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はんだ食われと拡散の違いとは?
- はんだ食われとは、はんだ中の金や銅が溶け出す現象です。
- 一方、拡散ははんだ中の金や銅が溶け出すことを指します。
- はんだ食われと拡散は、はんだ接続の世界でよく使われる言葉です。
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教科書的な定義と業界用語では微妙に違うのかもしれませんが・・ 「拡散」というのは熱振動で原子が移動して混ざり合うことですよね。 これは電極母材が溶融はんだに溶け出すだけでなく、はんだが電極に 「染み込む」方向もあります。固体同士の接触面でも起きます。 あくまで原子レベルのスケールでの移動です。 さて、拡散が起きた結果、合金層が形成されるわけですが、この層は もとの電極母材よりも融点が低いのではんだ付け程度の温度でも 融解してしまい溶融はんだ中に流出してしまう、と、 ↓ 新しい金属面が露出する ↓ そこがまた合金化する ↓ 融点が下がって溶け出す を繰り返しはじめます。これが起きると先に述べた「拡散」よりもはるかに 速いスピードで母材金属が痩せていきます。これがここで言われている 「食われ」ではないでしょうか? それでよろしいと思います。
そうですね拡散という物理現象は同じでもその形態がちょっと違いますね。拡散はマスとしての物質の移動を伴いませんが「はんだ食われと」 という場合は溶融はんだに拡散した銅などの金属が溶融半田と共に持ち去られてしまう現象です。
お礼
ご回答ありがとうございました。 拡散=合金というイメージがあるのですが、銅などの金属が溶融ハンダに持ち去られてしまう=Sn/Cuの合金層ができるという考えはあっていますでしょうか?
「くわれ」も、母材がはんだの中に「拡散」した結果発生する現象なので同じ現象です。拡散というのは、はんだの中に他の金属が溶解していく現象ですが、現実的にはその温度における溶解度限界で止まってしまいます。 逆に言えば溶解度限界以下の金属量までは少量の金属部分、例えばチップ部品の電極、あるいはプリント配線版のスルーホール部エッジ部分やパッド・ランド部の端部などは、240~250℃のはんだ付け温度であってもどんどんはんだの中に溶け出し(拡散し)、極端な場合は消滅してしまう「くわれ」という現象に発展します。 はんだ継ぎ手のような微細現象だけでなく、鉛フリーなんかの場合は、はんだ槽そのもの(例えばSUS304製などであれば)がはんだくわれによって槽そのものに穴あきが発生しています。(この現象は一般的にエロ-ジョンと呼ばれていますが、私は結果的にくわれ現象だと認識しています) 単位面積ではなく単位体積ですが、 >異種金属が溶融できる割合のような感じでしょうか?? と理解して良いと思います。 ただ、広義の拡散の話は識者の方に譲り、はんだ付けのことに限定して話をします。 まず、はんだ付けの場合「一定温度に管理されたはんだ浴」の中で起こる現象として話が始まります。 そこで、溶解度限界についてですが、各種金属のはんだへの溶解速度を調査した文献などもあり、それを見ると(一定温度の)はんだ中にその金属が溶解していくと溶解速度はどんどん小さくなり最終的には平衡状態になることがわかります。この状態を溶解度限界というようです。 溶解する金属によっては、平衡状態になるずっと前に「はんだ付け性」を阻害することになるので、生産現場ではそのような状態になることはあり得ませんが・・・ その流れで「食われ」について言うと、前述の(C、R等の)チップ電極やプリント配線版の銅は、一般的なはんだ付け条件(例えば250℃×5S程度)では「食われてその金属が全てはんだ浴の中に溶解してしまう」ようなことはめったにありませんが、温度が異常に高い、はんだ付け時間が長い、何度もはんだに接触する・・などの場合は簡単に「食われ」現象が発生します。 Sn-Pbはんだの場合AuやAgの溶解速度を抑制するためにAgを添加したりすることもありますし、Sn-Ag-Cu系のPbフリーはんだでCu食われを抑制するのにCuの含有率の多いものを選定したりします。
お礼
勉強不足で申し訳ございませんが、差し支えなければ溶解度限界について 詳しく教えて頂けないでしょうか。 ある単位面積当たりの金属の中に、異種金属が溶融できる割合のような感じでしょうか??
お礼
たいへん勉強になりました。 はんだ付けの場合、はんだ融点以上の温度が長すぎるとはんだ食われになりすいという理解でよろしいでしょうか??