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【溶接】溶接でアルゴンガスが使われるのはなぜですか
【溶接】溶接でアルゴンガスが使われるのはなぜですか?
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不活性だからです。 数百度の温度で作業をする箇所ではいてほしくない元素はたくさんありますが、不活性ガスはそうではない。 とはいえ、ヘリウムは軽すぎて役に立ちません。 不活性ガスがいてくれることで他の変なガスを押しのけてくれるのが一番です。
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- kagakusuki
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溶接とは、複数の部材の接合部を部分的に加熱して溶融させて継ぎ合わせる接合方法の事です。 鉄などの様な高融点の金属の場合、空気に触れたままの状態で溶融させると、加熱する部分が高温になり、金属の一部が酸化して酸化被膜が生じ、その酸化被膜が溶融した金属が互いに混じり合うのを阻害して上手く接合する事が出来なくなったり、溶融した金属の中に空気中の窒素や酸素が溶け込み、加熱を終えて金属の温度が低下する際に、その窒素や酸素が金属の中に溶け込み切れなくなって再び気体となる事により溶融部に泡が生じ、接合部である溶融部の強度低下を招いたりします。 溶接部を空気に曝したままの状態で溶接すると上記の様な問題が生じるため、電気溶接やレーザー溶接などでは接合部が空気に触れない様にするために、接合部にシールドガスを吹き付けながら溶接するという事が行われます。 金属と反応して酸化被膜が生じてしまう酸素の様に、金属と化学反応を起こして金属とは別の物質が生じる様なガスでは、シールドガスの主成分として使用するには適していませんので、シールドガスの主成分として使用するガスには金属と反応し難い性質を持つ事が求められます。 ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの第18族元素は貴ガスとも呼ばれ、化学反応を非常に起こし難い性質があるため、溶接対象の金属と化学反応を全く起こさないという点ではシールドガスに最も適しています。 但し、地球は太陽系が形成された際に主に固体成分が集まって出来た岩石惑星であり、貴ガスはその名の通りガスであるため、固体成分によって形成された地球には元々、殆ど存在していませんでした。 現在地球に存在している貴ガスは、主に固体成分の中に含まれていた放射性物質が崩壊した際に新たに発生したものです。 例えば、アルゴンの場合はカリウムという元素の放射性同位体であるカリウム40が放射線を出す事で、アルゴン40に変化する事によって生じたものです。 クリプトンやキセノンはウランなどが核分裂した際に生じたものが殆どで、地中にはウラン235を核分裂させるために必要な中性子がほぼ存在しないため、ウラン235ではなく、ウラン238が中性子なしで核分裂を起こす自発性核分裂によってくらいしか生じる事はありません。 そして、ウラン238が自発性核分裂を起こす確率は非常に小さいという事と、ウランの存在量自体がカリウムと比べて非常に少ないという事により、地球に存在するクリプトンやキセノンの量は、アルゴンと比べて極僅かなものに過ぎません。 ヘリウムはウランやトリウムラジウム等々、様々な放射性物質(の中でもアルファ線を出すものに限る)から生じるのですが、ヘリウムを大気中に留めておくには地球の重力は小さ過ぎるため、宇宙空間に逃げ出してしまい、大気中にはヘリウムが殆ど存在せず、地球に存在するヘリウムの中で人類が利用可能なものは地中に存在しているものだけであり、現在市販されているヘリウムは主に天然ガスの中にわずかに含まれていたヘリウムを、天然ガスを液化する際に取り出したものです。 尚、ネオンは地球に存在する放射性物質から生じる事は殆どありません。 これらの他の貴ガスと比べて、海中や地表近くの土壌などに含まれていたカリウム40が崩壊する事で生じたアルゴンは、空気よりも重いガスでありために、ヘリウムなどとは異なり宇宙空間にはあまり放散する事なく、大気中に蓄積されます。 このためアルゴンは空気中に0.93%も含まれていて、これは窒素や酸素に次いで空気中に3番目に多く含まれている成分です。 そのため、アルゴンは空気を液化蒸留するだけで取り出す事が出来、空気はどこにでも存在していますから、アルゴンの原料である空気は輸送費も使わずにその場で無料で手に入るため、アルゴンは他の貴ガスと比べて非常に安価かつ大量に入手する事が可能です。 また元々、大気中に存在していたものを取り出したものなのですから、使用時に大気中に放出させてしまっても大気汚染や地球温暖化等の環境に悪影響を与える恐れは皆無です。 この様に、溶接対象と化学反応を起こさないという点と、安価且つ大量に手に入るという点から、溶接用のシールドガスとしてアルゴンガスが使われている訳です。 因みに、ネオンサインで青色などを出す際にはアルゴンガスを使っており、アルゴンガスの場合もアークによって発光現象が起きるという点ではネオン等の他のガスと変わりありません。 【参考URL】 溶接 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%B6%E6%8E%A5 アーク溶接 - Wikipedia > 5 シールドガス https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%BA%B6%E6%8E%A5#.E3.82.B7.E3.83.BC.E3.83.AB.E3.83.89.E3.82.AC.E3.82.B9 一般社団法人 日本溶接協会 溶接情報センター > 接合・溶接技術Q&A1000 > カテゴリ検索 > 各種材料・母料 > 接合・溶接および変質 > Q-05-01-10 シールドガスはなぜ必要なのですか。また,シールドガスが無いとどうなるのですか。 http://www-it.jwes.or.jp/qa/details.jsp?pg_no=0050010100 第18族元素 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC18%E6%97%8F%E5%85%83%E7%B4%A0 アルゴン - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%B3 ネオンサイン - Wikipedia > 2 概要 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%B3#.E6.A6.82.E8.A6.81
- notnot
- ベストアンサー率47% (4900/10358)
他の人の回答に追加すると、アルゴンはたくさんあると言うのもあります。空気の約1%はアルゴンガスです。空気を構成する要素としては、窒素(78%)、酸素(21%)の次に多い。
- Null0lluN
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アルゴンだけでなく炭酸ガスが使われることもあります。 両者ともアーク溶接に用いられていますが、放電の安定、窒素や酸素の混入を防ぐ、不活性ガスであるため金属と反応しない、といった理由が挙げられます。 どうして希ガスの中でヘリウムやネオンを使わないのか、という意味であれば ヘリウムは軽すぎますし、ネオンはネオンサインに使われることからわかる通りアークによって発光現象が起きてしまうため、重くて扱いやすく比較的簡単に手に入るもの、となるとアルゴンが適しているためです。
- no_account
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ガスを吹き付けるのは溶接中の金属の酸化を防ぐ事が目的だけど アルゴンガスを使うのは ・安定していてガスが化学変化を起こさない ・ガス自体が燃えない
お礼
みなさん回答ありがとうございます