配当所得は、源泉分離課税で済ませるか、確定申告するかを選択できます。特定口座に配当を受け入れていなければ、配当1件ごとに選択可能です。特定口座に受け入れていれば、口座ごとに選択する必要があります。複数の証券会社に特定口座を持っていれば、その口座ごとに選択が可能です。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/syoken-zeisei.pdf
確定申告する場合には、総合課税か申告分離課税かを選択できます。この場合は、全部を総合課税にするか、全部を申告分離課税にするかの選択になります。個々の配当ごとに選択はできません。
つまり、質問者さんの例では、確定申告するのであれば、上場株式とReitの配当を総合課税と申告分離課税に任意に分けることはできません。
ただ、特定口座に受け入れていないのであれば、Reitの配当のみを源泉分離課税で済ませることは可能です。
次に、配当控除の計算についてです。
課税総所得金額が1,000万円を超えると、確かに配当控除額は半分になりますが、あくまでも1,000万円を超えた部分だけが半分になるということです。
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1330.htm
Reitの配当を除くと1,000万円を超えない場合でも、1,000万円を超えた額に相当する上場株式の配当については控除額が半分の5%になります。下記計算シートで確かめてみてください。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2016/pdf/47.pdf
(例)
・上場株式の配当:400万円
・Reitの配当:200万円
・その他の所得:500万円
→合計:1,100万円
◆配当所得の区分
・課税総所得金額:1,100万円(1)
・配当所得の金額:600万円(2)
・(2)のうち配当控除の対象となるもので、
剰余金の配当等に係る配当所得の金額:400万円(3)
・(4)(5)は0円とします。
◆配当控除額の計算
(3)に係わる控除額の計算
・(1)-1千万円=100万円(6)
・(3)-(6)=300万円(7)
・(7)×10%=30万円(8)
・((3)-(7))×5%=5万円(9)
したがって、配当控除額=(8)+(9)=35万円(18)
つまり、課税総所得金額が1,000万円を超えていなければ、配当控除額は40万円だったものが、35万円になってしまいます。
お礼
詳細なご解説ありがとうございます。配当控除になるものとそうでないものは口座を分ければ、合計所得が1000万円超えたときに対応できるという事ですね。大変よくわかりました。