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遠方に捨てた蟻の運命

ふと疑問に思ったのですが、例えば、クルマの中に蟻が居た場合、恐らく元々生活していた所から数10kmの所で車外に捨てた場合、その単独の蟻は、その後、どのようにして生きて行くものと思われるでしょうか?

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回答No.3

クロオオアリの場合、いわゆる帰巣フェロモンは巣穴から半径10m程度の範囲での非常に近い距離でしか散布しない事が実験などから分かっており。従って数kmどころから100m程度離れただけでも、もうフェロンの匂いを辿って自分達の巣穴に戻る事は非常に困難となります。このため遠距離では専ら「太陽の位置」をたよりに巣まで帰る事になるのですが…これも哺乳類や渡り鳥などが持つ、空間把握能力とは違って非常に簡易的な「光方向感知能力」に過ぎないため、極端な遠距離に放り出されてしまうと事実上、機能しなくなります。 詳しく言うとアリが持つ「太陽の位置を感知する能力」とは、具体的な太陽の高度や光量などを緻密に感知するモノでは無く。ただ単に「自分の左右半身のどちら側から光が当たっていたか」と「その光が何分間くらい当たっていたか」を記憶するだけのモノなので。従って太陽の高度や方位が大きく変化してしまうほどの長時間の移動には、そもそもが対応していないのです。せいぜいが往復で1時間以内の行動を制御するための "簡易ナビ" に過ぎないモノなのです。 具体的には巣穴から出て「行きは右側から光が10分間当たっていた」ので、「帰りは左側から光が10分間当たる様に」歩いて戻って来るだけなのです。で、うろうろしながら巣穴の半径10m以内にまで何とか辿り着ければ、自分や他のアリ達が着けたフェロンの匂いが漂って来ますので。後はそれを頼りに巣穴まで戻るだけなのです。ちなみにアリは目がほとんど見えないので、巣穴の周囲の景色を覚えておくみたいな事は出来ません。明るいか暗いかと匂いだけが頼りです。 ですので仮に1匹の "働きアリ" を数kmも離れた場所まで人為的に移動させてしまった場合、前述の帰巣のための本能システムがほとんど機能せずに、延々と放された場所の近辺をグルグルと歩き回るだけで、元の巣穴へは決して戻る事が出来ません。やがて数日から1週間以内に力尽きて死ぬか、或いはその場所を縄張りとしている他の巣のアリ等に狩られて殺されてしまうでしょう。 また数百mくらいの比較的近距離だったとしても、ポケットの中などに入れて人為的に移動させた場合。やはり前述の「光感知ナビ」が機能しなくなるため、直線距離では数十mくらいの距離であっても、体長1cmにも満たないアリにとっては数百km離れているのと変わらないため、やはり場所を見失ってその場を宛も無くグルグルと回り続けるしかなくなります。その後の運命は前述の通りです。 人為的に移動させた場合、恐らくアリが自力で帰巣出来る距離の限界は100m前後だと思われます。それもかなり幸運に恵まれないと、無事には帰れないでしょう。200m以上、人為的に移動させられたらもう無理だと思います。

tahhzan
質問者

お礼

そうなんですか。自分が窓から逃がした蟻の運命は、ほぼ「死」しか待っていない、という事なんですね。なるほど。自分が座っていたベンチまで持っていくべきだったんでしょうね。可哀想な事をしました。ありがとうございました。凄く勉強になりましたm(_ _)m

その他の回答 (1)

回答No.2

フェロモンや太陽などを目印に自分の巣まで頑張って移動すると思いますが、数十km離れていると戻るのは難しく放浪あるいは途中で…😢かもしれませんね。

tahhzan
質問者

お礼

そうなんですか。という事は、余り遠方に捨ててはダメという事ですね。なるほど。ありがとうございました。

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