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ハイジャックされることは不法行為にあたるのですか?
2001年の米同時多発テロの際、飛行機の突入攻撃を受けたニューヨークの世界貿易センターの不動産業者がアメリカン航空とユナイテッド航空を相手取って起こした訴訟で、両航空会社が9510万ドル(約106億5000万円)を支払って和解することで合意したというニュースを見ました。 アルカイダやビンラディンが訴えられるのなら判りますが、被害者でもある航空会社が訴えられるというのは理解できません。航空会社には故意や過失があるとは思えませんが、ひょっとしてハイジャックされたことが不法行為に当たるのでしょうか。
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「ハイジャックされたこと」自体が、保安体制に不備があったと考えての損害賠償請求訴訟でしょう。 刑事事件ではなく、民事訴訟ですからどんな理由でも訴えることができるのです。訴訟大国らしい事案ともいえますが。 不動産業者はビルが航空機によって破壊されたことによって「損害」が生じました。不動産業者は(操縦者は誰であったにせよ)航空会社の持ち物である航空機によって生じた損害だから、これを賠償せよという訴訟を起こしたわけです。要するに所有者もしくは運航責任者の責任を問うたわけです。 ハイジャックされた、ということは航空機を運航する前提条件である「危険物を持ち込ませない」という原則を破られたことになります。つまり、保安体制に不備があったことになります。 この保安体制がより強固であったならば、犯人となりえる人物を搭乗させなければ損害は生じなかったでしょうということです。 バスやタクシー、鉄道とは異なって、航空機の搭乗前の事前検査は強固であることが知られていますから「ハイジャック犯が危険物を持ち込むことを阻止できなかった責任」を取らせたわけです。 ハイジャックされたことがすなわち何か法律に違反していたわけではありません。安全配慮の観点が欠落して「結果として」大きな損害をもたらしたから責任取れと言ったわけですね。和解したということは航空会社はある程度の責任を認めたということになります。
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