第三次世界大戦と呼ぶかどうかはわかりませんが、多くの国や組織が巻き込まれる戦いに進展するリスクはかなり高いと思います。トランプがどこまで状況を冷静に見て自制するかどうかですが、イランがスレイマニ司令官殺害の報復を続け、アメリカの軍人や市民に危害が及ぶまでやめないとなると、トランプが今日の米軍基地へのミサイル攻撃に対して報復を踏みとどまったとしても、我慢できなくなる時が来るかも知れないと思います。EU、日本、ロシア、中国はトランプとハメネイ師をとめるべきだと思います。今でも中東には様々な遺恨や憎悪が複雑な連鎖としてう巻いていますが、全面戦争になれば、どう言う決着をしても憎悪はその後何十年も残ります。
現在でも、アメリカはアフガニスタンでタリバンと戦争を続けているし、イスラエルとレバノンのヒズボラやシリア領土内の親イラン民兵との間では完結的な攻撃が相互に行われています。サウジアラビアとイランも緊張は続いていて、イランの支援を受け、サウジアラビアと敵対するイエメンのフーシ派はイランの代理でサウジの石油パイプラインの攻撃をしたりしています。シリアはアメリカの失策もあり、ロシアが支援するアサド政権にほぼ制圧されているし、イラクはすっかり反米に傾いてしまい、米軍の撤退を要求している。トルコはNATOの一員とは言え、最近はロシアからの武器輸入でアメリカとの関係が悪化している。しかも、アメリカに憎悪を持つアルカイダやISは完全に死滅したわけでは無く、シナイ半島やアラビア半島に分散して残っていて、アメリカとイランの対立をチャンスとして見ていると思います。そう言う事情の中で局地戦になるとアメリカは不利です。どこから誰に攻撃され、誰に反撃して良いかもわからない。となると、サウジアラビアやUAEなど湾岸諸国にある米軍基地からイランに直接攻撃を仕掛けたいところでしょうが、そうなったら歯止めが利かず中東全域で世界大戦と呼ぶに相応しい戦争になると思います。そうならないために各国とも真剣に動くべきだと思います。
日本は憲法や法制上この戦争に参加することはできません。ただ、邦人保護の名目でのアメリカ軍の後方支援に駆り出される可能性は高いと思います。石油を中東からの輸入に頼る日本は、石油の備蓄が6-7ヶ月分ありますが、大戦にならなくても戦闘が広がれば石油が入らなくなるでしょう。一番輸入量の多い、サウジアラビアの主要な油田は、ペルシャ湾側に集中していて、イランが簡単に封鎖できるホルムズ海峡を通って輸入されます。サウジの逆側、紅海側から輸入するにも、昨年イエメンのフーシ派が行った様に、石油パイプラインを破壊されてしまうとどうしようもありません。これまでずっと石油や化石燃料に頼って来たつけとも言えますが、ガソリン車の走行自体大胆に規制するなりしないとどうしようもないです。経済的にも大打撃でしょう。せめて東京オりパラくらい乗り切って欲しいです。