40年前に、大学の物理学科の学生だったころ、量子力学の講義で、水素分子の共有結合の計算で、
水素分子の中の2つの電子のスピンが両方とも1/2の場合は、それぞれの電子の波動関数が打ち消しあってゼロになってしまう。波動関数がゼロになると物質が消滅することになり、これはエネルギー保存則から許されないので、電子同士が反発しあうことになる。これがパウリの排他原理だ。
と言うことを習いました。
さらに、電子のスピンが1であったとすると、波動関数はゼロにはならない。ということは、電子が同じ空間に重なり合って存在することができることになる。これがマクロな規模で生じたものがボーズ・アインシュタイン凝縮であるのだけれど、実際の電子はスピンが1/2であるため、ボーズ・アインシュタイン凝縮は生じない。ところが、2個の電子がペアになると、スピンが1の粒子として振舞うことができる。すると、電子のペアは他の電子のペアと同じ空間を重なり合って存在できることになる。
満員電車から降りて改作口へ向かう時、大勢の人ごみに押されてしまい、前へ進もうと思っても、なかなか前へ進めません。もしも人間が他の人間とぶつかり合わずに同一空間に重なって存在することができたら、ぶつかり合わずに他の人の体の中を通り抜けることができたら、ラッシュ時でもすいすいと前へ行けると思いませんか?
電子がペアを作って、スピンが1の粒子として振舞うことにより、他の電子のペアとぶつかり合わず、他の電子ペアを通り抜けることができるようになると、電子ペアは何の抵抗もなく動くことができます。これが超伝導です。
超伝導は2つの電子がペアを作ることによって生じる現象です。極低温によって生じるのではありません。温度が高いと電子のペアが壊されてしまうため、超伝導が生じなくなるのです。温度が高くても電子のぺが壊されないような条件があれば、超伝導は生じます。
極低温が超伝導の原因ではありません。
>極低温の理論に矛盾はないのでしょうか?
「極低温の理論」とはいったい何を指すのでしょうか?
熱による分子の運動によりかき消されて見えなくなっていた現象が、温度を下げることによって見えるようになります。これはそれぞれの現象の理論によるものであって、温度そのものに関する「極低温の理論」によるものではありません。
そもそも「極低温の理論」などというものは存在しません。
お礼
ご回答有難う御座います。 >超伝導は2つの電子がペアを作ることによって生じる現象です。 ということは、電子1個だけでは、超伝導は発生しないのでしょうか? 電子1個だけで、超伝導の実験は出来ないのでしょうか? 最近の技術なら可能な気がします。それで、1個だけでも、超伝導は起きそうな気がします。 >電子ペアは何の抵抗もなく動くことができます。これが超伝導です。 この内容では、まあまあ簡単な方程式で表されそうな雰囲気です。 式は、どんな感じなのでしょうか? >「極低温の理論」とはいったい何を指すのでしょうか? すいません。BCS理論のことです。 BCS理論?って、0度近い温度で、説明する理論のはずですが、零下20度ぐらいの温度でも起きるものについても、BCS理論で説明出来るのでしょうか?
補足
超流動という現象がありますが、これは重力場が消えるので、物質が上に登ってくるのでしょうね。私はそのように考えます。如何でしょうか?