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請求権を放棄した日本に北方領土を要求する権利はない

リクエスト質問、失礼させていただきます。 他サイトの話ですけど、北方領土問題について >日本はサンフランシスコ平和条約で国後・択捉を放棄していることもさることながら 、日ソ共同宣言で1945年8月9日以降の戦争の結果生じたすべての請求権を放棄しています。 (事実により引用URLの引用は省略します) →という主張をされている方がいらっしゃいます。 この主張は国際法という視点からみて妥当なものでしょうか? ご意見、よろしくお願いいたします。 追記 特定の方へのリクエスト質問ですけど、国際法に明るい他の方のご意見も歓迎します。

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  • mamatoton
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回答No.5

こんにちわ。 >日本はサンフランシスコ平和条約で国後・択捉を放棄していることもさることながら 、日ソ共同宣言で1945年8月9日以降の戦争の結果生じたすべての請求権を放棄しています。 論点は二つに分かれています。 一つは「日本はサンフランシスコ平和条約で国後・択捉を放棄している」という論点。 もう一つは「日ソ共同宣言で1945年8月9日以降の戦争の結果生じたすべての請求権を放棄しています」という論点です。 一つは「日本はサンフランシスコ平和条約で国後・択捉を放棄している」という論点。 これを政治的力学とか歴史的解釈などを除外した純粋に国際法のお話とするなら、かなり無理をしている主張です。 少なくとも「日本の主張は国際法的に認められない」と決めつけることはできません。 この点については(引用元URLの)shpfiveさんの指摘通りかと思います。 例えば日本ただ一国が「この条文がこのように解釈される」という政府の見解を示していても、それがそのまま「条約解釈の結論」となるわけではありません。 条文を非常識までにねじ曲げて「解釈」するということも可能ですから、条文の解釈に問題が提起されるなら「条約解釈」というプロセスを経て結論が出す必要があるわけです。 そして条約解釈は大きく分けて「主観的解釈」「客観的解釈」「目的論的解釈」があるわけで、「主観的解釈」においては条約起草者の意図は極めて重要な証拠として採用されます。 ご存じ条約法条約31条や32条がそれを規定しているわけです。 ただ「条約に関連する様々な証拠」から条約解釈に関連する物を「仕分け」する必要があります。 例えば32条の場合、証拠を提出されても「本当にそれが条約起草者の意図なのか?」という疑問が提起されます。その「仕分け(より強い証拠)」の基準となるのが「政府内の証拠」なのか「対外的に国家の意思として表明された証拠」なのかは大きなポイントになります。 北方領土(国後・択捉・歯舞・色丹)に対するアメリカ政府の見解ですが、これは「政府内文書」と「対外的文書」の両方が存在します。 例えば「1956年9月3日付け極東担当国務次官(ロバートソン)発国務長官宛てメモ(Memorandum From the Assistant Secretary of State for Far Eastern Affairs (Robertson) to the Secretary of State)」を持ち出して、「条約起草者の意図としてのアメリカの見解としては、国後と択捉は千島列島の一部ではないということは難しい」と主張する人も居るかもしれません。 ところがSF条約発効直後の1954年、アメリカ政府がICJへ送った書簡(1954年9月25日、アメリカ政府がソ連政府をICJに一方的付託を行ったときの訴状に含まれる書簡)において 「1945年2月11日の日本に関するヤルタ協定はいかなる日本領土における法的権原をもソ連邦に移譲する効力を持つ様には意図されたものではなかったし、又そうした効力をもってもいなかったということ、特に、日本に関するヤルタ協定も1951年9月8日サンフランシスコで調印された対日平和条約も歯舞群島におけるいかなる権原をもソ連邦へ移譲しなかったしこれら諸島における日本の権原を縮少せしめたものではなく、且つ、これらの文書における「千島列島」という字句は、従来常に日本本土の一部であったものであり従って正義上日本の主権下にあるものと認められるべき歯舞群島、色丹島又は国後島、択捉島を含んでもなければ含むように意図されもしかなかったということ」 を言明しています(この立場はアメリカ政府がソ連政府送った書簡、1957年5月23日付け通牒で繰り返し伝えているwww8.cao.go.jp/hoppo/shiryou/pdf/gaikou15.pdf)。 アメリカ政府は1954年と1957年に「対外的文書」を送付して合衆国政府として見解を表明しているわけですが、これと「1956年の政府内意見」のどちらが「条約起草者の意図」として判断されるのか、ということです。 一目瞭然ですね。 次に「日ソ共同宣言で1945年8月9日以降の戦争の結果生じたすべての請求権を放棄しています」ですが、これを北方領土に関連付けて結論するのは「お粗末」としか言い様がありません。 たしかに「日ソ共同宣言で1945年8月9日以降の戦争の結果生じたすべての請求権を放棄している」というのは事実です。 でも北方領土についてはどうでしょうか? この北方領土については両国は「合意」しています(条約法条約31条に該当)。 「日本国政府全権委員からソヴィエト連邦第一外務次官にあてた書簡(1956 年 9 月 29 日)」 「 (略) 前記鳩山総理大臣の書簡に明らかにせられたとおり、日本国政府は、現在は、平和条約を締結することなく、日ソ関係の正常化に関し、モスクワにて交渉に入る用意がある次第でありますが、この交渉の結果外交関係が再開せられた後といえども、日本国政府は、日ソ両国の関係が、領土問題をも含む正式の平和条約の基礎の下に、より確固たるものに発展することがきわめて望ましいものであると考える次第であります。 これに関連して、日本国政府は、領土問題を含む平和条約締結に関する交渉は両国間の正常な外交関係の再開後に継続せられるものと了解するものであります。 」 上記書簡に対する返信、「ソヴィエト連邦第一外務次官から日本国政府全権委員にあてた書簡(1956 年 9 月 29 日)」 「 (略) これに関連して本次官は、ソヴィエト社会主義共和国連邦政府の委任により、次のとおり申し述べる光栄を有します。すなわち、ソヴィエト政府は、前記の日本国政府の見解を了承し、両国間の正常な外交関係が再開された後、領土問題をも含む平和条約締結に関する交渉を継続することに同意することを言明します。 」 これもまた「一目瞭然」。 日ソ共同宣言で北方領土問題は先送りされました。これは北方領土問題について多少なりとも知っているなら「常識」の範疇なのですが...(苦笑) 結論として 「 >日本はサンフランシスコ平和条約で国後・択捉を放棄していることもさることながら 、日ソ共同宣言で1945年8月9日以降の戦争の結果生じたすべての請求権を放棄しています。 」 というのは、国際法的に大変に無理がある主張としか言い様がありません。 個人的感想としては、 法は「事実から結論を導き出す」のであって、「結論から事実を推測」するのではありません。

