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輻射熱の影響:熱い製鉄所での樹脂の耐熱性は?
- 熱い製鉄所での樹脂の耐熱性について知りたいです。製鉄所の温度は1000℃〜1500℃で、樹脂の温度は80℃です。
- 条件が無風で、外気温は30℃です。もしも樹脂が製鉄所の熱影響を受けるとしたら、この条件下で溶ける可能性はあるでしょうか?
- 実験できないため、計算での回答をお願いします。発生源は点状です。
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放射エネルギーは,シュテファン=ボルツマンの法則によって計算 できます。問題のポリエステル樹脂の方からみた鉄塊の表面積が1m2とし, その温度が1500℃とすると,560kW程度の放射エネルギーがあります。 8m離れた場所には,1m2当たり2785W程度のエネルギーが到達します。 ポリエステル樹脂に到達した放射エネルギーは,ポリエステル樹脂の温度を 上昇させ,ポリエステル板自体の温度上昇による対流と放射による放熱がバ ランスするするまで温度が上がります。 物体の表面の熱伝達係数は放射と対流合わせて14W/m2Kです。ポリエステル 樹脂が板状として表裏両面から放熱すると考えると,熱伝達係数は片面の 面積当たり28W/m2Kと程度と見積もることができます。 ポリエステル板の温度上昇は,2785W/m2を28W/m2Kで割ることで求められ, この条件下では約100Kの温度上昇になります。周囲温度が30℃とすれば, ポリエステル板の温度は約130℃になりますので,耐熱温度を大きく超過す る結果となります。 ご注意いただきたいのは,高温の鉄塊の表面積です。温度が同じでも見かけ の表面積が1/10であれば,放射量も1/10になりますので,温度上昇は10K程度 であり,ポリエステル樹脂は温度的に問題ないと考えられます。 なお,高温の鉄塊の周囲も1000℃には達していなくても周囲温度の30℃より 高温部分が広がっているでしょうから,この部分からの放射もポリエステル 樹脂の温度上昇に寄与することを加算して考える必要があります。 >発生源は点状でお願いします。 距離8mに対して,高温物体が十分に小さいという近似が成り立つ場合, 到達するエネルギーは距離の2乗に反比例するという意味と捉えました。 先に記載したとおり,高温源の大きさ(表面積)は,今回のご質問を扱う のに重要なファクターであり,無視することはできません。 豆電球(消費電力1W程度)のフィラメントの温度は2000℃程度に達して いて温度の応じた放射がありますが,8m離れた場所に到達する放射エネ ルギーはほんの僅かであって,その場所に置かれたものの温度上昇を心配 することはありません。こんな例で,直感的に理解頂けるでしょうか。
その他の回答 (1)
溶けるかどうかの判断ならば数時間程度、その環境に被物をさらせば判断できるでしょう しかし溶けなかったとしても数ヶ月単位で経緯観察した場合、変形や熱劣化の影響がないとは言えません。 また、数理的に判断しようした場合、熱源1500℃、距離は一定としても発生源が点状、線状、面状で被物が受ける熱影響は大きく異なります。 発生源、被物、距離の関係は光、音も同じです。後はご自身で調べて下さい。
お礼
ご丁寧な回答ありがとうございます。 一番、最後の例はフィラメントの表面積が小さいからですね? 助かりました。 良回答の模範だと思います。