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ガザの紛争
何で、国連も含めて国際社会は、イギリスに対して、「パレスチナ問題は、すべてお前が悪いんだ。少しくらい問題の解決のために表に立って努力したらどうだ???」と言えないのでしょうか???
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イギリスが三枚舌を使ったのがパレスチナ問題の直接の原因ではあるのですが、じゃあ第二次世界大戦後にこういうことにならずに済んだのかといえば、それはかなり難しくてどのみちこうなったんじゃないかと思います。 ユダヤ人がイスラエルの土地から追放されたのは、ローマ帝国の時代です。だいたい2世紀くらい。だからユダヤ人は2000年近く彼らの本拠地を奪われていたのです。普通は数百年も経てばそういう人たちは現地に同化するものなのですが、ユダヤ人は頑なに彼らの信仰を捨てようとしなかったんですね。 それぞれの民族が「自分たちの民族によって国家を作ろう」となることをナショナリズムっていうのですけれど、人類がそういう価値観を持つようになったのは18世紀くらいになってからなんです。 そしてユダヤ人が「イスラエル(パレスチナ)に戻って自分たちの国家を作ろう」とする運動のことをシオニズム運動というのですが、シオニズム運動が盛んになり始めたのは19世紀になってからです。その運動が具体化するきっかけになったのは、第一次世界大戦中にフランス軍の軍人がユダヤ人だからという理由でスパイであるという冤罪をかけられたドレフュス事件からでした。だから第一次世界大戦が終わった頃から、ユダヤ人は「いつかイスラエル建国」を目指していたのです。 なので第二次世界大戦が終わって中東一帯はイギリスの植民地からそれぞれ独立するとなったら、十中八九「いや待てそこは俺たちの約束の地だ」とユダヤ人が割って入ったと思います。 パレスチナ問題というのは、日本人には理解ができないくらいに解決不可能なややこしい問題です。 そもそもユダヤ人はモーセという人に率いられてエジプトから出て行ったことから始まっています。紀元前13世紀頃のエジプトの王様だったアクエンアテン(イクナートン)が太陽神だけを信仰するようになったのが一神教の始まりといわれています。 そしてモーセ一行がパレスチナの地にやってきたときに、神様は「ここをお前たちに与える」と約束したのです。けれどそこには当然のことながら先住していた人たちがいました。「なんか先に住んでる人たちがいるんですけど、どうすればいいですか?」と聞いたら「ここをお前らにやるっていったんだから、殺しちゃってオッケー」と神様OKが出たので、ユダヤ人は先住民族を追いやって古代イスラエルを建国しました。 そんな経緯で生まれた国ですから、建国からしてもう戦争続きなのです。ユダヤ人とユダヤ人が「異邦人」と呼ぶユダヤ教徒以外の民族との争いはもう何千年もずーっとやってたことなのです。 さらに面倒なことに、エルサレムはイエス・キリストが処刑された場所でもあります。イエスはユダヤ教徒でしたから、ユダヤ教にとって一番大事な神殿があるエルサレムは最も重要な場所でした。 そしてイスラム教の教祖であるムハンマドも、エルサレムで入滅しました。つまりユダヤ教にとってもキリスト教にとってもイスラム教にとってもエルサレムという街は非常に重要な街になってしまったのです。 この地域が一番なんとなく安定していたのは中世にイスラム教徒がこの一帯を支配していた頃で、当時のイスラム国家は税金さえ払えばキリスト教徒がいてもユダヤ教徒がいても構わなかったのです。 中世が終わる頃にカトリックの教皇が強い力を持つようになって「聖地エルサレムをキリスト教徒が取り返すんだ!」と十字軍が起きて戦争になってややこしくなりました。 少なくとも2000年(実際はそれ以上)ずーっと大なり小なり揉めてる場所なので、現生人類による文明が続く限り、ここの場所の揉め事は完全解決することは難しいでしょう。
お礼
ありがとうございました。 今、ふと「すべての道はローマに通じる」という諺を想い出しましたが、「すべての問題はローマ帝国にあり」ということでイタリアにも働いてもらわなければ。にわか勉強です。 それにしても、人間はどこへ行くのでしょうかねぇ。