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沈丁花の雌株の購入と雄株の必要性
- 沈丁花の雌株を売っているサイトで購入手続きをしましたが、雄株を近くに置く必要があるのかどうか疑問に思っています。
- 沈丁花の大半は雄株に限られていると聞いていますが、雄株を近くに置かなくても実が成るのでしょうか。
- 沈丁花の雌株に実を成らせるためには、雄株が必要なのか、それとも自然の風に任せておけばいいのか知りたいです。
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沈丁花は虫媒花ですので、雌株・雄株同士ができるだけ近くに有った方がより受粉率があがります。また雄株の花数が多いほど雌株にも多く実が付けますから、離れた場所に植えてある他所のお宅の沈丁花の花粉までは期待せず、ご自分の家の雄株の傍に置く方が確実に受粉し実が成ります。もし雌株の方が雄株より結構大きい場合だと初めての年の実の成りが少ないかもしれませんが購入した雌株が移植されてから1~2年は株が弱らない様に沢山の実を成らせない方が良いのでかえってそれで良いかと思います。 そもそも花の香りが良く強く香るものの多くは虫媒花で、雄株の花粉を雌株の雌蕊へ効率よく虫に運んでもらうために香りを漂わせ虫を花に誘います。 日本には沈丁花の自生(野生)はありませんが、分類的に仲間にあたるオニシバリやナニワズと言う黄色から緑っぽい花を咲かせる小低木があります。沈丁花ほどしっかりした木ではなく細くて葉も少なくしかも夏には葉が落ちるので草に紛れれば分かりにくい存在ではありますが春の木がまだ芽吹かず草も生えない頃に何輪か開花する小さな花は株が多いと辺りに良い香りを漂わせ、まだ他の咲いている花が少なく探すのに苦労している虫を誘導しています。 私が若い頃見た全く別の自生地2か所での原生林内にあった大群生の自生状況は、雌株と雄株が混じって群生を成す事が多かったと記憶しています。 雌株と雄株を揃えて受粉させる目的がある様ですから、いずれは種子蒔きからの増殖(実生苗木を作る)をお考えであるのだと思います。 従来の花にない特徴をお望みでの交配なら問題ないのですが、雌株の花色を確認の上で購入なさっていないのであれば雌株と雄株の花の色あいが違っている事も有り得ます。受粉して出来た種子から育つ木は将来どんな花の色あい(色の濃淡など)で咲くかが分からず、雌株の花色・雄株それぞれの色で咲くものの他に、少し別の色の混じった花色や白い花などが出る事も有り得ます。 もし特定の花色の木を若い木で残したい場合だと種子から育つ木はできるだけ多く育て花が咲くまで何年か育てて、初花は本来の色で咲かない可能性も考慮し初花確認の翌年の開花でその株の花色確認が必要となります。 少なくとも10株以上は開花させないと希望の花色が咲かない場合もあり、苗木に成る前に途中で枯れてしまう可能性も考えれば苗木は少なくとも15~20株くらいは育てなければならないでしょうが、栽培するスペースを充分に確保できますか。 どんな花色で咲いても気にしない、又は貰い手は確保出来たり苗木など販売するご商売など、苗木のうちに途中で手放す予定であれば花色など気にせず多く残す事も無くそれほど広い場所も必要ありませんが、挿し木や接ぎ木での増殖と違って種子を蒔いての実生増殖は苗木に育つまで更に3~4年余計にかかる事も多く、花を確認するまでは結構年月がかかります。苗木の時期を過ぎれば結構大きめの鉢に植え替えないと成らず、欲しい花色があるなら少なくとも10株の大きめの鉢での栽培と成り、手入れしやすいように人が通る隙間を開けて置くには結構なスペースが必要で鉢増しなどの植え替え作業も適した土を沢山用意したり、鉢から抜いたり植え替えたりと大変・・・。もし新たに若い木を増やす目的であるのなら、実生で育つ木の成長は遅い事を今のうちから御覚悟なさって下さい。 特に沈丁花は植え替えすると根が弱り易く枯らしてしまう事も珍しくないと聞きますから沈丁花の種子からの栽培だと最初から30以上発芽できる様に、まずは大量の種子蒔き(種子が休眠してしまいすぐには芽が出ないものも有りますので、発芽・育苗予定数の3~4倍量の種子蒔きが必要)になるかもしれません・・・。 私は実生で木を育て苗木に育てた経験があるので、その大変さを実際目にして実感しています。 私の居た高校は地元の名物である野生種の桜の古木から種子を拾い育てて苗木育て学校行事や部活などの大きな大会などで遠方からいらした役員など来賓があれば学校から記念品として贈呈していました。普通の桜の苗木は接ぎ木から育てるので苗木に成る年数は短いのですが、自生地から拾ってきた種子の芽生えから成長が始まる育苗は手間も人手も年数も余計にかかり、毎日の管理は寮の管理人さんが行っていましたが人手が必要な作業には高校のボランティア部も借りだされ放課後に手伝いに行ってました。種子を蒔いたものが学生生活の3年間だけでは苗木にまでは育たず、早くても5~6年ほどはかかって人の背丈ほどの高さに育った物から順に差し上げ、来賓の少ない年に余った苗木は市に寄付し山の平らな土地へ植樹してもらっていたので苗木から先は私たちの手から離れていたので、桜の野生種の自生地斜面での種子拾いよりも大変な作業まではせずに済みました。当時育てていた苗木を山に植樹した場所は植えた当時は山の森の中でしたが30年以上経った今では広大な公園に変わり新たな桜の名所となって交通の便も良くなり充分な広さがあるので春のお花見には地域の多くの方々に楽しんでもらえているそうです。
お礼
ありがとうございました。前半に完結明瞭にご説明いただいた上に、さらに詳しい情報までお答えいただき本当に助かりました。しかし自宅の庭が狭いので、本格的な繁殖は今のところはあまり考えておらず、珍しいから買ってみたというのが実情です。我が家では沈丁花を鉢植え栽培しておりましたが、過去には何度も夏を越せずに失敗を繰り返しました。やっと定着したのですが、ネット情報では寿命の目安とされている10年目で枯らしてしまいました。今回いただいた回答を参考にやってみたいと思います。