shpfive
質問者

お礼

ご回答いただき、ありがとうございます。 諸般の事情により返信が遅れました。 >法は「事実から結論を導き出す」のであって、「結論から事実を推測」するのではありません。 →私自身、北方領土問題について「日本側の主張にクレームをつける日本人」と呼ぶべき方々と何度か言い争いになったことがありますけど そういう人たちを見ていると、まず「日本側の主張は間違っているという結論から逆算して、自身の意見を組み立てているように感じられます」。 要は「はじめに結論ありき」なんです。 「推定無罪」というか、客観的に物を見ることが出来ない人たちであるように思われます。 日ソ両国の「合意」を無視して、「日本は請求権を放棄したのだから、北方領土についても請求権がない」などというのは 日ソ(日露)両国の領土問題が国際法に基づく解決がなされていないのを強引に無視したトンデモである、と私自身は受け取っています。  それを、あえて再確認してみたかったので わざわざリクエストという形で質問させていただきました。 ありがとうございます。

shpfive
質問者

補足

ご回答、ありがとうございました。 いつの日か、我が国がなぜ、ロシアに対して「国際司法裁判所への付託」を言わなくなったのか? についてのお考えをうかがってみたいな、と思っています。

その他の回答 (5)

  • koncha108
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回答No.6

サンフランシスコ平和条約で、日本は戦前に併合、割譲、占領によって得た領土を放棄することが記されていて、その中に南樺太と千島列島が明記されています。これによって、日本は南樺太と千島列島を朝鮮半島、台湾島などと同時に放棄しています。 放棄したこと=他国の領土に組み入れられることとは別で、ソ連はサンフランシスコ平和条約に参加せず、署名もしていないことからその時点で南樺太と千島列島がソ連の領土に組み入れられる国際的な承認は得ておらず、日本政府の公式な見解は南樺太、千島列島(北方領土を含まない)は、帰属未定と言うことになっています。https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hoppo/topic.html 日本がポツダム宣言を受け入れる前、戦争末期にアメリカ、ソ連が結んだヤルタ密約では、ソ連に対日参戦に参加を促すとともに、日本が放棄した北方の島々をソ連に帰属させることが約束されました。ところがソ連がその後ヤルタ会談で交わされた約束をいくつか守らなかったことにより、アメリカは約束が無効であるとしています。しかしながら南樺太と千島列島はソ連の実効支配の現状を踏まえてソ連とそれを継承したロシア領であることはアメリカも認めています。 しかし、日本は国後島、択捉島、色丹島、および歯舞諸島のいわゆる北方4島は歴史的にも日本人(アイヌ民族)が暮らし、過去ソ連の侵略を受けるまでは一度も他国の領土であったことがないことから、日本固有の領土で、サンフランシスコ条約で放棄した領土に含まれないとしています。またそう言った理由から、これらの島々は千島列島(クリル列島)に含まれ無いとしています。 この主張は地図で見ると一見屁理屈の様にも思えますが、かつて日本がロシアと結んだ千島・樺太交換条約では、もともと日本の固有の領土であった北方4島が交換の対象ではなかったことからして、地理的ではなく歴史的な定義としては妥当性があると思います。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%BA%E5%A4%AA%E3%83%BB%E5%8D%83%E5%B3%B6%E4%BA%A4%E6%8F%9B%E6%9D%A1%E7%B4%84 ではヤルタ密約やサンフランシスコ平和条約で事実上リーダーシップを取っていたアメリカがどう考えているかと言うと、アメリカ国務省は千島列島、樺太はロシア領と認識していますが、北方領土は地図上は日本にしています。