- 締切済み
オメプラールを飲み続けると認知症になりますか
逆流性食道炎でオメプラールを6年間飲み続けています。 先日友人のドクターからオメプラールを飲んで認知症になったという レポートがあると言われました。 オメプラールの処方箋を持って薬局に行って薬剤師さんに オメプラールを飲み続けると認知症になりますかと聞いたら「可能性があることを業界の人は誰でも知っています。認知症の人はオメプラールのような胃酸抑制剤 を飲んでいる人が多いからです。しかしオメプラールを飲むと認知症になった という実証はまだありません」と話してくれました。 グーグルで「オメプラール 認知症」と入力するとレポートが出てきます。 オメプラールを飲み続けると認知症になる可能性が高くなるのでしょうか。 お教え下さい。
専門家の回答 ( 1 )
- 専門家ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) 薬剤師
こんにちは。特定のタイプの胃酸を抑える薬で認知症リスクが高まるのではないかという話を耳にすることはありますね。 まずオメプラールという薬はPPI(プロトン ポンプ インヒビター)と呼ばれるタイプの胃酸分泌抑制薬で、現在日本国内では5種類の成分が承認され医薬品として使用されています。 症状によって使用できる期間に制限が設けられており、4週間だったり8週間だったりしますが、再発・再燃を繰り返す特定の疾患に対しては長期間の連続使用が認められています。 質問者様がお飲みのオメプラールですが、この薬は「再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法」に対してのみ長期の連続使用が認められています。 ところがこれらの制限は認知症のリスクによる制限ではなく、他の副作用の発現を防ぐことが目的です。 そこで認知症とオメプラールなどの薬(以下PPIと書きます)の関連性ですが、これは古くから指摘されており近年研究が進んできています。 関連性がありそう、という段階ですが、 ・認知症になった人はPPIを服用していることが多かった ・PPIを長期間服用していた人が認知症になることが多かった のいずれとも言い切り難い状況となっており、PPIの長期的な服用が認知症の原因と言い切れるところまでは来ていません。 ただ、認知症リスクの一つにはなり得るのではないか、という報告が出てきていることも確かです。 医薬品の使用にはメリットとデメリット、リスクとベネフィットのバランスが大事です。 質問者様がPPIの服用を続けることで得られるメリット・ベネフィットは逆流性食道炎の抑制を維持できること、それによる生活の安定等がありますね。 一方で、PPI服用による認知症リスクやそのことを気にするという精神的な苦痛・葛藤というデメリットを抱えることになるわけです。 医療というものはこの二つの要素を天秤にかけて、患者の利益(ベネフィット)が最大になることを目指します。 PPIの継続使用は認知症リスクを高めてしまうかもしれないが、現在の繰り返す逆流性食道炎を治療しないことによるデメリットの方がはるかに大きいと考えられる場合にはPPIを使用するという選択をすることになりますね。 オメプラールをはじめとするPPIの継続的な仕様で認知症リスクが高まる可能性があることは指摘されていますが、まだ「可能性がある」という段階なので明確な答えは得られないかもしれません。 しかし患者本人が大きな不安を持っているのであれば、医師は患者を安心させたりPPIを使用しない他の治療を検討・提案するのも大事な仕事なのではないかと考えます。 どうしても気になるようであれば、思い切って担当医に相談してみるのもいいかもしれませんね。 (専門医の世界では一般に知られているよりも先進的な知見が浸透していることもあります) ご参考になりましたら幸いです。お大事になさってください。
ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) プロフィール
ドラッグストア・調剤薬局を全国約1300店舗展開しているココカラファインのWEB担当薬剤師です。 健康、美容についての気軽な相談相手として「お友達以上お医者さん未満」のような存在を目指してます。 ...
もっと見る