めただけということではなく、短くてもあった寿命を断ち切ったということです。よって、理論上は殺人罪ではないでしょうか? あとは殺そうという意思でなく、たとえば腕を撃ち落とそうとしたなら傷害・傷害致死・死体損壊等が考えられます。本人から飛び降りている最中で撃ってくれと頼まれていたなら嘱託殺人ということも考えられます。 発砲した人に正当防衛や緊急避難(ってありうるのかな?)が認められれば罪になりません。 また、心身喪失や心身耗弱ということがあれば無罪や減刑になります。
お礼
安楽死は本人がそれを望んでて、更にもうすぐ死ぬということもわかってて、肉体的な苦痛や治療法がないとかいくつかの条件に該当する場合は法律上も認められるんじゃなかったですか?それを患者の死後立証することが難しいから認められなかっただけなんですかね。 全く詳しくないんでわかりません。 安楽死がどんな条件が揃っていても認められない場合はそれをヒントに考えると確かに銃で撃ったことにより0コンマ数秒は死期を縮めたことになりますね。 認められている場合は自ら死を選んでいるこという状況は全く一緒になりますね。その上で情状酌量もあり得るのでしょうか?でも殺意があって殺してるわけですからね。混乱してきました。 >たとえば腕を撃ち落とそうとしたなら傷害・傷害致死・死体損壊等が考えられます。本人から飛び降りている最中で撃ってくれと頼まれていたなら嘱託殺人ということも考えられます。 加害者が供述を変えれば全く予想がつかないですね(他の犯罪においてもそうなんですが)でも今回の場合は素直に殺意があったと認めたうえでどれくらいの刑に処されるんでしょうね。 興味深く拝見させて頂きました。
- foetida
- ベストアンサー率22% (48/217)
刑法の教科書ではかなり一般的な事例ですね。 どの教科書を読んでも、因果関係のところで説明されています。#12の方の答えの通りで成立します。 仮に飛び降りた方が突き落とされたとすると、突き落とした人は殺人未遂、撃ち殺した人が殺人罪となります。
お礼
no12さんの回答を少しコピペさせて頂くと >当該犯人の行為がなければ人の死などの結果がなかったといえるかどうかという形で判断します。 これが因果関係ですよね?だとしたらこの件は一般的事例に当てはめるのは難しいんじゃないですか?もちろん殺人罪が成立するということはもうわかりましたが、一般的事例ではないと思います。 >仮に飛び降りた方が突き落とされたとすると これは質問の件とは違いますよね。まだ飛び降りを実行してないわけですし、本人の意思で飛び降りたのかが確認できませんし。
♯11です。蛇足ながら。 殺人罪に問われるのは、殺意があった場合だけです。 殺意があったかないかで量刑が大きく違います。 偶然の事故では殺人にはなりません。
お礼
そうすると殺意があって撃ってるわけですから、たとえその後の解剖で地面にぶつかった衝撃だけで十分死亡してたという結果になっても減刑どころかかなりの刑をくらうことになりますね。 ところでその実際に起こった事件には続きがありまして、実はその少年が飛び降りたマンション下には、工事中でネットが張りめぐらされてあったんです。なので飛び降りただけでは本当は死亡することはなかったんです。なんだかやりきれない事件ですね。
- miboujin
- ベストアンサー率45% (259/572)
#10です。話が脱線してしまってて、スミマセン。 上手くいえなかったのですが、ご質問の状況だけで、殺人罪は成立するかしないか、の判断は無理だと思ったのです。心情が交錯すると思ったのです。 少なくとも、状況判断で殺人罪が成立する、なら、裁判制度は必要ないように思ったのです。 心情がそれぞれ考慮されて罪が成立します。 ただ、殺人罪で捜査される事は必須だと思います。 紛らわしい書き込み、本当にごめんなさい。
お礼
いえいえこちらが謝っていたんです。 確かにいろんな事情によって左右されますよね。 ただ無罪か有罪かといえば今のところ有罪になる可能性のほうが高いですね。 その上で仰るとおりの心情が考慮されて刑が決まると思います。 >紛らわしい書き込み、本当にごめんなさい。 とんでもない。全ての回答者の方々の回答が参考になります。皆さんが陪審員だったら想像すると余計そう思います。
- tombo111
- ベストアンサー率57% (4/7)
非常に鋭い質問です。法律、特に刑法を勉強したことがありますか? このような問題は刑法で仮定的因果経過として論じられる問題です。ご指摘のような事例もそうですが、よく教科書に出てくるのは、今まさに死刑執行のボタンを執行官が押そうとしてるときに、犯人に子供を殺された父親がボタンを押した場合にどうかという問題です。 この問題が論じられるのは、刑法において犯人の行為(実行行為といいます。)と結果(例えば人が死んだ、怪我をしたなど)との間には因果関係がなければならないとされます。このような関係がもしなければ犯人にその行為の結果の責任を問えないからです。そして因果関係の判断方法として、当該犯人の行為がなければ人の死などの結果がなかったといえるかどうかという形で判断します。 ご指摘の事例について上記の判断を当てはめてみると、仮に射殺するという行為がなかったとしてもほとんど間違いなく死という結果は発生した場合といえるので、射殺するという行為との間に因果関係はないともいえるわけです。 しかしこのような事例では、あれなくばこれなしという条件関係を仮定的な事実(多分射殺しなくても死んだだろう)という事実を付け加えて判断すべきでなく、条件関係はより具体的な行為と結果、すなわち銃を撃つという行為と射殺されたという事実で考えるべきという説が今は有力だと思います。このように考えれば先の事例ではいかに数秒後に死ぬ可能性が高いとしても、自分の銃を撃つ行為により死という結果を起こした人間は因果関係ありと判断されることになります。
お礼
妹は勉強してますが私にはそんな知識も脳みそもございません(苦笑) すごく興味があったのは事実ですが。 被害者側の親族が死刑執行のボタンを押した場合も、どうなるのかかなり興味があります。私の質問の件は銃を所持し狙いを定めて撃つという行為がかなり計画的なのに対し、こちらは衝動的にやってしまったということも考えられますし、質問の例よりも情状酌量の余地がありそうですよね。場合によっては無罪とかありえますよね。 何を持ってして因果関係があったかは判断しがたいでしょうね。やはり銃で撃った行為自体が直接の死亡原因になったことは事実ですから殺人罪は成立する可能性がかなり高いんですね。いろいろと勉強になりました。
お礼
よく覚えていらっしゃいましたね。 私も段々思い出してきました。