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バイオ実験における無菌操作方法について
- バイオ実験での滅菌したチップケースのクリーンベンチへの入れ方には2通りの手順があります。
- 今までの方法ではコンタミの実績はないが、別の手順の方がより防ぐことができると指摘を受けたため疑問が生じています。
- 新しい手順ではアルミ箔を使用し、汚染を防ぐが操作が煩雑になると考えています。空気の流れで微生物が入り込む可能性も懸念されています。
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よく言われる論争ですが,基本的にはどちらも同レベルです。 対して差はありません。 ピペッティング操作で一番のコンタミの原因は,ピペットマン内部のシリンダーの汚染です。 あなたがたが使用しているのはオートクレーブ滅菌をしているということなので,フィルターチップではないですよね。それだとピペットマン内部の汚染をすべてチップ上部から毎回細胞の培養液のなかに押し出し入れていると考えていいです。それでも把握できる範囲でのコンタミが無いのですから,実験的に十分なわけです。 つまり,アルミを付けようが付けまいが,外に出そうがださないが,もしピペットマンを外から持ち込んでいたり,だれかがウイルス液や他の実験でピペットマンを使っている以上,全てもコンタミの原因はチップの内部に押し出されていることになります。 実験を毎日している身からすれば少しでも安全にキレイにと思うので気になるのはわかりますが,通常の培養細胞の無菌操作などその程度で大丈夫なじっけんですし,そんな事よりももっと気を付けないといけないところが沢山ありますよ。 今回のご質問のレベルでの培養は,iPS細胞を移植に利用するなどの厳格な無菌操作の場合とはレベルが違うので,自分が気分の良いようにどちらでも同じなのでやればいいです。アルミがもったいないと思う人はアルミを使わなくてもいいし。どうせ,乾燥機で乾かしているのだから,60度前後の水蒸気はがんがん通気しているわけです。なので外に出そうがしまっておこうが,厳密な意味ではドングリの背比べだと思います。 フィルターチップは一箱ずつメッキ処理をしてマイコプラズマ等も入っていませんので,安心して使えます。もちろん外にも出さないで使うのが理想的ですが,あなたの実験のレベルでの無菌操作であれば,出し入れしてもまったく問題無いでしょう。 ただ,他の人がウイルスを扱っているや,マイコプラズマ汚染が非常に流行っている場合には,チップ,ピペットマンなどは自分で管理したほうが安全です。
お礼
詳しいご回答ありがとうございます。 ピペットマンの内部からの汚染には気づきませんでした。 チップケースのメーカーからの情報では、 ・チップケースにアルミを巻いても、巻かなくても、ケース内の汚染はどちらでも起こり得る。 ・大気中にチップケースを置いたとき、大気からの細菌汚染が絶対にないとは言い切れない。チップケースを滅菌してから、大気中で保管する時間が長くなるほど、大気中の細菌がコンタミする危険性が上がる。 ・長期保管を考えた場合、チップケースをアルミ包装しておいた方がケース内に混入するリスクを減らせる。 ・チップケースを安全キャビネット内に保管しておけば、大気中の雑菌が偶然入るリスクを減らせる。 もっとも、これらの方法でコンタミのリスクをさらに減らしたところで、回答者様の仰られるとおり、私の実験で要求される無菌レベルでは大差ないものであり、(1)と(2)どちらの方法でも要求レベルはクリアーできているので、どちらの方法でも構わないというが科学的には正しい結論のようです。 ただ、要求される無菌レベルを考慮せずに、コンタミのリスクを極力減らしたいという人たちがいて、その人たちの心情・信条を考えて、(2)のルールが最終的に全体ルールとして採用されたようです。