少し前に別の国務省のサイトで見た時にはロシアとの領土紛争地域としてあったので、解釈を変えたのか複数あるのかわかりませんが、少なくともロシアの領土とは認めていません。 北方4島を日本が日本固有の領土として返還要求をすることは極めて妥当です。 国際法に関しては、紛争当事国が国際司法裁判所に共同で付託した時のみ審理を行いますが、ロシアが共同付託に合意するとは思えず、可能性は限りなく低いです。たらればで共同付託されたとした場合、単純に歴史的な背景だけでなく、現在の住民の状況や両国がこれまでどう言う対応を取ってきたのかも含めて審理されます。いかにソ連による占領が不当で、日本が放置せずに取り戻そうとしてきたかも問われると思います。近年ロシアが事実上一方的に併合したウクライナのクリミア半島ですら、返還議論が進む気配もありませんから、それに比べて国際的な注目度は非常に低く、あるとしたら日米同盟対ロシアの北太平洋での安全保障上の観点だと思います。 実際、かつて日本がソ連と締結しようとした平和条約の交渉過程では、ほぼ歯舞・色丹諸島の2島返還で纏まりかけていたものを、アメリカが断固4島返還にこだわる様日本を恐喝し(ダレスの恐喝。ただし、本当にダレスが恐喝した事実に関しては異論がある)結果まとまらなかったと言われています。これは、国際法上の妥当性や現実的な妥協と言うよりは、当時アメリカや西側諸国の大きな懸念だったソ連と共産主義諸国の対等に対する牽制によるもので、結局のところ国際的な対立の中の陣取り合戦に巻き込まれたまま現在に至っていると言うことです。 そう言う国際的な対立に関わる問題では国際法と言っても中立的な立場は取れないし、ロシアは北方領土を返さない大きな理由として(言い訳と思いますが)、日米同盟をあげています。

  • roadhead
  • ベストアンサー率22% (852/3790)
回答No.4

放棄したのは樺太だけです。 北方領土は1つも手放していません。

  • dragon-man
  • ベストアンサー率19% (2711/13692)
回答No.3

まったく妥当ではありません。条約を曲解、もしくはねじ曲げています。 サンフランシスコ平和条約はソ連など共産国以外の西側諸国だけと取り交わした条約です。当時(も今も)ソ連に占領されていた国後択捉の帰属が条約に含まれるわけがありません。(北方四島以外の千島列島の放棄は含まれている) 1956年の日ソ共同宣言は、日ソ両国の国交回復のために、とりあえず歯舞色丹の二島返還を前提に平和条約の交渉をすると言う合意であって、宣言には双方の戦争被害の請求権の放棄はうたっていますが、領土(国後択捉)を放棄したわけではありません。 竹島、尖閣もそうですが、日本国内にこういう意図的な不見識があるから領土問題交渉が難しくなるのです。日本人として大いに反省しましょう。領土問題は頭の体操のオモチャではありません。

  • Broner
  • ベストアンサー率23% (129/554)
回答No.2

 ロシアにとって、とても僻地なんだから、日本が、断交すれば、引き上げるだろ。  ロシアは、あまりに遠方で移送料が高すぎ、日本との物資の交流を望んでいるから。 日本が、領有しても、僻地手当が必要な地域、価値がない。

  • hahaha8635
  • ベストアンサー率22% (800/3610)
回答No.1

日本語の不自由なひと https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E3%82%BD%E5%85%B1%E5%90%8C%E5%AE%A3%E8%A8%80 日ソ両国は 一九四五年八月九日以来の 戦争の結果として生じたそれぞれの国、 その団体及び 国民のそれぞれ他方の国、 その団体及び国民に対する すべての請求権を、相互に、放棄する。 ソ連は1945年 以前にできた国で ロシアも 戦争の結果生じた国ではない ので放棄しない