>その周期はどのように決められるのでしょうか?
特に定まった決まりはありません
全国で行われているものを大まかに分けると次のようになります。
〇毎年春・秋などの一定の時期に比較的長く開扉されるもの
〇毎月1回決まった日に開扉されるもの
〇1年のうち、1日ないし数日しか開扉されないもの
〇数年ないし数十年に一度しか開扉されないもの、
〇原則非公開で、開扉時期を特に定めていないもの
〇絶対の秘仏で、写真も公開されていないもの
この中で比較的規則性のようなものがあるのが観音像です。
三十三年周期が多くみられます。
これは観音菩薩は娑婆の人々の願いを聞き届けて救済する仏とされていて、その祈願する人に応じて三十三の姿で現れるとされていることに基づいています
(三十三化身、三十三応身などと呼ばれます)
寺院次第ということもあり中には時代によって違うものもあります。
法隆寺の救世観音は明治時代までは絶対秘仏でしたが明治以降は毎年春秋の二回開帳されるようになりました。
江戸時代には出開帳と称して人の多い江戸などへ仏像を運んで礼拝させて賽銭集めをしていました。
教えを広めると称して善光寺聖などと呼ばれる人がレプリカの仏像を持ち歩いていることもありました。本音は賽銭集めでした。
現代も、秘仏ではありませんが通常は一般人が目にする機会の少ない仏像を寺院の補修に必要な資金を集めるために博物館などに展示されることがあります。
この秘仏、開帳という教義というか習慣は日本仏教特有のものです。
所説ありますが、神仏混交の際の神道の影響によるものではないかとされています。
仏教では元々法という抽象概念が原点でこれをマスターして悟った人をブッダ(仏)と呼びました。
釈迦が最初に悟った人とされ、その境地を書いたのがお経です。
法に応じて悟った人が沢山いたとされ結果として仏教には沢山の仏がいるようになりました。
法では非常に分かり難いので目に見える図式化や彫像化するようになりました。
ストーバ(卒塔婆)法輪、仏足石などがこれです。
仏教が中央アジアに広まる際にギリシャ彫刻の影響を受けて仏の姿を彫像で表現するようになりました。
その際に悟った法を象徴するものが加えられてデザイン化されたのが現在の仏像です。
法に触れるために法を象徴する仏像を礼拝するようになりました。
このように仏像は本来礼拝するものですから秘匿されることはありませんでした。
これが日本へ渡来して広まる際に日本古来の神と同じように有難いものとして秘匿されるようになりました。
日本の神も本来は姿形のないものでした。
神は清浄なもので不浄な人目に触れてはならないという考え方があります。
伊勢神宮の遷宮で神が新しい神殿に移る際に深夜無灯火の状態で行われるのはこのためです。
神が人間界に降臨する際の依り代が神の代わりに祀られるようになりました。
建物や祠にはこの依り代として石などが納めらて礼拝されました。
あるいは、神様の名前を書いたお札などが納められています。
家庭の神棚も礼拝する時だけ扉を開けますが、礼拝と同時に神が降臨するということです。
まぁ~お互いに都合の良いときに会おうということです。
秋葉神のような火伏の神は常時神がいてもらわないと困りますのでお札を張って常時見えるようにしています。
逆に仏教の影響を受けて僧形八幡などと像が作られるようになりました。
この神道の考え方が取り入れられて秘仏というものが生まれました。
元々神道ではこちらの都合次第で礼拝しますので開帳時期というのが決められませんでした。
各々の寺院次第ということになっています。
蛇足
観音菩薩というのは苦しむ衆生の声(音)を聞いて見届けるという意味です。
般若心経では観自在菩薩と表記されますが、衆生の苦しみを見て救う働きが自在だという意味です。
十一面千手観音というのは、あらゆる人々を見ていて救済に必要なあらゆる手立てを持っているということを象徴して彫像化したものです。
神道がややこしいのは上記した自然神の他に日本武尊や神武天皇のような人格神がいたり人が死んだ後に霊魂が神になるという考えかたが渾然一体となっているためです。
とくに宗教という言葉が一神教のキリスト教圏からの外国語を翻訳する際に使われたことから、宗教という言葉がそのまま一神教の考え方に従って使われているためです。
宗教というのは元々は宗派の教義という意味の言葉でした。
英語などではキリスト教の神ヤハウエを表す場合はGodと大文字を使い他の神々の場合はgodと小文字で書分けていますが日本語では全て「神」とするために混乱が起きます。
七福神のように仏教伝来で寺院に祀られているのに神とすることもあり混乱します。
ヒンズー教由来の天、王などを仏教の守護神と説明することも混乱の元になります。
神道にある神の称号に権現というものがありこれも混乱させます。
お礼
感激です。 リンク貼りに委ねず、ここまで書いてくださって本当に嬉しいです。 回答文をヒントに自分なりに検証していきます。 これ以上質問を開けておけば、同等の良いご説明も得られるのかもしれませんが、ここで締めさせていただきます。 ありがとうございました!